2017-05

ムッシュのこと



☆ 平日の夜から深夜に移る時間帯に「フォーク・ビレッジ」という番組があった。70年代の半ばになる少し前(要はこのブログ主の年齢がそのあたりで止まった頃)から聴いていたが(爆)。その番組のホストDJがムッシュだった。スパイダース(バンドとしてはGSよりも早く始まっている)の作品はGSブームの名作は良く知っていたが,ぼくがラジオで聴き始めた頃のムッシュは何となく親しみを覚える人というイメージだった。たまたま「シンシア」がヒットした頃からその番組を聴いていたのでこのアルバムが一番思い出深い。

あゝ我が良き友よ


☆ 「我が良き友よ」は吉田拓郎の作品ではあるが,ここで描かれている無頼はヒッピーやフーテンの時代よりも古い旧制高校の世界のようで興味深かった。破帽・マント・高下駄でデ・カン・ショの時代である。明らかにこの時代の人間がエスタブリッシュメントになりつつある時に,それに対する異議申し立てとして物申した時代の代表選手のような拓郎がこの曲を書いたことは,違和感はなかったが何となく面白くは感じた。たぶんそれはムッシュが飄々と歌っているからだろうと思う。

「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」 (作詩・作曲:かまやつひろし 編曲:Greg Adams)



☆ 『あゝ我が良き友よ』は,かまやつさんがいろんな仲間と作った作品で,個人的にはその創られ方がリンゴ・スターの『Ringo!』みたいな作品だと思っている。その中で彼の自作曲がシングルのB面に入っている。曲に関するデータなど知らないままラジオから流れてくる曲を聴いていたものだが,Wikipediaで見るとこの曲(シングル発売1975年2月5日)の演奏はタワー・オブ・パワーだという。RCサクセションが『シングルマン』をレコーディングしたのが1974年12月-75年3月とあるので,時期的にも符合していてこちらも興味深い。

☆ ムッシュの番組では当然,彼の新譜が1曲ずつ紹介されたが,その時からすごく気になっていた曲だった(改めて今聴いてみると曲のニュアンスが,ある曲=思い出そうとしているのだが浮かんでこない=のフレーズに結びついてしまう)。ゴロワーズやジタンには縁がなかったが(ジタンを知ったのはちあき哲也が書いた「飛んでイスタンブール」(庄野真代)の出だしのところ。その後F1カーで嫌というほど見た=笑=),この曲が後年(お馴染みの90年代)再評価されたというのも良く分かる。これは「語り系ソウル」(バリー・ホワイトとかがやったらサマになるあれ)の流れの作品だが,シブ格好よすぎるのである。やっぱりムッシュは大人だった。

☆ ぼくにとってムッシュは初めて知った時から大人だったし,そのままの大人(良い方に良い方に重ねていった見本のような人)だった。改めてご冥福をお祈りします。

R.I.P. かまやつ ひろし / ムッシュかまやつ(本名:釜萢 弘(かまやつ ひろし)、1939年1月12日 - 2017年3月1日)
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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