2017-08

何だか良く分からないままに大ブームの時代(その1)




☆ 音楽に音楽の神様がいるように,ポピュラー音楽にもポピュラー音楽の神様がいると思う。別の言い方をすれば芸術には芸術の神様がいるように,芸能にも芸能の神様がいる。神様は時々悪戯をして,考えてもみなかった大ブームを誰かの頭上に降り注ぐのである。

☆ 1970年代はとくにそういう「何だか良く分からないままに大ブームの時代」だった気がする。こういうことは今でも起きているし(昨年の大ヒット=ポピュラーソングではない=の中にも確かに「そういうもの」と思われるものが入っている),本当は時代を選ばない(ポピュラーソングの世界で言えばエルヴィスやビートルズやボブ・ディランはその典型であるはずだ)。そういうものをチョッとだけ取り上げてみたい。

Show Me the Way (Peter Frampton)
Studio Take Release 1975年2月
Live Version Issued 1976年2月(最高位米6位=ビルボード,カナダ2位,全英10位)
サタデー・ナイト・ライブの映像



☆ Wikipediaの記載によると,ピーター・フランプトンはデヴィッド・ボウイの高校の後輩だったらしい。彼の活動はスティーヴ・マリオットとのハンブル・パイが本格的なスタートで,その後ソロとなりライブを積み重ねて1976年の『フランプトン・カムズ・アライブ!』(1976年1月6日)で人気が爆発する(4月10日以降合計10週No.1全米売上800万セット(LP2枚組),全世界では1,100万セットを売り上げている)。

☆ ライブ活動を積み上げてメジャーになるのは,メインストリーム・ロックでもいわば王道パターンである。そしてまたそのライブの勢いや熱狂をライブ・アルバムという形で提示することは,シングルヒットに乏しいミュージシャンにとっては格好のショウケースとなる。日本のミュージシャンにこれを当てはめると,前者は浜田省吾,甲斐バンド,ハウンドドッグらで後者はRCサクセションである(という引用をしてしまう人間がこれを書いている^^;)。

☆ ライブの魅力が「熱」であることは,ポピュラー音楽では早くから知られていた「秘密」だった。ビバップの時代のジャズを思えばいい。そこには名曲ではなく名演があると言われたが,それこそがこの音楽の持つ「ライブ感」であった。ロックンロールでもそれは同じで,特にホールからスタジアムに巨大化していく過程である70年代半ばにこのライブアルバムが途方もないヒットとなったことは,その後のポピュラー音楽の方向性を決めたと言って良い。

☆ この曲でフランプトンが駆使するトーキング・モジュレーターは,少し前に紹介したジェフ・ベックなども使っていた(『ブロウ・バイ・ブロウ』2曲目「シーズ・ア・ウーマン(ビートルズのカヴァー)」参照)。Wikipediaにも書いてあるがジェフはある時フランプトンのこの曲を偶然聴いて,それ以降トーキング・モジュレーターを使うのを止めてしまったという。逆にフランプトンはトーキング・モジュレーターで自らのブランドを立ち上げたことが同じ記載の中で触れられているが興味深い。

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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