2018-05

「やわらかい雨」 (彩恵津子 1986年10月=アルバムリリース)


PASSIOPASSIO
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☆ Wikipediaのカテゴリすら「廃線の遺構」状態で,数年前に出たベストだけが唯一の頼りという極めて残念な状態になっている彩恵津子の第4作『PASSIO』の掉尾を飾る隠れ名曲。このアルバムは2007年1月28日にレビューしているが,その時の参考資料のリンク先も今はなくなってしまったようで,アルバムからのシングル曲ではないが「悲しくないのに涙が出てくる」。少しだけそのレビューからこの曲の部分を引用。

> ☆ 10曲目「やわらかい雨」。アルバムを締める曲で,正直言うと彩恵津子のすべての曲の中でいちばん好きな曲。淡々と続くリズムは,降り止まないか細い10月の雨音のようで哀しい。2CV(ドゥ・シー・ヴォー:シトロエンが誇る「坂道を登れない」43馬力の名車^^;)がさりげなく出て来るのも好きだ。この曲のエンディングで,もう一度先ほど触れたインタールードがコーダとしてアルバムに幕を引く。それは雨の中に消えていく車とそれを見送るしかない残された女(ひと)の哀しみのようで美しくも儚い。

☆ 上記で触れている「インタールード(間奏曲)」は3曲目と4曲目の間に挟まれている短いインタールードのことで,このアルバムのひとつのテーマとなっている。このインタールードをモチーフにした8曲目からの3曲が小さな組曲の形を成していて,10曲目のこの曲がアルバム全体を締めくくるものとなっている。

「やわらかい雨」 (作詩・作曲:彩恵津子 / 編曲:鳥山雄司)



☆ 今では活躍著しい鳥山雄司の名前を初めて目にしたのがこの作品(全ての編曲を手掛け,プロデュースもしている)。作品として残ったものを見れば,良い出会いだったのだと思う。しかし,どんな佳作も目や耳に触れたり入ったりしなければ,永遠のNobody(無名作)であるので,いつの日にか陽が当たることを(つまりある種の奇蹟を)待ち望む外,我々にはなす術もないのである。

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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