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2018-08

「真夜中のドア」の「真夜中」を追う


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真夜中のドア〜Stay With Me (作詩:三浦徳子 / 作・編曲:林哲司)


☆ ぼくはこの曲の「時制」のことを考えていた。曲に描かれているエピソード「真夜中のドアをたたき 帰らないでと泣いた」「あの季節」は何時か?というお話だ。

☆ 何時だか分からないからその時点をXとする。曲を辿ると「あなたの心」が「離れていった」のは「二度目の冬が来て」からである。冬の途中で年が変わるのが北半球特有の厄介さなので(苦笑),ある理由からその時点Xを2月としておく(理由はあとで)。すると後は引き算の世界で,Xから見ると2年前の春~秋がこの二人が出会った時点となる。そういうことがありそうなのは(学齢)新年度の4月だとか夏休み~新学期である7~9月とかになる。曲のリリースが1979年11月5日なので,1977年の7月あたりに仮置きしておく。で,そこで出逢ったふたりはその年(77年)の冬はハッピーに通過し,78年の冬には(詩の展開上)彼氏の心が離れて,79年2月にはこのカップルは破綻している。

☆ ここで「2月」と書いた謎解き。といってもこれは完全な「後付け」であり,だいいちみき姐のファンなら気付いているかもしれない。答えは同じ三浦徳子が書いた「ニートな午後3時」(1981年2月5日)の歌詩の中にある。「テーブル囲むお茶の時間に 何気なく問い詰めた」のはFebruaryだったでしょ。そしてその「次の週には」「8階」の彼女の「部屋から消えていた」のであるから。

☆ そうすると彼女が「真夜中」に「たたく」のは誰の,どこのドア?普通に考えたら「(元)彼氏の部屋」になるだろう。でもそれは成り立たない。だって彼女は「帰ってきて」とは泣いてなくて「帰らないで」と泣いているからだ。自分の部屋でもなく彼の部屋でもない。だけどドアがあるものは部屋だけじゃない。彼氏の車のドアかもしれない。そして彼はその車に乗って「新しい彼女」の元へ「帰ってしまう」のである。これだと「帰らないで」の方向は合う。

☆ ところで以前「ニートな午後3時」をプロファイルした時,「ある日突然」電話をしてきた彼は「西5番街」(ニューヨークだか何処かの地下街のようだ)で待ってると言い,彼女は「私は(そこに)居ない」と書いた。あの時書いたように,これは居留守ではなく彼女の意思表示なのである。だってこの時点の彼女は過去という「花束」を「歩道に」「まき散らして」しまうヒトなのである。巻き散らかされた花束は彼女の足跡と同じものであり,記憶か記録でしかない。そして「未来を愛して」いる彼女がそれを宣言したのはApril。この二つに1979年(もしくは「ニートな午後3時」がリリースされた1981年)という年号を嵌め込めばお終いである。

☆ もっとも1981年を取り上げるとすれば「真夜中のドア」で彼女が元カレに出くわすのは81年の11月になり,はてさて珈琲の染みがついたグレイのジャケットを二冬も愛用する人なのだろうかという気がしなくもない。まあ「相変わらず」なんだからその辺は大目に見るか(爆)。






☆ あと歌詩で時制が難しそうなのは「私は私 貴方は貴方」(と言ってた)、「恋と愛とは違うものだよ」(と言われた)会話があった「ゆうべ」のこと。結局これは破綻した年の冬に二人が偶然出会って話をしたということでけりがつくと思う。先ほどの結論は変わらず,昨夜(ゆうべ)は1979年もしくは1981年の11月頃で丸く収めてしまおうと思う(破綻したカップルを丸く収めてどうするんだ^^;)。




☆ しかしこの曲の後藤次利のベースはよくもまあチョコチョコ動くなあ。あと何回でも言っておくけど,彼女がこの曲をレコーディングした時は初めてのレコーディングに挑む19歳だったということ。これは特にスージー鈴木氏に強調しておきたい(爆)。
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コメント

この曲の歌詞は、

人生で一番読んだかもしれません。
シングル盤を手に入れて、嬉しくて何度も何度もジャケットと裏面の歌詞を読んでいたことを思い出します。
もう音楽と(レコードと)そんな出会いをする時代ではないのが寂しいですね。
この歌詞、全体像としては特にわかりにくい部分はないと思うのですが、「真夜中のドアをたたき帰らないでと泣く」部分は表現がおかしいな、と思ってました。
実際には「真夜中のドア」なんだから叩いているわけではない、という結論はなしにすると、仰る通り、やはり車でしょうね。
自宅のドアを内側から叩くとなると、外から押さえている図になり、なんともまぬけですし、あまり見たことのない情景です(笑)

彼女の家から彼が飛び出す→あわてて彼女もあとを追う→車に乗り込みキーを回す彼→追いついた彼女が「帰らないで」とドアを叩く

キマリましたね。

グレイのジャケットにコーヒーのしみが「相変わらず」なのは、実は一番違和感を覚えるところです。
彼のイメージが割とスタイリッシュなんですよね、勝手ながら。
「着るものに無頓着な彼」ではこの歌にはフィットしない気がしてます。

読めば読むほど、

いろんな謎がでてきます。
コーヒーの染みどころか、ゆうべ本当に会っていたのか、すべてが彼女の…
それじゃあ反則技の夢オチですね(笑)

ふと、山下達郎がラジオで言っていたのを思い出し、彼の言葉で脳内再生されました。
「あんまり歌詞を深読みしなさんな。」
とは言っても、そこは歌詞を書いたものの宿命でしょうかね。

私の中では勝手に、
二度目の冬が来る前の夏(海の帰り)には占い師に見てもらって予言された
ところまでつながっています。三浦氏の歌詞じゃありませんけど。

どこのドア?

はじめまして。
「真夜中のドア」の曲名を30年間「ニートな午後三時」だと思っていた人間です。
最近、松原さんにハマりまして、「真夜中のドア」の歌詞については、やはり疑問に思っていました。
結論めいたものが出ているようですが、私も自分なりの脳内解釈をしていましたので、コメントさせて下さい。

ずばり、彼女は、自分の部屋のドアを内側から叩いています。
彼に帰ってほしくないのに、帰らないでと言えないまま、彼は出ていった。
その後、閉じられたドアに向かって、ドアを叩きながら、帰らないで・・と泣いているのです。
「私はわたし、あなたはあなた」と言うような彼女、「別れないで、行かないで・・」などどは、言えなかったのではないでしょうか?
だから多分、彼は、彼女が大いに未練を残しているということに気づいていないのでは?
そして、久しぶりに街中で再開した二人。
表面的には、相変わらずなのね~的にさらっとした感じを装っていても、彼女の内面では、「あの夜、一人でドアを叩きながら泣いた」ときのことが、フラッシュバックしている。
そんな風に自分には思えるのです。

以上、「ニートな午後三時」なのに何故「真夜中のドア」を叩いているのかと、不思議な感覚にとらわれ続けていた人間の感想でした。
(この馬鹿な勘違いのお陰で、30年間、この歌(のサビの部分だけ)を忘れずにいることができたのですが・・)

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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