2017-07

「SWEETEST MUSIC」 (竹内まりや 1980年12月5日)


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2,097円
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初出:2006年3月10日

☆ 別に本人が望んだ訳でもないのに,この時代の女性ニューミュージック歌手のプロフィールインチキに満ちている。今頃思えば常識問題なのだが,15歳前後でデビューするアイドル歌手セールスで張り合うために大卒や短大卒ミュージシャンの年齢一、二歳詐称されていたのがこの時代だった。今更当時の竹内まりやはどうだったかなどと野暮なことはつっつかない(So,don't mess around about that!)。要するに自作自演分だけアイドル歌手より高級だと言わせたかったのである。愚かしさを通り越して可愛い気を感じるが(爆笑)。


☆ もちろん,そういう事務所レコード会社の方針と戦う間に女性ミュージシャン実力をつけるか消耗するかのどちらかになる。どっちかと言えば後者が圧倒的に多い。さえあれば青年向けグラビア雑誌で一皮脱がそうなんてろくでもないこと考えるのが多かったから。しかし,この作品のまりやのように「いい加減にして」を作品主張されると,誰も文句をつけなくなってしまう


☆ アルバムの冒頭がタイトルにした「SWEETEST MUSIC」で,この曲のまりやが一番伊東ゆかりに似ている(声質が同じだというのは当時からまりや本人も認めていた)。それは曲のファンキーな感じが,伊東ゆかりを育てた米軍キャンプでのバタ臭さと思いがけなくシンクロしているからなのだと思う。確かに結婚後の方が寡作かつ佳作が多いとは思うが,歌手:竹内まりやが完全に花開いたのはこの曲のヴォイシングに違いないと思っている。



2017年7月3日追記
☆ という訳で,個人的にはこの曲のまりやが彼女のトータル作品の中で一番格好良いと確信している(最初に聴いてから37年近く経った今でも)。何だかそれだけで終わってしまいそうなので(自爆)もう少し書くよ(苦笑)。

☆ 竹内まりやのWikipediaを見ると,彼女のバタ臭さのルーツは60年代の歌謡ポップスにあることが分かる。伊東ゆかりは確かに60年代にはベタな歌謡曲に転じているが,60年代半ばまで(「人形の家」以前)の弘田三枝子を聞いていたというところは,成るほどと思える。ぼくはピンキー(今陽子)や園まり,小川知子,いしだあゆみ,黛ジュン,ザ・ピーナッツなど綺羅星のような60年代女性歌手のトップはゆかりとミコだと確信しているので(要はあなた,贔屓の引き倒しでしょ^^;),ミコを聞いてゆかりの声質を持つ竹内まりやが好みにならない訳が無いのである(再爆)。

☆ この曲の頃はアイドル的な人気(=売られ方)に彼女自身が嫌気がさし云々というのはWikipediaの解説にあるとおりでご主人との馴れ初めも良く分かる。だからニューミュージックの歌手が全編英語詩の曲をシングルに出すということがどれほど「理解されなかった」かも手に取るようにわかる(日本のショウビズはそれほど狭い世界だったし,本質は今でも変わってない。単にタレントさんの管理(マネジメント)が甘くなっただけである)。それでも「Sweetst Music」のファンキーなまりやは,何処のバブルタレントよりも格好良いのである。



【7月4日追記】
☆ この曲のまりやのヴォーカルは,50~70年代の米国女性歌手の「強いヴォーカル」を強く意識していると思う。50年代以降のポピュラー音楽で,女性ヴォーカルはスキーター・デイヴィスやダイアナ・ロスみたいな例外もあったけれど総じて「強い」。それは例えば70~80年代でもスティーヴィー・ニックスからベリンダ・カーライルに至るヴォーカルラインが象徴していると思う。まりやのヴォイシングは,そういった(彼女が聞き育ってきた)正統的な(ミドル・オブ・ザ・ロード的な)ヴォーカルラインを強く意識しているのだと思う。
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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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