2017-05

再び歩き出すとき 「Europe After The Rain」 (ジョン・フォックス 1981年8月20日)



Europe After The Rain/John Foxx


☆ 坂本龍一が大貫妙子に頼まれて作っていた音楽世界を軽々と作っていたのが,ウルトラヴォックスの3枚目以降のジョン・フォックスという気がしないでもない。ウルトラヴォックスに関しては最初のピストルズ的な「乱暴さ」が,一体どこから3枚目の世界に化けてしまうのかという気が今でもしている(笑)。ジョン・フォックス自身はもう少しエレクトロ・ポップに近いアプローチになっていくのが「Burining Car」なんだろうと思うが,ここはゲイリー・ニューマンという非常に優秀な追従者(喩えが悪くて済まないがオリジナル・ラブに対するフリッパーズ・ギターみたいなもの)が登場し,商業的にも成功したので (そういえばチューブウエイ・アーミー名義で出した全英No.1曲のタイトルも「Cars」だったし^^;),フォックス自身が方向性を少し変えたのがこのアルバム。

Garden/John Foxx
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☆ でも最初にター坊を引き合いに出したように,このアルバムは妙にサカモト的でもある。この曲に目を付けた広告会社のスタッフは優秀で,気が付くと曲のイメージと何の関係もないホンダの新型スクーターのCM曲になっていた(笑)。曲の持つリリカルなムードは例えば「雨に煙る桂離宮」的イメージを日本人には与えることと思う。イントロのピアノの清冽さが実はビート・ミュージック(ダンス・ミュージック)であるこの曲の基本ラインを忘れさせてしまう。非常にうまい演出だと思う。割とぎっしり詰まったビートや歌詩をどこか「開放」してしまうスカスカのピアノの音達。そして後半にまとわりついてくるシンセサイザーの音。この緻密さと「空間」が侘び寂び的な音になんとなく昇華してしまうのである。

☆ 英語版Wikipediaによると曲名はドイツを代表するシュルレアリズムの画家マックス・エルンストの1942年作品『雨後のヨーロッパII』に由来するという。稠密で整然としていながら,どこかスカスカの余韻を併せ持つ,非常に個性的な作品であると思う。

Europe After the Rain (John Foxx)



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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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