2017-05

「春だったね」 (よしだたくろう 1972年7月21日=アルバムリリース)



初出:2012年3月28日
元気です。元気です。
(2006/04/05)
よしだたくろう

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☆ フォーク・ソングという事になっているが,たくろう節の典型であるこの曲は,いま聴くと典型的なソフト・ロックのようなアレンジだ。

「春だったね」(作詩:田口淑子 作曲:吉田拓郎)


2015年4月10日
元気です。/吉田拓郎
¥2,376 Amazon.co.jp


☆ 吉田拓郎はフォークであってフォークでない。1972年の世の中で言いはしなかっただろうが,これは拓郎の脱フォーク宣言の曲だと捉えられる。フォークが60年代に持ちえた意義を70年安保と共に喪ったとは言わない。そうではなく,ボブ・ディランがそうであったように,あるいはクラッシュのジョー・ストラマーがそうであったように(両者の方向性はある面で同一,別の面では正反対であると付言する),よしだたくろうもまた,フォークの「枠」から,一歩進みだしていた。それは音楽家(作曲家)吉田拓郎のスタートであり,事実この後すぐにレコ-ド大賞受賞曲を作曲して,その名声は一瞬にして定まった(まあ私生活は別として=爆=)。

☆「春だったね」は『元気です』のオープニング曲である。『青春の詩』でも『人間なんて』でもそうだが,彼はフォークを起点にしたが,音楽的なアプローチはアルバムの中でいろいろ試している。この時代から長く続く「批判的批評」なるものに「魂を売った」の類があるが,人間としての立ち位置と作曲家としての欲求は別のものであり,そういう事を理解しないのは一種の教条主義ではないかと思う。この曲はフォークの衣を着ているが,アレンジでも分かるようにソフト・ロックである。もっと平たく言うなら「ポピュラー音楽」である。

2017年5月12日
☆ 「春だったね」の詩は田口淑子という人が書いている。ぼくは残念ながらこの曲が出来た経緯を知らない。だからこの人のことも全然わからない(少なくともWikipediaで検索する限り)。ただ,この詩は最初から男の側を意識して書かれた詩だろうなということは分かる。このしょうもないシリーズのいちばん最初に書いたように,男にとっての恋愛にはスタンダールが指摘したようなそういう一面がある。言ってはならぬ話とは思うが(苦笑)生殖の最後の判断だってオトコの場合は頭でジャッジしているのだから。そこがザルツブルグでなかったとしても一度頭の中に生じた「小枝」はなかなかなくならない。反面,「そこに拘泥(こだ)わること」は,男のジェンダーに基本的に反する。反すると分かっていながらそれに執着していくからストーカーになる。

☆ 女の子の生理はもう少し複雑であると思う。それは「産む性」の本質は選択する性であるからだと思う。その個体にとって最も有利優等と思われる個体を維持保存することが本能の中に備わっているのではないかと思う。ぼくは学者でも何でもないので,どこかで目にしたり聞きかじったことを話しているだけなのかもしれないが,出だしの歌詩

(女の子の時制) 僕を忘れた頃に
(男の子の時制) 君を忘れられない そんな僕の手紙が着く

は,そういう厳然とした事実を示していないか?

☆ 女の子だって困るのである。終わった後に未練たらたらされても。本能的ジャッジが終わっていることをナチュラル・セレクション(自然淘汰)と呼べば残酷に過ぎるだろうか?
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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