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2019-12

「Special to Me」 (Bobby Caldwell 1978年)


Special to Me (Bobby Caldwell / Marsha Radcliffe)


Wikipedia(英語版)の彼の項目に,ものすごく興味深いことが書いてある。

> Bobby Caldwell was born in Manhattan, but grew up in Miami.
ボビー・コールドウエルはマンハッタン生まれだがマイアミで育った。
> His mother sold real estate and one of her clients was reggae singer Bob Marley; Caldwell and Marley became friends.
彼の母親は不動産売買をしており,その顧客の一人にレゲエ・シンガーのボブ・マーリィがおり,コールドウエルはマーリーと仲良くなった。
> Growing up in Miami exposed Caldwell to a variety of music such as Haitian, Latin, reggae and R&B.
マイアミで育つ中,コールドウエルはさまざまな音楽の影響を受けた。それはハイチ音楽,ラテン音楽,レゲエ,そしてリズム&ブルースだった。

☆ この記述は彼が単にAOR(アメリカではアダルト・コンテンポラリー・ミュージックになるとわざわざ注釈がついている)やブルー・アイド・ソウルで売ってきた訳でも,目先を変えるためにレゲエに挑戦した訳でもないことが分かる。そしてこの解説にはさらに興味深いことが書いてある。

> Singer Boz Scaggs advised Caldwell to write songs for other musicians after TK Records shut down.
ボズ・スキャッグスは(コールドウエルがレコードを出していた)TKレコーズが倒産した後で彼に他のミュージシャンに曲を書くことを提案した。

> Caldwell wrote "The Next Time I Fall", which became a hit for Amy Grant and Peter Cetera,and songs for Roy Ayers, Chicago, Natalie Cole, Neil Diamond, Roberta Flack, Al Jarreau and Boz Scaggs.
コールドウエルは "The Next Time I Fall" という曲を書きエイミー・グラントとピーター・セテラ(元シカゴ)がデュエットしたその曲はヒットを記録した。彼はまたロイ・エアーズ,シカゴ,ナタリー・コール,ロバータ・フラック,アル・ジャロウそしてボズ・スキャッグスに曲を提供した。

☆ ボビー・コールドウエルが出てきた時,ボズ・スキャッグスのコピーであるかのような冷めた見方があった。だからボズが80年代前半の休息期間を経てボビーの「ハート・オブ・マイン」をタイトルにしたアルバムを発表した時,それらの人が腰を抜かしたのは言うまでもない(笑)が,Wikipediaのこのエピソードは,もっと知られても良いのではないかと思う。

☆ このWikipediaの記述から分かったことが幾つかある。

(1) ボビー・コールドウエルがTKレコードからデビューした理由
→・マイアミに住んでいて,そこにあった独立系レーベルだった。
 ・KC&ザ・サンシャインバンドが大当たりして新人を抱える余力があった。
 ・R&B,ソウル系の音に強く,ボビーの音楽志向に合っていた。
→だから白人であることが分からないようジャケットをイラストにした。
(翌年,テキサス州サンアントニオ出身のミュージシャンが同じ手法を用いた。クリストファー・クロスだ。)

(2) ボズがボビーの作品を取り上げた理由
→・TKレコードが81年に破産した時,ボズ自身が一時リタイア中で音楽から離れていた。
(聞いた話ではロブスター料理のお店などをやっていたらしい。)
 ・ボズ自身,ヒットを掴むまで下積みが長かったし,AORも,この時は既にトレンドでなかった。
(この時代は明らかにビート優位のダンス音楽の時代(そこにMTVが割り込んでくる)であり,ブルー・アイド・ソウルは「ロックン・ソウル」のホール&オーツやピーター・セテラ時代のシカゴなどを数少ない例外として,総じて不振となり始めていた。)
 ・ボズはボビーの作曲能力を評価していた。

『Bobby Caldwell』(1978)
Billboard Top200
189位(New Entry:1978.11.18)⇒最高位21位('79.3.10・17)

Album PERSONNEL
Bobby Caldwell – vocals, keyboards, guitar, bass
Benny Latimore – keyboards
Alfons Kettner – guitar
Steve Mele – guitar
George "Chocolate" Perry– bass
Richie Velazquez – bass
Ed Greene – drums
Harold Seay – drums
Joe Galdo – drums

☆ この曲は日本では「まるでシングルのように」エアプレイがかかっていた人気曲だ(実際にシングルになっていた👇)。アルバムのオープニングでブルー・アイド・ソウルの定番のような滑らかな魅力的な作品だ。





☆ 上のYouTube(CBSソニーがディストリビュートしたTK盤シングルの方)コメント欄が当時六本木などのデスコでお遊びになったお歴々の暖かいメッセが見られ「時代」を感じさせる。ま,一方にはこの手の輩を「なんクリ野郎」と呼んで締めてた人達(その可能性が高いのがゲージツ家のクマこと篠原勝之氏など)もおった訳で,この時代までは軟派と硬派という分類が有効だったと思わざるを得ない(爆)。
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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