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2018-10

「It's Only Rock 'n Roll (But I Like It)」 (The Rolling Stones 1974年7月26日)


初出:2012年5月2日
イッツ・オンリー・ロックン・ロールイッツ・オンリー・ロックン・ロール
(2011/10/12)
ザ・ローリング・ストーンズ

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☆ 本格的にストーンズを聴き始めた時のリアルタイマーがこのアルバムだった。ストーンズの裏話が面白おかしく吹聴され,肝心のバンドはモスクワでさえ(当時は社会主義ソ連邦の首都)コンサートが出来たのに来日は拒否され「ローリング・ストーンズは来なかった」なんて曲まで出て来る有様だった。この辺は(ポールの失点があったとはいえ)ウイングスも似たり寄ったりで,日本の洋楽・ロックファンにはストレスの溜まる時期だった。
It's Only Rock 'n Roll (But I Like It) (Jagger/Richards)


☆ この曲がどうというより,ストーンズに対して最初に思ったのは,ダルい格好良さだった。なんか遠くの方からドカドカとやって来て,大音量でかったるいロックンロールを響かせて,その歌詩が「たかがロックンロールだって分かっちゃいるが,俺は好きだね」だってさ!そういう感じ。この何とも猥雑な感じがストーンズのロックンロールだと思った。曲のコーダだってそうで,いったん緩みかけた曲を締めあげて,またドカドカっと去っていく。これが良かった。


☆ この曲について書かれた色んなこと。これはプレスを揶揄した曲だとか,そうではなくて聴き手に挑んでいるだとか。まあそれはそれで一面を衝いているかもしれないが,この曲と入れ替わるようにストーンズ自体もミック・テイラーが抜け(この作品タイトルのインスピレーションを与えたという)ロン・ウッドが入ってくるし,ロック自体も60年代ロックの方向性が出尽くした頃にパンク/ニューウエーブが燎原の火のように燃え上がる。その寸前の世界にあってこの曲が存在したというのは興味深い。70年代のクスリ漬けでかったるいストーンズが,そのかったるさを行き着く所まで行き着かせたのがこの曲(とこのアルバム)だったような気がしないでもない。じゃあその次のもっと真っ黒なアルバムはどうなのかというのは,また別の話。

2017年10月7日付記
☆ 日本版Wikipediaの解説より引用。
> 作者クレジットはジャガー/リチャーズとなっているが、曲の原型はウッドが作ったという。このため、クレジットには"Inspiration by Ronnie Wood"と注釈がつけられることがある。「たかがロックンロール、でもそれが大好きなんだ」というフレーズは、ジャガーとケニー・ジョーンズが起こしたちょっとした口論から生まれたものだという(ベストアルバム『フォーティ・リックス』日本版(2002年)の寺田正典による解説より)。こうして原型が出来上がったものをストーンズのセッションに持ち帰り、ミュンヘンのミュージックランド・スタジオに於いて更に練り上げた結果としてできたのが本作である。ミュンヘンに持ち帰ったセッションテープには幾つかの改変が為されており、イアン・スチュワートのピアノが追加されている(『ローリング・ストーンズ/レコーディング・セッション』 マーティン・エリオット著、渡辺淳・訳 (シンコーミュージック) P171)。歌詞にはデヴィッド・ボウイの「ロックン・ロールの自殺者」(1972年のアルバム『ジギー・スターダスト』収録)からの影響が見られるとする指摘がある(『ザ・ローリング・ストーンズ全曲解説』 ジェイムス・ヘクター著、山崎智之・訳 (シンコーミュージック) P194 - P195)。

> シングル盤のジャケットには大きなペンを自分の胸部に突き刺すジャガーのイラストが描かれている。このイラストの意味についてジャガーは「まぁ、気楽なアンチ・ジャーナリズムってやつかな」と説明している(ベストアルバム『ジャンプ・バック〜ザ・ベスト・オブ・ザ・ローリング・ストーンズ』(1993年)付属のライナー・ノーツより)。マイケル・リンゼイ=ホッグの監督によるプロモーション・ビデオも制作され、水兵隊の衣装を着たメンバーが船内をイメージしたセットの中で演奏するシーンが中心となって収められているが、後半からセット内にシャボン玉が充満していくシーンで、シャボン玉の勢いが強すぎて泡が見る見るうちに充満してしまい、後方でドラムを叩いていたチャーリー・ワッツが逃げ遅れる場面も映されている。この映像はYou Tubeのストーンズ公式ページで視聴できる(上のYouTube参照)。

> 1974年7月26日に英米同時にリリースされ、イギリスでは何とか10位につけたものの、アメリカでは最高位16位(ビルボード)に甘んじている。ストーンズの先行シングルがアメリカでトップ10に入らなかったのは1968年の「ストリート・ファイティング・マン」(48位)以来であるが、この曲の場合は全米中のラジオ局で放送禁止の措置をとられたという背景もある(公式写真集『The Rolling Stones 50』(ローリング・ストーンズ著、佐藤志緒訳、ヤマハミュージックメディア刊、2012年、ISBN 978-4-636-88707-5) 175頁)。この結果にストーンズの商業的スランプの端緒と見る向きも多かった。しかしその一方、後述の通りコンサートに採り上げられる機会は多く、また多くのベスト、コンピレーション盤に収録されるなど、ストーンズの代表作の一つという評価を得ている。

Personnel
The Rolling Stones
Mick Jagger – lead vocals, backing vocals
Keith Richards – electric guitar, backing vocals

Basic track on "It's Only Rock 'n Roll (But I Like It)"
Kenney Jones – drums
Willie Weeks – bass guitar
David Bowie – backing vocals
Ronnie Wood – twelve–string acoustic guitar, backing vocals

☆ PERSONELは英語版Wikipediaから採った(同名アルバムのパーソネル)。その結果はご覧の通りである。で,上の日本語版Wikipediaに書いてあるミックとケニー・ジョーンズ(ロン・ウッド同様この時はまだフェイセズに在籍)の話とかロンへの献辞などの意味がここから分かることになる。

☆ この曲,シングルとアルバムはヴァージョン違いの筈で,シングルヴァージョンが収録されているCDもあると思うが,なぜかこの辺の言及がどこにもない気がする。B面の「Through the Lonely Nights(スルー・ザ・ロンリー・ナイト)」は,ストーンズファンには有名なオーファン(孤児)曲(その盤以外に収録されていない)だった。この曲の「その後」については日本語版Wikipediaに次のように書いてある(良かった,良かった(*^_^*))。

> 尚、シングルのB面に収録された「スルー・ザ・ロンリー・ナイト」は、アルバム『イッツ・オンリー…』からの曲ではなく、1973年のアルバム『山羊の頭のスープ』のアウトテイクである。この曲にはジミー・ペイジが参加したとする説がある(アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコーミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)111頁)。この曲は以後、ストーンズのアルバムには全く収録されず、レア・トラックとなっていたが、2005年のコンピレーション盤『レアリティーズ 1971-2003』で初めて公式アルバムに収録されている。
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コメント

ローリング・ストーンズ

ローリング・ストーンズには、サージェントペパーズをパロッたようなジャケットがありますが、こちらも、マジカルミステリーツアーの「ユア・マザー・シュド・ノウ」の階段場面を彷彿させます。

ストーンズがビートルズのライバル(?)だったから敵視したということは、まったくないのですが、ストーンズのLPもCDも持っていなくて、唯一、ヤングミュージックショーのパリ公演をテープに録音して、これは、よく聴いていました。

ストーンズの来日は麻薬のことなどもあって不可能と言われていたのに、なぜか、ミック・ジャガーがソロで来日することになり、ジェフ・ベックを連れてくるという噂があったので、ソロのCDを2枚買って聴きこみ、東京ドームへ行きましたが、ギターはジョー・サトリアーニでした。
(同時期に来日していたロン・ウッドが飛び入りするという噂もありましたが・・・)

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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