2017-08

DTBWB「カッコマン・ブギ」のプロファイリング




カッコマン・ブギ」 (作詩:奥山恍伸 / 作曲:宇崎竜童)




初出:2007年1月21日

☆ 「スモーキン・ブギ」で当てたダウン・タウン・ブギウギ・バンドが,余勢を駆って送り出した第二弾。。。ところが本来はB面だった曲が大当たりして,更に運命が変わってしまうところが激動の70年代に相応しい(笑)。ところでこの曲の歌詞は,ハヤリモノのオンパレードなので,分解する。

・ 銀座原宿六本木・・・今も昔もファッションというとこの辺り。渋谷新宿池袋に出番はなく,青山代官山は三下扱い。。。ということだろうか。逆にフォーク系は表参道原宿(吉田拓郎→山田パンダ「風の街」)となる。

バギー・パンツ(baggy pants)
は,Yahoo!ビューティーのファッションディクショナリーによると(以下の引用解説も全て同),オックスフォード・バッグスを原型として生まれた、股上が深く、ヒップから裾にかけて極端に太いシルエットをもつパンツ。バッグ(袋)のように太いというところから名付けられたもので、特に'73年頃に流行したことが知られている。また、これの裾を絞ってテーパード・シルエットとした感じのものをバギー・トップやトップ・パンツ、トップ・バギーなどとよんでいる。

ヒップボーンも同じ解説から類似項目の「ヒップ・ハンガー」を見ると,ヒップにひっかけてはく感じからこうよばれる股上の浅いパンツの総称。別に腰骨にひっかけてはく感じからヒップボーン・パンツ、また股上(ライズ)が浅いところからローライズ・パンツの名もある。’60~’70年代の若者向きのパンツに多く見られたもので、俗にローライザーともよばれた。ちなみに股上の深いタイプはハイライザーという。

・ ここでヒップ・ボンというのは腰骨のこと。腰骨のところで引っ掛けるようにズボン(ジーンズ)を履くのが当時ツッパリ連中の間で流行りだした。やがてボンタンみたいな不細工な流行のツッパリファッションになっていく。

・ アフロヘアー。ひと言で言えばパパイヤ鈴木みたいな髪型。70年代の終盤(に,ジョン・トラボルタが出てくる)まで圧倒的にディスコで流行った。なんせ山口百恵ですら一度だけ挑戦した(数日で元に戻されてしまったが^^;)という記録が残っている。

・ ラメラメシャツ。ラメが入っているシャツ。。。では解説になってないか(笑)。ラメクロス (lame-cloth)を引用しておくと,金属糸(ラメ、ラメ糸)を部分的に使った織物のこと。金属糸には、金、銀、アルミなどの箔を、漆で和紙にはり合せた切箔のものと、これを普通糸と撚り合わせたものがある。最近はポリエステル・フィルムにアルミを蒸着したものなどが多い。用途はイブニング・ドレス、ブラウス、縁飾り、婦人用帽子、袋物など。

ロンドン・ブーツ (London boots)。当然1号2号は関係ない。これも引用する。底とヒールが極端に厚く高くなったロング・ブーツで、’70年頃にロンドンでうまれ、当時流行ったグラム・ロックのミュージシャンたちによって履かれたことから一般化した。ユニオン・ジャック(英国の国旗)や爬虫類(はちゅうるい)を部分使いにしたものなど、派手に過激な感じのものが代表的で、主にベルボトム・ジーンズと組み合せて用いられた。’70年代の代表的な風俗ファッションのアイテムで、現在でもロックを愛好する人たちの一部で見られる。

・ いちばん分かりやすい例は,デヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』(及びそのジャケット)だろう(爆)。興味深いのは,当時70年代前半。日本ではロックだけでなくフォークをやっていたミュージシャンの間でもベルボトム・ジーンズと厚底のロンドンブーツは定番に近かった。要するに誰にでも流行っていたのである。



・ スリーピース。今はチョッキと言ったら嗤われるというより骨董品でも見る目で見られるようだが(苦笑),ヴェストとチョッキは絶対に違うものだと思っている。ジャケット+チョッキ+スラックス。この三つ揃い(スリーピーセズ)が本当のスリーピースだろう。ちなみにヴェストの解説を見ると,「胴着、チョッキ」の意で、シャツなどの上に着用する袖のない胴着のこと。イギリスではウエストコート、フランス語ではジレという。まあそういうことなのである。

= ここから2016年11月26日追記 =
ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの謂れはここに示したWikipediaで見てもらうとして,70年代前半のロックンロール・リバイバルを代表する三つのバンド(キャロル・クールス・DTBWB)のひとつである。ロックンロール・リバイバルはロックという複雑化しつつある音楽(プログレッシブ・ブルーズ・ハード・ソフト)に対するアンチテーゼであり,一面でニュー・ソウルに対するファンクの対抗(ジェームズ・ブラウンやスライやラリー・グレアムやジョージ・クリントンなど)やドゥー・ワップ・リバイバル(ディオン)とも相通じる部分があった。またその本質が反商業化であればパンク・ロックの胎動とも言えたし,ことさら日本ではまるでジェームズ・ディーンの『理由なき反抗』の亡霊の如く「ロック=不良の音楽」という馬鹿げた図式(モット・ザ・フープルが「ロックンロール黄金時代」で罵倒した)が罷り通っていた。その辺の今に延々と続くくだらないパターナリズムを反映したエピソードは,NHKとキャロルの因縁とか掃いて捨てるほどあるが,ここでは書かない。

☆ 確かにジェームズ・ブラウンを見に行った若き日の山下達郎がリーゼントのお兄さん達に長髪を引っ張られたなんて物騒な時代(70年安保の熾火かもしれない)ではあったが,宇崎竜童のやりたかったことはブルーズ・ロックの現在形であり,ファーストアルバムから発禁食らって何となく強面イメージが出来た不幸もあり(音の方向性は全然違うが頭脳警察みたいだ),そこから転じたブギウギ作品群は逆に軽薄短小を先取りしつつ,(後年の宇崎のベースとなる)世相風刺をしっかり挟み込んだ作品集でもあった。

☆ 今で言う「スマート」や「クール」の語源は,1950年代後半の石原裕次郎の時代(それは同時にロックンロールやロカビリーの親世代でもある)なら「いかす」で,(その変形のリバイバルが90年代の「いかすバンド天国」),それから長いこと「格好良い⇒カッコイイ」がそれに代わった。そういえば「ダサい」が生まれたのはこの少し後である。ここに描かれた70年代の流行服飾風俗は何となく一巡して(コギャルの愛した「どデカブ-ツ」などの変異はしたが)90年代後半に)その一巡も終わり,今はまたダサい状態に近いのかもしれない。で,この曲のエンディングがエルヴィスのパロディで終わるのもそうした世代感の反映でもあると思う。

☆ ツナギ(自動車工場の整備服)が象徴するのは,揃いの衣装がなくてという懐事情とは別に,この音楽が誰に支持されていたかの象徴でもある。それは結果として宇崎や矢沢を長年困らせることにもあったが,上から目線の連中よりは...とは思ってしまう。この時代にはまだ「敵」なるものがそれなりに見えていた時代で,全員を豊かにするという幻想作戦が効果を発揮したことが,それを見失させ,「No.1としての日本」という冷静な分析本をよく読みもせずにのぼせ上がった挙句が平成大バブルとガラバゴス・ジャパンであったとすれば,これほどカッコワルイことも無いであろう。



☆ ざっくりの生歌生演奏でこれくらいだから,当時の「プロミュージシャン」に要求されるものはそれなりに厳しかったとも言える。とはいえ伴奏は結構締っていると思う。あと曲間の早口言葉はハナモゲラ的ではあるが勿論無関係。

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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