2017-11

顔周辺からスタートする




☆ バブルって現象を取り上げる時に,ここまでさんざ書いてきたことは一つ一つがバブルのバックグラウンドや基礎になっているということ。第一回の時にサヨクさんさながらに「上部構造」なんて調子こいてしまったが,そういうものはあらゆる時代のあらゆる「文化」に共通するものだ。要はその時代の為政者の許容する範囲を見るには,その時代の風俗を見れば分かる(ところもある)。70年代の為政者は60年代末の混乱状況を鑑み「どの部分を緩め,どの部分を引き締めるか」を考えた。女性解放運動や反公害運動,消費者運動,この辺りは過激化しなければ基本的に放置した。フリーセックスはある程度監視した(一連のわいせつ裁判に繋がる)。公安系は引き続き強く引き締めた。それでも一部の労働運動や三里塚闘争のような国家権力対新左翼的な闘争はまだ残っていた(そうだよね,パンタ)。

☆ バブルが生まれる部分は当然この「緩んだ部分」になる。封建時代的に表現すれば「お上のお目こぼし」って奴だろう。それは髪型から始まる。人間が主張するものと言えば顔,服装,発言,行動だ。70年代は60年代後半のヒッピー文化の影響が少しずつ薄れていく過程だった。まず制約が少ない学生(殆どが大学生)周辺からそれは広がる。山下達郎が昔話していたが,長髪でJB(ジェームズ・ブラウン)のコンサートを見に行ったら周囲にいたリーゼントの兄ちゃん達から髪の毛を引っ張られた(=長髪野郎がこんなところに来るなという意味)。ここでは髪の毛の長さがほとんどイデオロギーと化している(爆)が,70年代初頭はまだそういうナイフみたいな雰囲気が残っていた。これもこの年代を降りるにつれて緩み出すのである。

☆ バブルを象徴する女の子のイメージは「ワンレングスの髪を靡かせてボディ・コンシャスな服を身に纏っている」。むかしF1の実況を始めた頃の古舘伊知郎がある日本の(バブル的な)資本が入ったチーム(そこには後年のF1に多大な影響を与えたデザイナーがいて空力を重視したデザインを設計していた)を「走るワンレン・ボディコン」と称していたが(再爆),こういうことである。しかし,個人的な見解だがワンレングス+ボディコンの聖地はむしろ関西だったと思う。特に大阪の女の子には「長い黒髪+ウエストを引き絞って太いベルトをなぜかそこに沿える」という勝利の方程式があって,レイヤーやソバージュが一定の支持を得ていた東京の女の子とはそれなりに違うのではないかとも思うのである。

☆ そう言えばメイクも70年代初頭はまだサイケっぽいというか派手目(字の如く睫毛やアイシャドウがことごとく派手。特にブルー系が優勢だったが,パンクロック以降はニナ・ヘイゲンみたいな黒メイクも一定の支持を得ていた)だったのが,どこかのレナウンではないがシンプルライフな揺り戻しと共にナチュラルメイクに変わって行き,「派手メイク=お水」という図式が何となく出来あがっていった気がする。

☆ でもまあ,これはバブル時代に現場にいた人々のコスチューム(を形成する顔周辺)に過ぎず,確かにバブルの要素ではあるが,バブルの本質にはまだ距離があるとしか言えないのである。

I Heard a Rumour (Bananarama 1987年6月29日)




☆ 素敵なほどしょうもなさすぎるバナナラマ!
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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