2017-11

バブルのファッション(第1章)より(その1かな?)




☆ デザイナーズ/キャラクターズの全盛期は確かにバブルと一致する。ディスコの黒服と言えばピンと来る中年以降の御仁も少なくないだろう。しかし〇Ⅰ〇Ⅰや109がせっせとこれらの洋服を売り,村上春樹と安西水丸がその舞台裏を覗いていた頃(興味ある方は『日出る国の工場』(1987年4月1日=現在は新潮文庫収録)を見られたし),世はバブル景気のまだ入り口だった。バブル景気がバブル経済とイコールにならない理由はこの年の10月に「ブラックマンデー」が発生し,一時的に経済危機状況に陥ったからだ。そのためM副総裁が「乾いた薪の上に座っている」と警告してもS総裁は公定歩合を上げることができなかった訳で,後の「鬼平」の危惧どおり経済は暴走を始めていた。だからこの時点ではバブル景気の第一波から第二波に移行する腰折れ期になっていたというのが実情であろう。何かだんだん口調がマーケット・アナリスト(それもエリオット波動の説明)口調になってきた(#^.^#)。

☆ 朝シャンの話が出ているが,バブルのさなかにライオンが「ちゃん リン シャン(by 薬師丸ひろ子)」ことソフトインワンを発売し(1989年3月),朝シャンの時短に貢献したことも忘れ難い(爆)。ところでこのDCブランドに関するこの本の整理はこんな感じだ。

「こうして,1989年になるとDCブランドをさして「定番」という言葉が,よく用いられるようになってくる。(略)」P.28。

☆ ひとことで言えばマンネリブランド化したということだろう。DCも発端は最先端のモードだったが,例えばファイブフォックスなんかを見ても分かるように企業として資本主義のレールの上に乗る以上ブランドのマンネリ化(=ブランド範囲拡大。まず児童向けブランドの創出)は必要なことであり,90年代末の子供服を席巻したナルミヤインターナショナルが彗星になりつつあるのは年齢層を上に拡大することの難しさなのだろうと思う。

☆ それでも(トゥーリアの死亡事故=1988年1月5日)にもかかわらずボディコンはお立ち台に生き延びた。例えばヴェルファーレはバブルの後1994年12月のオープンである。だからワンレングスとセットになったボディコンはバブルどまりだったかもしれないが,年齢層を微妙に下げながら(ギャル文化とシンクロしつつ)ボディコン・ミニスカ・扇子の三点セットはその次の世代までは生き延びたのである。

☆ この本では別のところで触れていたと思うが,「ファッション=お洒落」がドラマから拡散していくのもこの時代だ。CX木曜劇場「抱きしめたい!」(1988年7月7日~9月22日)が火付け役だっただろうと思う。あの頃からのドラマにはクレジットの後の方で「衣装協力」がずらりと並び,これがファッション雑誌の役割を果たしていた。そういうお洒落の「トレンド」はいつの時代にもあるのだけれど,80年代後半からは「マーケット・イン」的なタイアップが主流となる(そこから「スタイリスト」や「ハウスマヌカン」といった職業が認知されるようになる)。タイアップの全盛時代(特にポピュラー音楽で)はバブル崩壊後の90年代前半だが,この時代にその素地ができた。つまり強い購買力を持ったF1F2層が消費をリードし始めたのである。

Never Gonna Give You Up (Rick Astley 1987年6月1日)
(Mike Stock, Matt Aitken, and Pete Waterman)





☆ 前回のバナナラマほどじゃないが,バブルと言うとストック/エイトキン/ウォーターマンが思い浮かぶ。リック・アストレーは顔と声が微妙にアンマッチな気がするが,まあどうでもいいか(笑)。トレヴァー・ホーンのZTTからこのチームを経てユーロビートに行ったという路程があり,その間ボディコンは不滅だった(と思うので,ぼくは著者とは少し考えが違うんだな)。
【2017.07.02 補遺】リック・アストレーの声を改めて聴いていて,彼が座った場所にはトニー・ハドレー(スパンダー・バレエ)がいたのかなと思った。確かにこの時期にスパンダー・バレエはセールスを落として所属レコード会社(クリサリス)と揉めることになる。
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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