2017-05

「千年紀末に降る雪は」 (キリンジ 2000年1月19日=c/w)


2012年12月30日記

33
(2000/11/08)
キリンジ

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☆ エリザベス女王が "Annus Horribilis(恐ろしくひどい一年)" と漏らしたのは今から20年前の年(2016年注:1992年)の暮れのことだった。女王はなお健在であるが,わが国にとっての酷い一年は大英帝国のそれに勝るとも劣らないように思う。2012年はどん詰まりだったのか「どん詰まり一丁目一番地」だったのか,それはもっと先になってみないと分からない。

☆ 年の暮れに思い出す曲の一つにキリンジ「千年紀末に降る雪は」がある。この作品もまた「ねじれたクリスマス・ソング」ではあるが,堀米高樹の人物観が良く出ていると思う。

KIRINJI 19982008 10th Anniversary CelebrationKIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration
(2008/12/10)
キリンジ

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☆ このベスト盤が高樹、泰行の兄弟別に編まれていることが,今年届いた残念な知らせ(2016年注:堀米泰行のキリンジ脱退)の伏線になったのかどうかは良くわからない。ただ「段ボールの宮殿」から「Drifter」まで一直に伸びた線は,まぶしい。


2013年9月28日記

アルカディアアルカディア
(2000/01/19)
キリンジ

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「千年紀末に降る雪は」(作詩・作曲 堀込高樹)

戸惑いに泣く子供らと嘲笑う大人と
恋人はサンタクロース 意外と背は低い
悲しげな善意の使者よ

あいつの孤独の深さに誰も手を伸ばさない
歩行者天国 そこはソリなんて無理
横切ろうとするなんて気は確かかい?
「赤いオニがきたよ」なんて洒落てみるか

遅れてここに来たその訳さえ言わない
気弱なその真心は哀れを誘う
永久凍土の底に愛がある
玩具と引き替えに何を貰う?
My Old Friend.慰みに真っ赤な柊(ひいらぎ)の実をひとつどうぞ
さあ、どうぞ

砂漠に水を蒔くなんておかしな男さ
「ごらん、神々を祭りあげた歌も、貶める言葉も今は尽きた。」
千年紀末の雪に独り語ちた

君が待つのは世界の良い子の手紙
君の暖炉の火を守る人はいない
永久凍土の底に愛がある
玩具と引き替えに何を貰う?
My Old Friend.慰みに真っ赤な柊の実をひとつどうぞ
さあ、どうぞ

帝都随一のサウンドシステム 響かせて
摩天楼は夜に香る化粧瓶
千年紀末の雪!
嗚呼、東京の空を飛ぶ夢をみたよ

君が待つのは世界の良い子の手紙
君の暖炉の火を守る人はいない
この永久凍土も溶ける日がくる
玩具と引き替えに都市が沈む
My Old Friend.慰みに真っ赤な柊の実をひとつどうぞ

知らない街のホテルで静かに食事
遊ばないかと少女の娼婦が誘う
冷たい枕の裏に愛がある
夜風を遠く聞く 歯を磨く
My Old Friend.慰みに真っ赤な柊の実をひとつどうぞ
さあ、どうぞ

キリンジさん『千年紀末に降る雪は』の歌詞

ムラサキ☆サンセットムラサキ☆サンセット
(2001/11/07)
キリンジ

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33
(2000/11/08)
キリンジ

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2016年12月24日記

☆ メジャーデビューシングルがクリスマスソングの極南(2016年12月8日参照)だったことと関係があるのかどうかは知らないが,その曲をも超えたキリンジのクリスマス・ソングの極北を2016年のクリスマス・プレゼントの代わりにここに置いておく(笑)。

☆ 堀米高樹がキリスト者なのかどうかは知らないが,この曲の歌詩はサンタクロースやクリスマスの関する伝説に関する高い見識が実は隠れている。最初にユーミン(「恋人はサンタクロース」)が出てくるのはジャブみたいなお約束で(爆),キリンジの歌詩分析サイトの一切を見る前に分かった事だけ書いておこう(自爆)。

↓ 君が待つ世界の良い子の手紙(英文)の書き方
https://eikaiwa.weblio.jp/column/knowledge/santa-claus-letter

↓ 玩具と引き換える意味
http://www.1xmas.com/about/post.html

↓ 柊(ひいらぎ)の実の意味
http://www.y2asmr.net/xmaskazari.html

↓ 少女の娼婦の意味
http://www.pleasuremind.jp/COLUMN/COLUM006.html

☆ 摩天楼が化粧瓶であった時代は,おそらく山下達郎が「あしおと」を発表した1983年から変わっていないだろうから(そうでないと資生堂に合わせる顔が無いということもあるけれど),三菱地所が「見に行こう」と若い女の子に言わせる前(つまり丸ビルが建て替えられる前)からずっとそうだったのだろう。この曲の舞台は中央通りと晴海通りが交わるあたりにあった歩行者天国以外に考えられないのだけれど,永久凍土には東京砂漠(もちろん前川清時代のクールファイブの曲でバブル期まで某建設会社のテーマソングだった)の比喩であるし(苦笑),最後に沈んでしまう永久凍土は「日本沈没」以外の何でもないし(堀米兄はSF世代の申し子であろうし=苦笑=)。そして曲の最後にそんな状況をあっさり横に置く描写が出てくるところは「Drifer」にも通じている。この最後のあっさりとした冷や水のような歌詩が,コーダの長い余韻を招くのである。まさにクリスマス・ソングの極北と言って良いのだと思う。

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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