2017-05

「二人の架け橋(Make It with You)」 (ブレッド 1970年6月)





☆ 先日のアメリカがフォーク・ロックだとすると,ブレッドはソフト・ロックの典型になるのかもしれない。デヴィッド・ゲイツのヴォーカルはゆらぎを持ちつつ滑らかというより柔らかで,艶はあるのだけれど例えばフランク・シナトラのようにテカり(だからフランキーはビロード・ヴォイスなのだけれど)はなく,そのビブラートのように自然な魅力がある。彼の声はまさにジェントル・ヴォイスだった。この作品はカーペンターズの「遥かなる影(They Long to Be) Close to You」とエドウィン・スター「黒い戦争(War)」という対照的な2曲に挟まれた1970年8月22日にビルボードHot100のNo.1に輝いている。グループにとって最初かつ最大のヒット曲で全英(第5位)カナダ(第2位)などでも大ヒットしている。

Make it with you (David Gates)



☆ 60年代後半にロックンロールは「ロック」という括れないカテゴリに変化し,70年代に向けてスパークしていった。それはこのポピュラー音楽のビッグ・バンの時代だったのではないだろうか。その大半が先鋭化し,重く,激しくなり,やがて疲れて斃れていったのに対して「自分で作る音楽」としてのロックを取り戻す動きがシンガー・ソングライターの時代を招いた。ロックは同時にエレクトリック・ジャズやアコースティック・フォークとも轍を重ね百花繚乱の様相を呈する。そして音楽という壁すら超えて美術や演劇や映画に直接的影響を与えるようになっていく。そういう意味では,70年代はワクワクするような時代だったのかもしれない。


☆ 昨年暮れに紹介した恩田陸『蜜蜂と遠雷』が直木賞に選ばれたというニュースを先日聞いた。一読者としてお祝いを申し上げたい。
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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