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2019-12

【追記あり】 「グッドラック・アンド・グッドバイ」 (岡崎友紀 1976年4月20日)


☆ アイドルの王道が歌手であったのは1970年代の事だった。理由もあってショウビズのメインストリームが映画からテレビに移行したこと。テレビが映画より低く見られていた理由は「間口が広い」からで,スターが今のようなコモデティ(フツーの人プラスアルファ程度の希少性)になっていく背景には,文字通り「あまねく伝える」ブロードキャスティングのマジックがあった。

70年代アイドルの王道 スカウト⇒モデルもしくは端役⇒注目されて本格プッシュ(歌手もしくは女優)⇒大人気⇒いろいろ...

☆ 子役からスターになる人は現在もたくさんいるが,歌手という経路を選ぶ必要は無くなっている。たまたま本人が「歌が好き」だったり「(役柄も含めて)歌える」という条件を満たすか,気まぐれプロジェクト的に歌手デビューさせるかでもなければ,昔加賀まりこがドリフの聖歌隊で長さんに無理やり独唱させられそうになるという現代で言う「セクハラギャグ」のようなことは起こらない。現役なので敢えて名を伏す某女優を含め歌手だったことが黒歴史の人は70年代アイドルデビュー組には掃いて捨てるほどある(爆)。

☆ で昔の東芝音工(東芝EMI)にはなぜかそういう人がたくさんいて(笑),「Myこれ」あたりで特集していれば面白かったのにとは思うけど,名曲だっていろいろあるのだ。岡崎友紀さんの場合は80年の半分覆面曲「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」(Yuki)が最大のヒット曲だけど,この曲(ユーミンの提供曲で彼女のヴァージョンはセルフカヴァー)だってノンヒットのわりに名曲だ。

☆ 歌に「語り」が入るのはこの時代が最後のほうで(この時期の最高傑作はアン・ルイスのデビュー曲),50年代から続くアイドル・ポップスの歴史の一区切りという意味もあると思う。

「グッドラック・アンド・グッドバイ」 (作詩・作曲:荒井由実)


☆ ここのところ「よいかよ」の人の記事をヤフーで見たり,スージー鈴木がチェッカーズの事を書いてる記事を読んだりしたが,なんか違うんだよね(笑)。まあポピュラー音楽は個人の楽しみ事なので,野暮な話はしたくないけど。

2019年7月20日追記
☆ 多メディア化は,より多くの人をスタジオ(昭和の御代なら「ブラウン管」)の向こう側に送り出したが,同時に上に書いたようにタレントというコモデティの総量を増すこととなり,小学生の「憧れの職業」がプロ野球・サッカー選手から「ユーチューバー」になったことがその一つの象徴だろうと思う。

☆ 希少性というものは,希少であるから「何かをすること」に意義があるのであり,昔から敵意を持った言葉として使われてきた「ジャリタレ(これは単に「年が若いのでちやほやされているタレント」という意味の他に「道に転がっている砂利のように "どこにでもある(レベルの顔なのにテレビに出ている)" 程度のタレント」というかなり悪意に満ちた意味がある)」がいま風に言えばコモデティということになるのである。

☆ 一般人との垣根の低さに加え「自分表現手段」という武器(多くの場合,銃刀類のように容易に凶器となる)が人口に膾炙した結果,タレント(一括りにされて気の毒な人間国宝級 [ただし若い頃の「やんちゃ」は無いことになっている例が多い] からかなりヤバいご商売まで含む)は常時評価の対象であり,ちょっとでも気に入らないタレントが何か失策をした途端に「炎上」して「廃業」に至る羽目に陥る。最近よく見かける女性をターゲットにしているらしい某サイトは「嫌いなタレント」についても語ろうと煽っているが,マイナス情報を書き散らして書き散らした本人以外の誰の生産性が上がるのか?ハッキリ言って嘆かわしい。多様性ということに不感症なのだ。気に入らない人間でも直接的な危害を与えない限り放置する。リスクマネジメントの基本なのだけど人間の本性はそれをなかなか許容してくれない。

☆ 槇原敬之が書いた「世界に一つだけの花」という曲は,さまざまに解釈されている。ぼくの解釈では,この曲は「多様性」を謳っているのだと思う。誰かが書いていたように,確かに花屋の店頭に並ぶまでの間に花卉(かき)は選別されているかもしれないが,寅さんなら「それを言っちゃあ,おしめえよ」。主人公はあくまで通りかかった花屋の店頭で見た花のさまざまな姿を見て,多様性がもっと大事にされる世界になればよいと思ったのではないか。一人一人が唯一のものであるというメッセージは,他者を押しのけるのでもなければ,1位になれない言い訳(「2位じゃダメなんですか」)でもないと思う。

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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