2017-06

何だか良く分からないままに大ブームの時代(その2.1)


噂(リマスター&ボーナス・ディスク・エディション)噂(リマスター&ボーナス・ディスク・エディション)
(2010/05/26)
フリートウッド・マック

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初出:2013年9月27日
初出(4):Musically_Adrift@ameba http://ameblo.jp/definitivegaze/entry-10524772442.html
初出(5):Musically_Adrift@ameba http://ameblo.jp/definitivegaze/entry-10524810259.html

=4=
☆『噂』からの最後のシングルは,これもクリスティーン・マクヴィーがヴォーカルを取る「You Make Lovin' Fun」だった。スティーヴィー(ニックス)に比べると彼女のヴォーカルはソウルフルでこの二人の女声の違いがフリートウッド・マックというバンドのレンジを広げていたことが分かる。今聴いても実にクールな曲。

You Make Loving Fun (Christine McVie)
Released September 1977(#9 US #7 CAN #45 UK)


☆『噂』は全世界で3,000万枚以上を売り上げるという文字通りのモンスター・アルバムとなった。なぜこれほどまでこのアルバムが成功したのかは,ヒット作の常として未だに謎である。ただ,非常にバランスの取れたアルバムであり,ソフト・ロックがAORへと展開していく時期に,元々ブルース・ロック・ムーブメントにその源を持つフリートウッド・マックがここまで支持を受けたということは象徴的な感じがしないでもない。ブルースやソウルという土台にバッキンガムとニックスという曲も作れてグループの華たりうる個性が出会ったことで,グループにとってのカタリスト(触媒)的な効果があったともいえる。また,この二人の加入前にグループを離れたボブ・ウエルチが,パリス(ポリスではない^^;)での活動の後ソロアルバム『French Kiss』を引っさげてシーンに華々しく復帰したのも偶然とはいえ,象徴的な気がする。彼らは皆,このときが「旬」だったのだ。

You make loving fun(1977 LIVE Full version)


=5=
French KissFrench Kiss
(2008/04/29)
Bob Welch

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☆ フリートウッド・マック繋がりで元メンバーのボブ・ウエルチの大ヒット作『French Kiss』に(笑)。ところで常々疑問(愚問でもある)に思っていたのだが,「フランス流の接吻」はライト・キスなのかディープ・キスなのか。ついでだから調べてみた(自爆)。

Sentimental Lady (Bob Welch #8 1977)



☆ 米国版Wikiを見ているとこのアルバムは当初パリスのサード・アルバムとして作られていたらしい。結局ソロデビュー作の形を取り,大成功(全米アルバムチャート最高位第12位,プラチナレコード)となる。ところで先ほどの「フレンチ・キス」については日本版ウィキペディアの「接吻」の項に実に詳細な描写があるので(爆)そちらを参照されたい。ひとことで言えば「フランス流のオープンなディープ・キス」のことを「イギリス人が揶揄して」名付けたということだそうだ(再爆)。しかしこの曲も実に時代を先取りした「AOR」だと思う。AORファンはもう少し視野を広げると,こういう曲をどんどんコンピレーションの中に入れられると思うのだが,どんなものか。

Ebony Eyes (Bob Welch #14 1978)
Backing vocal:Juice Newton


☆ 途中,どこかで聴いたフレーズが出てくるが,これはボブの方が先で,ジェフ・リンは後から使っている(ELO「Last Train To London」)。もっとも完全に無意識の仕業だろう。両者がこの件で「揉めた」という話を聞いたことがないから。こっちの方がロックっぽくて好きだ。


お約束の落書き帖
(1)ボブ・ウエルチはジャック・ウエルチ(GE前CEO)とは何の関係もない(そっちのウエルチはプラスチック事業で成功して出世街道をまっしぐらの時期ではあるが)。
(2)パリスはヒルトンの娘とは何の関係もない(下らな過ぎてコメントもない。ただし渋谷陽一大先生が絶賛したにも拘らずコケたことは事実ではあるが^^;)。
(3)ウィキペディアの解説によるとフレンチキッスはディープなものである(爆)。

2017年3月11日付記
☆ フリートウッド・マックはイギリスの60年代後半に巻き起こったブルース・ロック・ムーブメント(同時期のアメリカはサイケデリックからニューロックに移りつつあった。ちなみにプログレッシブ・ロックはこれにほんの少し遅れてイギリスを席巻する)の中から登場した。ブルース・ロックはやがてパブ・ロックの一つの水脈になり,海を越えて西海岸ロックに定着する(初期のスティーヴ・ミラー・バンドなど)が,フリートウッド・マックはボブ・ウエルチが加入した頃から今で言うメインストリーム・ロック(むしろA.O.R.かもしれない)に移行していく。



☆ フリートウッド・マックをスーパースターに押し上げたのは1975年7月11日発売の同名アルバム(邦題『ファンタスティック・マック』)だ。ボブ・ウエルチが脱退し,リンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスが加入したこの時期がいわゆる「黄金期ラインナップ」となる。前々回紹介したピーター・フランプトン『カムズ・アライブ!』は4月10日にNo.1になった後,7月24日,8月14・21・28日,9月11・18・25,10月2・9日とNo.1になっているが,このアルバムは9月4日にNo.1になっている。

Rhiannon (Stevie Nicks )
Release:1976年2月4日,全米最高位11位


☆ 『噂(Rumours)』は「リアノン」の発売からちょうど1年後,1977年2月4日にリリースされた。その頃のナンバーワン・アルバムはバーブラ・ストライサンド『スター誕生(オリジナル・サウンド・トラック)』で,これに前年末から快進撃を続けていたスティーヴィー・ワンダー『ソングス・イン・ザ・キー・オブ・ライフ』や日本のファンには(ポールの強制送還事件で)特に印象深い『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』,そしてイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』がNo.1を争っていた。『噂』が最初にNo.1を取ったのはアルバム発売からたった2ヵ月の4月2日。翌週も1位を取るが,イーグルスが逆転。そこから5週間『ホテル・カリフォルニア』が首位をキープするが,5月21日から8週間連続,『バリー・マニロウ・ライブ』に7月16日だけその座を譲ったが,7月23日から11月26日まで4ヵ月半19週にわたり首位を独占した。12月になってそれに代わったのがリンダ・ロンシュタット『Simple Dreams(夢はひとつだけ)』だった。

☆ 1976~7年という時期はスティーヴィー,イーグルス,フリートウッド・マックという70年代を代表する作品が次々にメガヒットした時期だったが,『噂』の破壊力はすさまじく,アルバムは全世界で4,500万枚を売り上げている。その頃我が国ではディスコ曲が爆発的に流行っていた。この系譜は後年(1980年代後半~90年代前半)ユーロ・ディスコとして大復活するが,ミュンヘンサウンドも一部含まれてはいたが(突破口としてのドナ・サマーの役割は本当に大きかった),全米チャートではあまり取り上げられないものばかりだった。チャート小僧(当時)としてはなかなか面白くない状況が続いていた。だから「オウン・ウエイ」「ドリームス」「ドント・ストップ」「ユー・メイク・ラヴィン・ファン」といったこのアルバムからのシングル曲はたいそう優遇したものである(爆)。
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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