2017-05

ソングライター・チームの変遷(その2)


イースト・サイド・ストーリー(紙ジャケット仕様)イースト・サイド・ストーリー(紙ジャケット仕様)
(2007/04/25)
スクイーズ

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初出:2010年9月23日 (歌詩表示のみ)

2012年1月31日
☆ 今でこそスクィーズの代表曲になっているこの曲だが,当時は全く売れていない(全英41位,カナダ45位,全米49位,全豪90位,日本に至ってはシングルはおろかアルバムすら当時は未発売)。既にニュー・ロマンティックやファンカラティーナといった新しいポップにニューウエーブが移行しつつあったことも背景にある。ただ流行色の強いブームが去るとこういう曲が「発掘」されるのは良くある話で,この曲もそうやって再評価された。

☆ リード・ヴォーカルは当時スクィーズに加わっていたポール・キャラック。2番の途中に入るヴォーカルはこの曲とアルバムのプロデューサーでもあったエルヴィス・コステロと曲の作者でもあるグレン・ティルブリック。また,バックコーラスはコステロと当時ソロ活動を始めたばかりのポール・ヤング(と英語版Wikipediaのこの曲の解説に書いてあった)。

☆ こうして彼は悔い改めるのだが...というのがこの歌詩(下記参照)。ディフォードとティルブリックが「80年代のレノン/マッカートニー」の異名を取った時期の名作のひとつだ。

2013年7月16日
☆ スクィーズ(Squeeze)の第4作『イースト・サイド・ストーリー』は,LP時代は国内盤すら出なかった。数年前に紙ジャケットで発売された時に逃さず手に入れて本当に良かったと思っている(笑)。アルバムの3曲目に入っている「Tempted」はシングル・カットされたが大したヒットにならなかった(UK #41, Canada #45, US #49, Australia #90)。

☆ この曲のオリジナルは,当時スクィーズのキーボードを担当していたポール・キャラックがリード・ヴォーカルを取っていた。しかし程なくキャラックはスクィーズを脱退(その後一時的に復帰するも再度脱退)し,グレン・ティルブリックが代わりに歌っている。

☆ Wikipediaのこの曲の項を見ると,シングル・カットした時点ではヒットしなかったこの曲だが,その後いろいろな使われ方をしている。バーガーキングやハイネケンはCMソングに使用し,ビデオゲーム(テレビゲーム)の「Grand Theft Auto: Vice City(2002)」や「Rock Band(2007)」に使われている。You Tubeを見る限り,その事がこの曲の評価を歪めているとしか思えず,心が痛む。

☆ アマゾンのレビュアーの多くが指摘しているように,このアルバムはスクィーズの最高傑作と言って良く,その象徴のような佳曲がこの曲だと思う。


2014年5月19日

East Side StoryEast Side Story
(2006/06/22)
Squeeze

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Tempted (Glenn Tilbrook / Chris Difford)


I bought a toothbrush, some toothpaste
歯ブラシと歯磨き粉を買ったんだ
A flannel for my face
顔を拭くフランネルのタオルや
Pyjamas, a hairbrush
パジャマやヘアブラシも買った
New shoes and a case
新しい靴や鞄もね
I said to my reflection
鏡に映った自分にこう言った
Let's get out of this place
さあ,ここから出て行こう

Past the church and the steeple
教会の尖塔の前を通り抜けるのさ
The laundry on the hill
丘のところにある洗濯屋の前を過ぎて
Billboards and the buildings
広告看板やら建物の前を過ぎる頃に
Memories of it still
むかしの記憶がまだ
Keep calling and calling
ぼくのことを呼んでいるだろうが
But forget it all
全部忘れてしまえ
I know I will
そうした方が良いのは分かってるのさ

Tempted by the fruit of another
愚かにも誘惑の果実を口にして
Tempted but the truth is discovered
誘惑された。その事実が明るみにされた
What's been going on
何をどう続ければいいというのか
Now that you have gone
今や君は立ち去ってしまった
There's no other
そこには誰も残っていない
Tempted by the fruit of another
愚かにも誘惑の果実を口にして
Tempted but the truth is discovered
誘惑されただけ。でも,その事実だけが残ったのさ

I'm at the car park, the airport
空港の駐車場に来た
The baggage carousel
手荷物検査場では
The people keep on crowding
人々がいつものように群がっている
I'm wishing I was well
ぼくは自分がもう少ししっかりしてたらと思っている
I said it's no occasion
ぼくは言った。なにも起っちゃいないのさ
It's no story I could tell
きみに言い訳するような話は無いんだよ

At my bedside empty pocket
ぼくのベッドの脇はからっぽのポケットだし
A foot without a sock
足は靴下すら履いていない
Your body gets much closer
きみの身体がもっと近づくと
I fumble for the clock
ぼくは思わず時計に手を伸ばしそうになる
Alarmed by the seduction
誘惑された不安に囚われてしまって
I wish that it would stop
その警告音が止んでくれればと思ってしまう

Tempted by the fruit of another
愚かにも誘惑の果実を口にして
Tempted but the truth is discovered
誘惑された。その事実が明るみにされた
What's been going on
何をどう続ければいいというのか
Now that you have gone
今や君は立ち去ってしまった
There's no other
そこには誰も残っていない
Tempted by the fruit of another
愚かにも誘惑の果実を口にして
Tempted but the truth is discovered
誘惑されただけ。でも,その事実だけが残ったのさ

I bought a novel, some perfume
ぼくは小説本と香水を買った
A fortune all for you
君に幸運が届きますようにと
But it's not my conscience
でもそれはぼくの良心からのものじゃなかった
That hates to be untrue
不実だと嫌われるだけのもの
I asked of my reflection
ぼくは鏡に映った自分にこう問いかけるだけ
Tell me what is there to do
ぼくはこれからどこでどうすればいいんだ

Tempted by the fruit of another
愚かにも誘惑の果実を口にして
Tempted but the truth is discovered
誘惑された。その事実が明るみにされたのだ
What's been going on
何をどう続ければいいというのか
Now that you have gone
今や君は立ち去ってしまった
There's no other
そこには誰も残っていない
Tempted by the fruit of another
愚かにも誘惑の果実を口にして
Tempted but the truth is discovered
誘惑されただけ。でも,その事実だけが残ったのさ

Tempted by the fruit of another
愚かにも誘惑の果実を口にして
Tempted but the truth is discovered
誘惑された。その事実が明るみにされたのだ

(Repeat 4 Times and Fade away)



2017年5月19日付記

☆ スクィーズはニューウエイブ・ムーブメントの中でエレポップに近い位置でスタートしたが,本質はキンクスに通じるイギリス人らしいひねりの効いたメインストリーム・ロックだと思う。だからエルヴィス・コステロが彼らをプロデュースするというのはピッタリはまっていると思う(少なくともトッド・ラングレンがXTCをプロデュースしようとしてアンディー・パートリッジと揉めに揉めるなんて話よりは(〃▽〃))。

☆ 上にも書いたように,ディフォード/ティルブリックは80年代のレノン/マッカートニーとまで言われたのだが,日本ではどこで間違ったのか「通好みロック」の列に並ばされてしまい,それでも熱心なファンがいれば来日も出来るわけでそれはそれで目出度い話なのである(苦笑)。スクィーズが通好みで終わったのは彼らがバンドのためのソングライター・チームであったことが最大の原因だろうと思う。


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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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