2018-05

私が書きました 「Ai No Corrida (愛のコリーダ)」 (チャズ・ジャンケル 1980年)


初出:2013年1月15日
愛のコリーダ愛のコリーダ
(2005/09/25)
チャズ・ジャンケル

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☆ チャズ・ジャンケルはイアン・デューリーの長年の(曲作りの)パートナーだった。イアンのブロックヘッズ時代の名作の過半はデューリーの猥雑な詩にジャンケルがファンキーな曲をつけたものである(その頂点が全英No.1の「Hit Me With Your Rhythmstick」であることはそういう棒をお持ちでない方にも容易にお分かりになることと思ったりする=自爆=)。その唯一の例外がこの曲で,上に掲げたアルバムのセルフレビューで彼自身がその辺の事情を詳しく語っている(彼がクインシーの自宅に招かれた時のエピソードなどもあってなかなか興味深い内容だった)。

Ai No Corrida
(Lyrics:Kenny Young / Compose:Chaz Jankel)


☆ という訳でジャンケルは曲は書いているが,歌詩は書いていない。歌詩はケニー・ヤングが書いているようだ(Wikipedia 英語版)。「愛のコリーダ」はこの映画(日仏合作)の邦題であり,オリジナルタイトルは「L'Empire des sens(仏)」「In the Realm of the Senses(英)」である。

☆ この曲を選んだのは言うまでもなく大島渚の訃報を目にしたからである。R.I.P.

PS.いちおうお約束だから最後に書いておくが,この曲名を「I Know Corrida」と思っていた人がクインシー以下多数居たという都市伝説(出元は小林克也)がある。

2018年3月19日付記
☆ チャズ・ジャンケル(Chaz Jankel)はイアン・デューリーと活動していた時はチャス・ジャンケル(Chas Jankel)と表記していた。理由はよく知らないが,トヨダが米国で車を売るにあたってトヨタと言い換えた(だから自動織機や通商の会社はトヨタではなくトヨダと読む)のに似たような理由があったのかもしれない。

☆ ジャンケル自身のノートによると,この曲が頭に浮かんだ時「しめた!」と思ったらしい。傑作をものしたという勘が働いたのだと思う。だからジャンケルはこの曲をブロックヘッズに渡さず自らのソロ作のメイン作品に選んだ。ケニー・ヤングがこの曲を貰った頃,大島渚の映画はたぶんロンドンでかかっていたのだろう(日本映画にはまだその程度のパワーがあった)。だがどっちにしてもその映画を見たこともなかったジャンケルには関係のなかったことで,同じような事情がクインシー御大にもあったらしい状況は小林克也の広めた「都市伝説」にそれらしさを加えている(笑)。

☆ ディスコでは当然クインシー盤しかかかっていない(笑)。しかしWikipediaの解説を見るとベルギーでかなりヒットしていて(最高位18位),興味をそそるところである。ちなみにクインシー・ジョーンズの名前でクレジットされた「愛のコリーダ」(1981年4月リリース)はパティー・オースチンら若手をゲストに招き,全英14位,全米(ビルボードHot100)28位のヒットとなったが,売上と関係なく一番ヒットしたのは曲のタイトルに過剰反応した極東の島国であろうと思われる(爆)。

☆ チャズ・ジャンケルはその後,ジョーンズに招待されて一度だけその豪邸を訪ねたことがあるという。まあ確かにマイケル・ジャクソンじゃなくて自分の名義でヒットを飛ばせたのだから作者を招待したくなるクインシー御大の気持ちも分からないではない(笑)。でも70年代末の飛ぶ鳥を落とす(と言っても大ヒットは「Hit Me with Your Rhythm Stick」だけだが)ブロックヘッズに親しんだニューウエイヴ小僧の耳にはデューリーの『Do It Yourself』で縦横無尽に暴れているジャンケルの音の骨格がこのヒット曲からもしっかり聴こえてくるのではあるが。そしてミュージシャン(作曲家・アレンジャー)としてのジャンケルの力量は,クインシー御大がほぼ完コピでカヴァーしたという事実からも明白に分かることだろう(笑)。



残り2本で遊びに行きます。
人通りもすっかり減った元商店街から。
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コメント

愛のコリーダ

ずっとクインシーが自身の作曲でないにせよオリジナルだと思っていので、カバーだと教わって、かなりびっくりなうえに、この演奏も甲乙つけがたい出来なので、本家の翌年にすぐカバーを出してよいのか、まるで洋楽ヒット曲にすぐ日本語歌詞をつけて、本命盤とかいって出すみたいです。

クインシーのアルバムは、スティーブ・ルカサーが入ったり豪華なバックで、AORというよりフュージョンとして聴いていて、カルロス・リオスを連れて来日したときは、もっとギターを弾かせてやってくれ、せっかくいるのにもったいないよという気分でした。

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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