2017-09

本邦泡沫語辞典(001) カリスマ





☆ カリスマって英語の発音を聞いていると「クリズマ」と聞こえる。スティーリー・ダン曲(1980年作品)でこれを聞いた。カリスマという言葉にはどこか宗教っぽさがあった。昨年「リヤ王」みたいな晩節を押し付けられた鈴木敏文という経営者の在り様を見ているとアメリカから押し付けられた「フランチャイズ・システム」を一人で換骨奪胎して「コンビニエンス・ストア」というビジネスモデルを作り上げたことだけでも彼がこの言葉に真に相応しい人物であったことは認めざるを得ない。




☆ しかし「カリスマ」が美容界で使われ始めてからその言葉からは宗教がかった部分が急速に消えていった。宗教に対しての言葉で言えば「世俗化」したのかもしれない。美容師がカリスマで悪い道理はない。彼(女)の美的感覚と技能が「余人を以て代え難い」のであれば(つまり「現代の名工」みたいな存在であれば)その名が相応しくないとは言えない。

☆ 美容関係者には気を悪くさせるかもしれないが,何かその辺からこの言葉が泡沫語になっていった気がする。カリスマという言葉の魔力が奪われていった。もっと言えば薄くなったということだ。美容師に相応しい敬称はシザーズを駆使するのだから「凄腕」ではないかと思う。それから会社の経営なんてものを宗教がかってもらうと非常に困るので,ここにも使って欲しくない。そう考えているうちにあっという間にこの言葉は泡沫語として今では「ブラックなんたら」の隣の池に落ちた犬のようになってしまった。

☆ カリスマが惹きつけたものは,宗教的帰依というべきものであり,それはゲマインシャフトに固有なものであってほしい。現代のポピュリスト政治家が成りたがっているのも,こうした一種のカリスマであるのだから。




関連記事
スポンサーサイト

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

«  | HOME |  »

プロフィール

deaconblue

Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

最近の記事

最近のコメント

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログランキング

FC2ブログランキング

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー

月別アーカイブ

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

最近のエントリ

最近のトラックバック