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2018-10

「(I Can't Get No) Satisfaction」 (The Rolling Stones 1965年6月6日=米、8月20日=英)


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初出:2012年5月9日
アウト・オブ・アワ・ヘッズ(紙ジャケット仕様)アウト・オブ・アワ・ヘッズ(紙ジャケット仕様)
(2008/12/24)
ザ・ローリング・ストーンズ

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☆ シンプルな音にシンプルなメッセージを載せることが最も効果的な音楽的煽りであると思う。それは1960年代に入った「まだ若かった」ロックンロール(の担い手)が見つけたことだった。絵空事の恋愛でなく「リアルな日常」を描くことでメッセージとしてのロックンロールは進化した。ビートルズが「抱きしめたい」と歌い,フーが「年寄りになる前に死んでしまいたい」と歌ったように,ローリング・ストーンズは「何ひとつ満足なんかしてないぜ」と言い捨てて世の中を揺さぶった(Rock the world)。

(I Can't Get No) Satisfaction (Jagger/Richards)


☆ 1974年ごろにジェフ・ベックが言ったとされるように(笑),ローリング・ストーンズはスリー・コードの曲を延々と演奏し続けるバンドで,それは彼らがお手本としたリズム&ブルースやそれ以前のブルースの伝統だからだ。そこにはシンプルなものをシンプルに表現することで数多の雄弁を沈黙させるというロックン・ロールの本質がある。

2017年10月14日付記
☆ この曲がリリースされた50年以上前の時代は,この程度の異議申し立てでもオトナ達は目くじらを立てた。こんな「(現状に)満足なんて出来ねえぜ!」って連中は,それこそホモ・サピエンスの歴史とともに存在し,「近ごろの若い者は」の出典も,ぼくが学生の頃は古代ギリシアとか言われていたが,今じゃ古代バビロニアまで遡れるようで,そのうち古代中国と古代エジプトが何らかの証拠を片手にこの記録を更新することが見込まれていそうだ(爆)。

☆ この曲だとか「黒く塗れ」だとか「夜をぶっ飛ばせ」などはどうしても性的なニュアンスで解釈され(これに対して前回の「イッツ・オンリー・ロックンロール」は薬物のニュアンスで放送規制が掛かった気配がする。)いずれにせよ「やんちゃ」とか「ヤバい(本来の意味の)」がこのバンドに付きまとうきっかけになったことは確かだ(反面,ザ・フーには「反抗的」とか「暴力的」というニュアンスがたっぷり振りかけられた。もっともザ・フーの場合は実践者が数名いたのも事実であるが(爆))。

☆ これをソフィスティケイテッドな現代に持ち込めば,自己実現の欲求だとか(アブラハム・マズローですな),自分探しだとかそういった自己啓発系のネタ元にされそうな気配もあるが,ヤバい人と自己啓発系が結びつくと「闇金ウシジマくん」のエピソードのような方向になるので更に拙いかもしれない(沈黙)。

☆ この「満足できないぜ」は同時期のボブ・ディランが歌った「どんな気持ちかい?」と同じくらいの効果を世間に与えた。あいつら(若者)はヤバい。その懸念が現実化するのは3年後の1968年である。いかにも「まだ若かったロックンロール」(浜田省吾「BLOOD LINE (フェンスの向こうの星条旗)」)の時代のことだった。
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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