2017-07

「人生の壁(Border Song)」 (エルトン・ジョン 1970年4月24日)



僕の歌は君の歌+3/エルトン・ジョン



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☆ 「人生の壁」はエルトン・ジョンが1970年に発表したシングル。ゴスペルの影響を強く受けた作品であり彼の初期作品の中でも最も優れた作品のひとつである。バーニー・トーピンが詩を書いているが,英語版Wikipediaの解説によると最後の歌詩はエルトン自身が書いている。彼の長いキャリアの中で初めてチャート・インした作品(カナダ:34位、全米:92位)でもある。

> The last verse, written by John himself, seems to support this idea: "Holy Moses, let us live in peace/let us strive to find a way to make all hatred cease/there's a man over there. What's his colour I don't care/he's my brother let us live in peace."

☆ 「人生の壁」の背景には人種間・宗教間の偏見・差別,それに起因する疎外などがある。もちろんこの時代(1970年)であれば,白人と黒人の問題,パレスチナとユダヤの問題,英国ならば北アイルランドの問題,米国ならばヴェトナム戦争などがあった。そして1970年代にはウイメンズ・リブの大きな流れも起こった。

☆ エルトン自身の生き方を思えば,この曲が希求するものは結局のところダイヴァーシティ(多様性の承認)ということではないかと思う。差別や偏見の対象は民族や宗教だけでなく,様々なものがある。壁と言えば国境に万里の長城のような壁を相手側の負担で作らせろという主張をする人物が大国の指導者候補に名乗りを上げているのも2016年の現実のひとつであり,宗教や民族の違いを以て「他人を殺傷する正義」の「口実」に使っている狂信者の集団やその狂信者の横で「人質ビジネス」で戦闘資金を調達するような「軍団」もいる。これらを極端な例外としたところで,何だか至る所に壁ができているのが2016年の現実である。

☆ 金も力も拡声器もない我々がエルトンの声を借りて言えることはただひとつ。

> He's my brother let us live in peace.
(そんな彼もまた我が兄弟なのである。我らに安らぎを。)

Border Song (Elton John / Bernie Taupin)
Produced by Gus Dudgeon

BBC Live 1970年5月22日


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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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