2018-05

「I'm a Party」 (マガジン 1980年5月=アルバムリリース)




☆ マガジンのサード・アルバムはある意味このバンドにとっての正念場だったと思う。デビュー・アルバムで彼らはパンク以降の音楽の方向性を明示し,セカンド・アルバムはそれをさらに進めようとした。その試みに対するプレス(音楽紙業界)の評価は「労働者階級のピンク・フロイド」という誰が見ても逆上しそうなものだった。後にハワード・ディヴォートがソロ・アルバムを出した際のインタビューでマガジン時代の音楽を「ヘヴィな審美主義」と評しているが(その傾向はむしろLuxuria時代にこそ感じるが),少なくとも前作よりは軽い音をバンドとプロデューサーのマーティン・ハネット(31 May 1948] – 18 April 1991)は目指していたと思う。

I'm a Party
(Barry Adamson, Howard Devoto, John Doyle, John McGeoch and David Tomlinson)


I'm such and such
私は斯斯云々(かくかくしがじか)
I'm a scream
私は一種の雄叫(おたけ)び
Bad choices take me to task
酷(ひど)い選択の結果
とんでもない仕事を押し付けられ
You'll see
お分かりですかな
I'll take out the car
そこの車を持ち出すことになるが
But nobody'll want to crash
誰も衝突事故なんて望んじゃないでしょう
Take me with you
あなたと一緒に連れて行ってくださいな
(I'm a parry)
(私もその一味)
I don't know where I've been
だがしかし,どこにいたなんてとんと覚えちゃいない
So all things being equal
ですから須(すべか)らく物事は平等でして
(I'm a parry)
(私もその一味)
I won't know where we're going
その割にはこれから何処へ行こうとしてるのか
見当もつきませぬ

You could do me a favour
もし助けていただけるのでしたら
Do whatever you want to
あなたがしたいどんなこともしていいですから
I will let you hurt me
私はあなたが私を害するように仕向けるでしょうか
Because I know it hurts you
その理由は
そうすることであなた自身を傷つけることになるからですよ
It hurts you
そう,あなた自身を

What you say goes
あなたの言葉が罷(まか)り通っている限り
(I'm a parry)
(私もその一味)
All over the town
この街中にその威令が罷り通る限り
I fell into you
私はあなたに従っていくだけ
(I'm a parry)
(私もその一味)
I keep up with all that's coming down
そこに下される指示に坦々と従っていくでしょう
So, what's shaking!
それで,最近はいかがでした!
(I'm a parry)
(私もその一味)
You've got me racing, you've got me racing
あなたが私を無意味な競争に追い立てる
競争の中に追い立てる
The sound of a siren
警報は街中に響き渡り
In all the spaces between
あらゆる隙間を埋めていくかのよう

You could do me a favour
もし助けていただけるのでしたら
Do whatever you want to
あなたがしたいどんなこともしていいですから
I will let you hurt me
私はあなたが私を害するように仕向けるでしょうか
Because I know it hurts you
その理由は
そうすることであなた自身を傷つけることになるからですよ
It hurts you
そう,あなた自身を

(間奏)

You could do me a favour
もし助けていただけるのでしたら
Do whatever you want to
あなたがしたいどんなこともしていいですから
I will let you hurt me
私はあなたが私を害するように仕向けるでしょうか
Because I know it hurts you
その理由は
そうすることであなた自身を傷つけることになるからですよ
It hurts you
そう,あなた自身を

(I'm a parry)
(私もその一味)
I know it hurts you
私はそれがあなた自身を傷つけることを知っていますよ
(I'm a parry)
(私もその一味)

Repeat and fade

☆ バンドとしてのマガジンがこのアルバムで目指したものは,前2作に見られた個人を出発点とするミニマリズム的心象風景ではなく,個人と社会(ここでは家庭のような基礎単位から政治(権力)闘争に揺れる企業内社会までが含まれる)との「関係性」で,そこにバンドの歌詩のテーマが移ったことは注目すべきである。その背景には前作に寄せられたステロタイプな批判への反省があったことは疑う余地はない。社会との関係性というテーマで見るならば70年代初頭のニュー・ソウルは明らかに黒人社会が米国で抱えていた問題の反映だったし,パンクでもピストルズやクラッシュには明らかに社会との関係性(現実としての社会問題=それを解決しようとしない政治への批判を含め)があった。またポール・ウエラーもスタイル・カウンシルでニュー・ソウルを80年代にアップデートさせながらこの問題を取り上げている。

☆ ディヴォートらは確かに「ヘヴィな審美主義」に社会性の「眼」を与えようとし,このアルバムでは確かにそれは成功している。ただアルバムの価値が認められ始めた頃には既にバンドは空中分解した後だった。マガジンというバンドに悲劇があるとすればたぶんその一点だったのだろうと思う。

PERSONNEL

Magazine
Howard Devoto – vocals
John McGeoch – guitar
Barry Adamson – bass guitar
Dave Formula – keyboards
John Doyle – drums

Additional personnel
Laura Teresa – additional backing vocals
Raphael Ravenscroft (uncredited) – saxophone on "I'm a Party"


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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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