2017-07

「雨に微笑みを(Laughter In The Rain)」 (ニール・セダカ 1974年10月)


Sedaka's BackSedaka's Back
(1998/07/14)
Neil Sedaka

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初出:2012年3月7日
☆ ニール・セダカは1939年3月13日生まれなので間もなく73歳の誕生日を迎える(記事掲載時=2012年3月)。彼がシンガー・ソングライター(当時はそんな言い方は無かったが)として最初に活躍したのは1950年代末から60年代前半。最初の全米No.1ヒット「Breaking Up Is Hard To Do(悲しき慕情)」は1961年のこと。ちなみに「恋の片道切符」は彼の作品でなく日本でのみ大ヒットした。平尾昌章(昌晃)がカヴァーしてヒットした(日劇ロカビリー黄金時代)が,平尾昌晃とニール・セダカは何となくイメージ的に繋がりが良い。

☆ アメリカン・ポップスの黄金時代が暗転するのは,ロカビリーや初期のロックンロールが,ビーチ・ボーイズなどのガレージ・サウンドを経て(というより,ほぼ同時に)ブリティッシュ・インヴェンジョンを受けてのことだろう。50年代末のヒーローが「イエスタデイズ・ヒーロー」になっていくのは一瞬といえる時間だった。

☆ それから10年近い不遇の時を経て,ソングライターの後輩でもあるエルトン・ジョンの全面的助力と支援を得たとはいえ,1970年代を代表するソフト・ロックの代表作品を引っ提げて「セダカの復活(Sedaka's Back)」が成功した。ちょうど同じ時期にポール・アンカもヒットを飛ばしており,ヒットのサイクルというのはこういう時代には残っていたのかもしれない。

☆ 「雨に微笑みを」は自らの不遇の時代のことを歌った作品であるそうだが,背景を別にしても「3分間の芸術」というポピュラー・ソングの真髄に触れた作品であることは間違いない。

2017年6月26日付記



☆ この歌詩は恋人(パートナー)と一緒のところを歌った歌詩だけど,もう少し捻って自分の幼い娘に置き換えても外れないような気がする(ニール・セダカにはお嬢さんがいたと思うが,この曲のヒットしている時期には子供ではなかった)。窯変訳詩なんて気取っているがこんなふうに訳してみた(汗)。

Laughter in the Rain (Neil Sedaka / Phil Cody)



Strolling along country roads with my baby
幼い娘と一緒に田舎道を散歩していた
It starts to rain, it begins to pour
急に雨が降り出して,見る間に土砂降りになってしまった。
Without an umbrella we're soaked to the skin
傘の準備なんかしてなかったから,ぼく達はすっかりびしょ濡れになって
I feel a shiver run up my spine
背筋がゾッとするほどの寒気を感じていた
I feel the warmth of her hand in mine
その時ぼくは,娘が繋ぐ手の温かみが身に沁みたんだ

Oh, I hear laughter in the rain,
ああ,ぼく達は降りしきる雨の中で思わず声を上げて笑い出すしかなかった
Walking hand in hand with the one I love
愛しい我が娘と手を繋いで歩きながら
Oh, how I love the rainy days
うん,こんな雨の日だったらどれほど愛しく思えるだろう
And the happy way I feel inside
ぼくはなぜだか心の中が幸せで暖かくなるのを感じていたんだ

After a while we run under a tree
それから少し歩いたぼく達は,近くの大きな樹の下で雨宿りをした
I turn to her and she kisses me
ぼくは彼女の方を振り向き,彼女はぼくの頬にくちづけた
There with the beat of the rain on the leaves
その間じゅう,雨粒が木の葉を激しく叩いていたけど
Softly she breathes and I close my eyes
彼女の穏やかな息遣いを聞きながら,僕は自分の目をそっと閉じたんだ
Sharing our love under stormy skies
こんなに激しい嵐の中で,ぼく達は愛しい気持ちを分かち合っていたのさ

Oh, I hear laughter in the rain,
ああ,ぼく達は降りしきる雨の中で思わず声を上げて笑い出すしかなかった
Walking hand in hand with the one I love
愛しい我が娘と手を繋いで歩きながら
Oh, how I love the rainy days
うん,こんな雨の日だったらどれほど愛しく思えるだろう
And the happy way I feel inside
ぼくはなぜだか心の中が幸せで暖かくなるのを感じていたんだ

I feel the warmth of her hand in mine
ぼくは,彼女の手の温もりを心の中に感じていたんだ

Oh, I hear laughter in the rain,
ああ,ぼく達は降りしきる雨の中で思わず声を上げて笑い出すしかなかった
Walking hand in hand with the one I love
愛しい我が娘と手を繋いで歩きながら
Oh, how I love the rainy days
うん,こんな雨の日だったらどれほど愛しく思えるだろう
And the happy way I feel inside
ぼくはなぜだか心の中が幸せで暖かくなるのを感じていたんだ

Repeat and Fade

☆ この曲は1962年の「Breaking Up Is Hard TO Do(悲しき慕情)」以来の全米No.1となった。ブリティッシュ・インヴェンジョンに吹き飛ばされた前世代のシンガー・ソングライターという烙印を押された彼は63年以降トップ40からも見放されていた。その彼に手を差し伸べたのは70年代を代表するシンガー・ソングライターだったエルトン・ジョンだった。

☆ この訳詩は(ぼくの訳詩らしきものは大抵そうなのだが),敢えてブロークンに訳している。例えば「I hear laughter in the rain」は自分ひとりが聞いたのではなく,二人(恋人同士でも,あるいはこの訳のように親子でも)が思わず笑いだしたからその笑い声が聞こえたというニュアンスで訳している。この曲のエピソードと実際の歌詩(Wikipedia英語版に解説がある)とは実はかなり距離があるのだが(作詩をしたPhil Codyは大麻煙草を燻らせながら僅か5分でこの歌詩を書いているそうだ!),それでもそのエピソードの心象風景に沿った歌詩に訳している。


YouTubeは74年のオリジナル・シングルに83年のテレビ画面を上手くフィットさせていて合わせ技一本のような優れものだと思う(^o^)
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コメント

雨に微笑を

ニール・セダカは、「恋の片道切符」などで、ポール・アンカ同様にオールディーズの人と思っていたので、かなり後、平成になってから、テレビ通販で買ったポップス全集で、「雨に微笑を」を聴いたとき、あまりのモダン(?)な曲調に驚きました。

この曲は、アール・クルーのカバーを先に聴いていましたが、本家ニール・セダカのバージョンの方が気に入りました。(実は、ダンス・ウィズ・ミーは、オーリアンズよりもクルーのほうが好きでして、ジョンホールのファンには怒られそうです)

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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