2017-09

「One Of These Nights(呪われた夜)」(イーグルス 1975年5月19日)



呪われた夜/イーグルス
¥1,851 Amazon.co.jp


(初出:2015年7月26日に大幅追加)
☆ 今までに何度か話した話で,またかと思った人はそこでお終い(笑)。「呪われた夜」がビルボードで1位を取った頃,1975年の8月のことだが,毎週土曜か日曜の夜23時30分だったかにビルボードのチャートを紹介する番組があった。ジーンズの会社がスポンサーだったと記憶している。ジーンズ⇒アメリカン・カジュアル⇒全米チャート。なかなかいい流れだ。日曜には24時からキャッシュ・ボックスのチャートを紹介するFM番組もあってチャートマニアにはチェックタイムだった。言い換えればこれらの番組は洋盤屋で貰う数週間遅れのビルボードHot100のポップと共に,その当時ポピュラー音楽(有り体に言えばロック)に目覚めた子供には先生や教科書のようなものだった。

☆ 当時の洋楽曲には邦題がつくことが多かった。各レコード会社洋楽(宣伝)部の腕の見せ所である。タイトルも仮題がついてギリギリで変わるということもあった。ポップに載っている曲名には(仮)なんて書いてあることもあるから,その変遷が知れて興味深くもあった。イーグルスの「呪われた夜」は仮題は「忘れ得ぬ一夜」だったかと思う。件のチャート番組ではずっと仮題で紹介され,1位になった週にいきなり題名が「呪われた夜」になった。怪談の季節に冗談じゃないかと思ったが,どうも曲の出だしの One of these crazy ol' nights から来た題名のように思われた。

☆ ちなみにこの曲の前後のNo.1は「ザ・ハッスル」(ヴァン・マッコイ&ソウル・シティ・シンフォニー)と「ジャイブ・トーキン」(ザ・ビージーズ)。ヴァン・マッコイもビージーズのギブ3兄弟も,そしてグレン・フレイまで故人になってしまった。月日の過ぎるのは早いが,人は死して作品は残るとも言える。Wikipedia英語版を見るとフライはアル・グリーンやスピナーズといった70年代ソウルのテイストをバンドに持ち込もうとしていて,おそらくドン・フェルダーの加入もそこにポイントがあった(残念なことにそれは同時にバーニー・リードンをバンドから遠ざける結果となった)。実際この曲のクレジットはヘンリーとフライになっているが,イントロから延々と最後まで続くフェルダーのおどろおどろしいギターはこの曲の邦題を「呪われた夜」にした決定的要素のようにも思われる。


One Of These Nights (Don Henley, Glenn Frey)



One of these nights
それはありふれた夜だった
One of these crazy old nights
いつもと変わらない暑苦しい夜のことだった
We're gonna find out
ぼくらは見つけ出したのさ
Pretty mama
素敵な女性の本性ってものを
What turns on your lights
部屋の明かりをすっかり消した後にね

The full moon is calling
満月は狂おしく何かを呼び出し
The fever is high
熱気は高まっていた
And the wicked wind whispers
そして邪悪な風が囁き
And moans
呻き声をあげるのさ

You got your demons
君は自分の中の悪魔たちを呼び覚まし
You got desires
その欲望の虜になる
Well, I got a few of my own
だけどぼくの中にも同じ気持ちがあったのさ

Oo, someone to be kind to in
ああ,何者かが目を凝らしている
Between the dark and the light
暗闇と光との間で
Oo, coming right behind you
そう,君の背後に近づいてくるのさ
Swear I'm gonna find you
ぼくは誓うよ,君をちゃんと見出すと
One of these nights
この狂った夜の中でも

One of these dreams
それはありふれた夢だった
One of these lost and lonely dreams
ただの虚しい一夜の夢だった
We're gonna find one
ぼくたちがそれを探し当てた時には
One that really screams
夢の終わる叫び声だけが残されていたけれど

I've been searching for the daughter
ぼくは悪魔じしんが娘と呼ぶ
Of the devil himself
その人を探し続けていた
I've been searching for an angel in white
それは天使のように無垢な人でもあったのだ
I've been waiting for a woman who's a little
ぼくはその人にはその二つの面があることを知りながら
Of both
彼女が現れるのを待っていたけれど
And I can feel her but she's nowhere
そしてぼくは一瞬その姿を見たけれど
In sight
直ぐに見失ってしまったのだ

Oo, loneliness will blind you
ああ,孤独が君を盲目にする
In between the wrong and the right
正邪の間でいつのまにか
Oo, coming right behind you
そう,君の背後に近づいてくるのさ
Swear I'm gonna find you
ぼくは誓うよ,君をちゃんと見出すと
Get you one of these nights
この狂った夜の中でも,ちゃんとね

One of these nights
忘れ得ぬ一夜
In between the dark and the light
暗闇と光との間に佇む
Coming right behind you
君の背後に近づいてくるのさ
Swear I'm gonna find you
ぼくは誓うよ,君をちゃんと見出すと
One of these nights
この狂った夜の中でも

One of these nights
ありふれた,でも,呪われた夜
I can feel it
ぼくには感じられるのさ
I can feel it
感じられるのさ

One of these nights
この呪われた夜
Coming right behind you
君の背後に近づいてくるのさ
Swear I'm gonna find you
ぼくは誓うよ,君をちゃんと見出すと
One of these nights...
この狂った夜の中でも...[etc.]

☆ どうでもいい話だがこの曲がヒットしているのを聴いたスティーリー・ダンの二人は彼等の作品(『The Royal Scam』8曲目の"Everything You Did")の歌詩に「turn up the Eagles, the neighbors are listening(周りに聞こえるからイーグルスの曲のボリュームを上げろ)」という一節を入れた。Wikipedia英語版の『The Royal Scam』の解説でグレン・フライが言うには「当時ウォルター・ベッカーが付き合っていた女性がイーグルスのファンだった」そうだから。ただしフライとヘンリーはこのことを面白くは思っていなかったようで「ホテル・カリフォルニア」の歌詩の中に「They stab it with their steely knives but they just can't kill the beast (彼等はスティーリー(金属製)のナイフで何かを切り刻んでいたが,それは動物ではなかった=人の心を傷つけていた)」と書いてやり返している。


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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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