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2019-10

「The Magnificent Seven」 (ザ・クラッシュ 1981年4月1日)


The Magnificent Seven
(Mick Jones, Joe Strummer, Topper Headon, Norman Watt-Roy, Mickey Gallagher)



☆ この曲の邦題は最初,直訳されて「7人の署名」となっていた。西部劇のファンならご存知のように「The Magnificent Seven」はジョン・スタージェス監督1960年作品の米映画「荒野の七人」のこと。「荒野の七人」が黒澤明監督1954年作品「七人の侍」のリメイクであることと同じくらい知られているかは微妙だが,「荒野の七人」も2016年にアントワーン・フークア監督によって再リメイクされ,その映画の邦題は原題そのままの「マグニフィセント・セブン」となっている。

☆ こうしてタイトルだけで一つの話が循環してしまうのだが(笑),パンクロック世代の英国では西部劇が(おそらく)昼間の空き時間帯のテレビを埋めていたと思われる(10年くらい前の日本では地上波民放のその時間帯が韓流ブームだったように)。アダム&ジ・アンツのセカンドアルバムに「ランチヒーロー」という曲があって,ランチヒーローはハリー・キャラハンを演ずる前のクリント・イーストウッドのことだったが,ストラマー同様,彼も放課後にそういうテレビを見ていたのだろうな。

☆ で,『サンディニスタ!』(1980年12月10日)の劈頭を飾るしなやかなファンクが,この曲。英語版Wikipediaで,この曲の所属世代を見ると「Funk・hip hop・rap rock」と全く正しいことが書いてある(笑)。3年8か月前にはソリッドなパンクを叩きつけて(大貫憲章ふうに言えば「毒を吐」いて)いたバンドが,ファンクのメロディーに乗せてラップのようなものを歌っている。これは進化というのだろう。たぶん退化ではない。

☆ 2019年の今,40年近く前を振り返って思うことは多い。サンディニスタはニカラグアの現政権で中国の助力を得て大西洋と太平洋を結ぶ運河を作っている。この事実をストラマーが(生きていて)知ったらどう思うだろう?それでも米国よりはマシと思うのか(確かにトランプやペンス,首にされたがボルトンとか,そういった連中の肩を持つよりはマシと思うかもしれないだろうが)。

☆ もっと皮肉を言えば,レーガン政権の命取りになりかけた「イラン・コントラ事件」のコントラの相手がサンディニスタであったことを思えば,どんだけにの皮肉と思えばいいのか(世間の目を逸らすためにその後パナマのノリエガを標的にして追い出したが)。

☆ ポピュラー音楽の背景にあった「政治」だってこれだけ変わっているのだ(政治学者でも「クラッシュを聴いたこと」を覚えているヤツが一人くらい居ることを心から祈りたいものだが)。まして音楽スタイルがどう変わっても姿勢(Attitude)が一貫しているかどうかの方が大事だろう。

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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