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2019-07

「夢の夢(#9 Dream)」(John Lennon 1975年1月31日)


初出:2016年12月7日「ぼくは幸福な夢を見ていた,たぶん。」

「夢の夢(#9 Dream)」 (John Lennon)


So long ago
それはとても昔のこと
Was it in a dream, was it just a dream?
あれは夢の中だったよ,ただの夢だったんだ
I know, yes I know
ぼくは覚えてる,そうとも覚えているんだ
Seemed so very real, it seemed so real to me
すごくリアルな出来事として,ぼくにとってはそうだったんだ

Took a walk down the street
街をそぞろ歩きしていたんだ
Thru the heat whispered trees
熱にうなされた木々の間をを抜け
I thought I could hear (hear, hear, hear)
ぼくはそこで何かの声が聞こえた(確かに,ぼくには,聞こえた)
Somebody call out my name as it started to rain
雨がそっと降り始めるように,誰かがぼくの名前を呼んでいるのだ

Two spirits dancing so strange
ふたつの心は不思議な踊りを踊っているようで

Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé

Dream, dream away
夢だったんだ,過ぎ去っていく夢だったんだ
Magic in the air, was magic in the air?
辺りは魔法にかけられたかのように,魔法にかけられたかのように
I believe, yes I believe
でもぼくは信じている,そう,ぼくは信じてる
More I cannot say, what more can I say?
それ以上,どんな言葉にも表せないのさ,どう言えば良いというのだ

On a river of sound
河の流れる音が聞こえる
Thru the mirror go round, round
鏡を抜けて,ずっと,ずうっと
I thought I could feel (feel, feel, feel)
ぼくはそのさまを感じることができた(そうとも,ぼくは,感じた)
Music touching my soul, something warm, sudden cold
その音楽がぼくの心に触れる時,何か生暖かい感触の後,突然冷たく変わるのを
The spirit dance was unfolding
魂がそこで踊っているさまを

Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé

Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé

☆ 1975年の冬,これは74年からの続きの冬。ジョン・レノンの『Walls And Bridges(心の壁、愛の橋)』からのセカンド・シングル。9という数字が縁起が良いとか最強だとかいうのは賭け事の世界と占いの世界だろうが(そういえば両者は結構隣接している気がする)この曲に満ち溢れている多幸感は最初に聴いた時から強く印象に残っている。そういえばジョージ・ハリソンも80年代後期に『クラウド・ナイン』を発表している。ナインという数字は日本では「苦」に通じるという迷信があるが,どうもそういうことでもなさそうな気がする。

☆ ジョンのことを考えてみると,この後ロックンロールのオールディーズをカヴァーしたアルバムとベスト盤を出してハウスキーパー(主夫業)をすることで70年代後半をパスした。彼とヨーコにとってはそれは悪いことではなかったと思う。特に80年代に入る瞬間(1980年12月)にジョン・レノンという人間が吹き消されてしまったことを考えれば,それは彼等にとっての良き(方向に向かう)夢の始まりだったのかもしれない。

☆ さすがにここでぼくもジョンと同じ夢を見たなどと宣(のたま)うつもりはないが(苦笑),ぼくはぼくなりに何かの夢の欠片(かけら)をこの曲に感じていたことは確かだ。この曲の存在が同時期の他のヒット曲とは違うという感覚はその頃からぼくの中にはあった。それが何なのかはわからない。確かにわかることは,今ではそれはこの曲の邦題の通りの「夢の夢」と化して,もうどこにもない(ジョン・レノンがこの世のどこにもいないように)ということだけかもしれない。

☆ 今さらのように村上春樹の「蛍」と「ノルウエイの森」を再読しているのだが,死のもたらす喪失感を感じることが出来るのは生者だけであるという当たり前のことに何度も魂を揺さぶられるのである。

2019年7月7日追記

☆ Wikipediaのこの曲の解説を見ていると,pousséがpussy(子猫だが俗語で女性器)に聞こえるだとか,”曲のバックで囁いているのは私よ”争いだとか,かなり下世話な話が書いてある(笑)。そういう話はジョンがいなくなった後に伝承を巡る検証のように書かれているのだろうが村上春樹的「やれやれ😥」感は否めない(爆)。

☆ こういう曲を過去のショーケースから取り出して感じることは,最初の文章にも書いた多幸感だ。ジョンとヨーコが(彼の浮気が原因で)「シュールな別居生活」を送っていたことは当時リア厨だったぼくですら知っていた。ぼくは幸運にして「シュールな別居生活」なるものを現在まで体験したことがないので(自爆),ふたり(ジョンとヨーコ)にとってどういうものだったのかは分からない。ただその後にショーンが生まれたことでジョンは大きく変わったのは確かだし,彼にとって大事なものが何だったのかは分かる。この曲の多幸感はしかしその事実とは関係ない。考えようじゃ,オトコのいい加減さの顕(あらわ)れでもある。しかし作品のクオリティの高さがそういう下世話な話を軽く笑い飛ばしてしまう。そんな事情を知ったところで,この曲の価値は微動だにしませんよということだろう。それはそれで,かなり幸せなことであり,そういう作品にリアルタイムで出会えたことは喜ばしいことなのであろう。

PERSONNEL
The musicians who performed on the original recording were as follows:
John Lennon – vocals, acoustic guitar
The 44th Street Fairies: Lennon, May Pang, Lori Burton, Joey Dambra – backing vocals
Ken Ascher – clavinet
Jesse Ed Davis – guitar
Nicky Hopkins – electric piano
Arthur Jenkins – percussion
Jim Keltner – drums
Bobby Keys – saxophone
Eddie Mottau – acoustic guitar
Klaus Voormann – bass guitar


最高位
全米 Billboard Hot100:9位、CashboxTop100:10位
全英:23位、全加:35位、日本(オリコン):97位
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テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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