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2018-10

ジョジョの街から来た女(The Stone Poneys「Different Drum(悲しきロックビート)」 (1967年9月)




☆ 荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」は,ぼくがまだ週刊少年ジャンプを毎週どこかで(そのほとんど全部が喫茶店)読んでいた頃から連載が始まり,気が付いたらレジェンド的作品になっていた。ジョジョといえばビートルズの「ゲット・バック」で,このシングルがリリースされる(1969年4月11日)数年前にジョジョと同じ足取りでアリゾナ州ツーソンから一人の少女がカリフォルニア(ロサンゼルス)にやって来た。20世紀後半の全米ポピュラー音楽界の歌姫のひとりであるリンダ・ロンシュタットである。

☆ ドイツ語で街を意味する言葉にStadt(シュタット)という言葉があるが,Wikipediaの記載を見ると「父方の曾祖父がドイツからの移民」とある。その割にはゲルマン系の顔をしていないのだが,その理由も「曾祖父はメキシコ人と結婚」したからで,Wikipediaはさらに父親が歌手の経験があり,子供たちに幅広く様々な音楽を聴かせたこと,母親も「ギルバート&サリバン(アーサー・サリヴァンとウィリアム・S・ギルバート)の大ファン」で,「リンダもラジオから流れる50~60年代のヒット曲に親しむ」と続いている。

☆ 子供の頃の音楽的経験がキャリアを作るうえでの素養となることは間違いなく,「音楽的背景としてペギー・リーやビリー・ホリデイ、サラ・ヴォーンなどの女性ジャズシンガーが挙げられ、最も影響を受けた歌手としてはメキシコのランチェーラ歌手・ローラ・ベルトランを挙げている」の記述からは彼女が後年スペイン語のアルバムやネルソン・リドルと組んだスタンダード・ジャズ3部作に取り組んだ背景も良く分かってくる。ちなみにギルバート・オ’サリバン(「アローン・アゲイン」「クレア」で有名な英国人歌手)の芸名はギルバート&サリバンから来ている(英国人はこういう芸名の付け方が好きなようで,同時期にデビューしたエルトン・ジョンもこのパターンである)。

☆ そんなリンダがヒッピー文化真っ盛りのロサンゼルスやサンフランシスコにやって来て出会った一人にケニー・エドワーズがいる。この二人と彼女をL.A.に誘ったボビー・キンメルが作ったバンドがストーン・ポニーズ(The Stone Poneys)だった。バンドは66年にキャピトル・レコードと契約し同名アルバムを出すがヒットには至らなかった。めげることなく(☜日本盤のディスクレビューによくある表現を流用)翌67年6月にセカンドアルバム『Evergreen, Volume 2』をリリースする。そこからシングルカットした「Different Drum(悲しきロックビート)」 が彼女のキャリア上の初ヒット(全米最高位 キャッシュボックス:12位,ビルボード:13位、ニュージーランド:第5位,豪州:第9位,カナダ:第18位)となる。

Different Drum (Mike Nesmith)
1967年頃のライブ(21歳頃のリンダ・ロンシュタット!)


☆ しかしストーン・ポニーズはカントリー・ロックの色合いが濃いが,リンダは些かふっくらしている感じがする(ストーン・ポニーズのファーストアルバムのジャケットなんかもね)。このパフォーマンスを見れば一目で分かるように,ストーン・ポニーズはリンダのためのバンドになっており,68年に出たサード・アルバムはタイトルからして『Linda Ronstadt, Stone Poneys and Friends, Vol. III』になっている。このような経緯で彼女はソロデビュー『Hand Sown ... Home Grown』(1969年3月)に繋がっていくのだが,ケニー・エドワーズはリンダを巡る最重要人物(ミュージシャン編=爆=)のひとりとなっていく。


☆ むかしリンダのファミリーネームは「ロンシュタット」ではなく「ロンシュタッ」だと言い張る人とネットで話をして,内心閉口したことがある。当時からドイツ語なんだけどなあと思っていたのだが,今回それが確認できてよかったよかった。
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リンダ・ロンシュタット

リンダ・ロンシュタットは、「風に消えた恋」のジャケットが、ハッとするような美しさ、可愛さで、まずは見た目から入ったので、その後、ショートカットにしてアクティブな感じになったのは、マッチョのオリビア・ニュートン・ジョンと同様、がっくりきました。

LPは持っていなかったので、安直にCD時代にベスト盤を買いましたが、「また一人ぼっち」も「風に消えた恋」も入っていなくて、イーグルスの名曲をきちんとリンダバージョンで聴けたかなという程度でした。

イーグルス以前にも、ストーンポニーズなるバンドを従えていたのは知らなくて、この映像で見る当時のリンダは、いかにも60年代ファッションで、弘田三枝子とか歌謡曲の人にも見えます。

あと、「ロンシュタッド」は初耳でした。

私の年代では、

ポッカリ抜け落ちている歌姫のひとりではないでしょうか。
オリビアやシーナ・イーストンが人気だったり、Go-Go'sがデビューした80年代初めあたりは彼女もやや人気に翳りが見え、その後のヒット作がジャズだったのも中学生にはついていけない世界だったのかもしれません。
私も聴いたのは「ゲット・クローサー」(「さよならのページ」は結構好きで、FMでエアチェックしたものをよく聴いてました。)とベスト盤だけだと思います。
(ちなみにメリサ・マンチェスターも正にこのパターン、「ヘイ・リッキー」とベスト盤のみ)
もともと女性ボーカルがそれほど好きではなかったのもありますが、これからは70年代歌姫をいろいろ復習していくのもいいかもしれない、なんて思ってます。
ギターマジシャンさんも書かれていますが、洋楽女性シンガーのジャケットにはドキッとさせられることが多かったです。
私のような小僧には刺激の強いもの(笑)が数多くあった気がします。

来月も楽しみにしています!
よろしくお願いします。

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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