2016-10

「Honesty」 (ビリー・ジョエル 1979年)


初出:2014年7月25日

ニューヨーク52番街ニューヨーク52番街
(2013/03/06)
ビリー・ジョエル

商品詳細を見る





Honesty (Billy Joel)

If you search for tenderness
君がやさしさを探そうとするなら
It isn't hard to find
それを見つけるのは難しいことではない
You can have the love you need to live
君が生きていくために必要な愛なら手に入れることはできる
But if you look for truthfulness
でも,もし君が真実を求めたいというのなら
You might just as well be blind
それはたぶん盲目のようなものに終わるだろう
It always seems to be so hard to give
それはいつもたやすく与えることなどできないものだから

Honesty is such a lonely word
誠実さとはなんと虚しいことばなのか
Everyone is so untrue
誰も彼もどうしてこんなに不誠実なのか
Honesty is hardly ever heard
誠実さなんてどこからも聞かれなくなってしまった
And mostly what I need from you
そしてそれこそ僕が君に求めているものなのに

I can always find someone
いつだって誰かを見つけることができる
To say they sympathize
気休めを言ってくれる相手だったら
If I wear my heart out on my sleeve
もし僕の心のすり減っているところが袖口から覗いているのなら
But I don't want some pretty face
だけど僕はもういらない
To tell me pretty lies
可愛い顔をして手酷い嘘をつくような相手は
All I want is someone to believe
僕が欲しいのはそうさ,ただその言葉を信ずるに値する相手だけ

Honesty is such a lonely word
誠実さとはなんと虚しいことばなのか
Everyone is so untrue
誰も彼もどうしてこんなに不誠実なのか
Honesty is hardly ever heard
誠実さなんてどこからも聞かれなくなってしまった
And mostly what I need from you
そしてそれこそ僕が君に求めているものなのに

I can find a lover
恋人なら見つけることもできる
I can find a friend
話し相手だって見つけることはできる
I can have security
ひとときなら気休めや安心も得られるだろう
Until the bitter end
ほろ苦い結末までの間なら
Anyone can comfort me
誰だって口先だけで気休めを言ってくれる
With promises again
そしてもう一度約束してくれるかもしれない
I know, I know
分かっているさ,それくらい分かっているんだ

When I'm deep inside of me
僕が自分の心の内に閉じこもっている時には
Don't be too concerned
どうかそんなに心配しないでほしい
I won't ask for nothin' while I'm gone
そこから出ていくまでの間は何かを求めることはないのだから
But when I want sincerity
それでもふと誰かの誠実さが欲しくなった時には
Tell me where else can I turn
どの方向へ振り向けばいいのか伝えてほしい
Cause you're the one that I depend upon
君こそが僕が頼りとしているひとだから

Honesty is such a lonely word
誠実さとはなんと虚しいことばなのか
Everyone is so untrue
誰も彼もどうしてこんなに不誠実なのか
Honesty is hardly ever heard
誠実さなんてどこからも聞かれなくなってしまった
And mostly what I need from you
そしてそれこそ僕が君に求めているものなのに


レビューは別にしますが,前触れに短いノートを。
・ この曲の背景にはビリー自身の私生活の不調がある。
・ 桑田佳祐はこの曲を聴いて,高田みずえに提供した「私はピアノ」を書いた。
 「私はピアノ」に出て来る「ビリー・ジョエル(の曲)」は,この曲。
スポンサーサイト

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

こんなことは,今までなかった。




☆ 斉藤茂男(1928年3月16日 - 1999年5月28日)が共同通信社時代に書いた『妻たちの思秋期~ルポルタージュ日本の幸福』は家父長主義(パターナリズム)ジェンダーに支えられた高度経済成長が脆く崩壊していく図式を見事に描いてみせた。このパターナリズムがいまだにこの国をガラパゴスの呪縛に留めるまさに「呪怨」であるのだろう。

☆ 思秋期という言葉を作ったのは間違いなく阿久悠で,この曲と同じ時期に岩崎宏美が歌った。彼女の代表作のひとつでもある。だがしかし1977年を遥かに後に見ると,「秋の気配」もまた思秋期であること,それは前掲の斉藤の署名の含意としてだが,それを感じさせられるのだ。

☆ ところでWikipediaの記述によると小田和正自身は「もし、女に捨てられたような経験があったとしたら、あんなに傲慢にはならんでしょう。“嘘でもいいから ほほえむふりをして”みたいな、そんな都合のいい話はないわけでさ(以下略)」という主旨の話をしているそうだが,そんなに傲慢な主人公には思えないのである。

☆ おそらくこの曲を支持する女性のかなりの部分は,主人公の男が傲慢どころか繊細で今まさに「女に捨てられようとしている」としか感じられないのではないだろうか。それはこの曲の最後のリフ部分(僕の精いっぱいのやさしさを/あなたは受け止めるはずもない=つまり前述で小田が触れた部分の直後の歌詩)で,男自身が認めているからだ。この男は女から捨てられるのが分かったから「僕があなたから離れていく」と思うことでその「現実」を受け入れざるを得なかったのだ。女性達にはそれが見えているのである。彼女達が「何とかトラディショナル(新しいのと横浜産の2つあった)」を脱いでフツーの主婦になっても,いずれ来るものが「思秋期」であることを,この曲と同じ地平の片隅で気付いていたのである。

「秋の気配」 (オフコース 1977年8月25日 作詩・作曲 小田和正)



☆ 舞台が港の見える丘公園というとB'zの「Time」(1992年5月27日 "BLOWIN'"カップリング)もそうだ。こっちもこっちでドロドロの不倫劇なのだが,男の頼りなさというか情けなさが妙に同レベルでシンクロしているような気もする。このコメントについては申し訳ないが2曲とも個人的に非常に好きな曲なので書いていることに他意はない(不快に感じたらお詫びしたい)。

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

「雨の街を」 (荒井由実 ♪1976年3月14日「セブンスターショー」)


ひこうき雲ひこうき雲
2,571円
Amazon



☆ 弾き語り期のユーミンを代表する "乙女チック" の名作。秋雨は降る毎に少しずつ季節を冬に押しやっていく。ミッション系の高校にいた彼女にはキリスト教の季節感が自然に備わっていたのだろうと思う。このヒトの場合,遊びを肥やしにした最良のパターンでデビューに辿り着いているが,その中にスキゾイド的に「乙女チックな私」が潜んでいるのが面白い。




キャラメル・ママ (後ろから)
林立夫(ds) 松任谷正隆(Key) 細野晴臣(bs) 鈴木茂(g)
荒井由実(p)
※残念なことに2ハーフのリフレインのコーダに向かう部分で切れているが,曲の90%は演奏されている。

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

「Happy Ending」 (Joe Jackson featuring Elaine Caswell 1984年)


Happy Ending (Joe Jackson)




I'm in a movie
ぼくはよくある映画の主人公だった
Where boy meets girl
そこで男の子が女の子と出逢うってヤツさ
What happens to me
ぼくに何が起こったと思う
In this brave new world
この「すばらしい新世界」でさ


Do I listen to my heart, do I listen to my head?
ぼくに自分の内なる声が聞こえるだろうか,頭の中の思いが聞こえるだろうか?

Do I look at what I see, or remember what I read?
わたしは自分が見たいものを見ているのかしら,自分が読んだ本のことを覚えているのかしら?

When I tell you how I feel, do I wonder what I've said?
ぼくは自分が言ったことをきちんと理解いるのだろうか,きみに対して自分の気持ちを伝える時に

Is there nothing we can do about it, anyone
そういうことに関して,ぼく達にはなす術がどこにもないんじゃないだろうか 誰もが


Anyone can be so hard hearted
誰もが薄情でいられるのだろうか

But everyone
それでもみんなは
Still everybody wants a happy ending
それでもみんな,幸せな結末を望んでいるというのに
la la la la la (×2)
ラ ラ ラ ラ ラ (×2)


It's not so easy, it's '84 now
それはそんなに簡単なことじゃないの,この1984年には
How tough must we be to ask for more now?
今日それ以上のことを訊いていくのに,どれほど心がしっかりしてなきゃいけないと思う?
Do I listen to my head, do I listen to my heart?
わたしに自分の心の内の声が聞こえるかしら,頭の中の思いが聞こえるかしら?

Do I try to feel the same as I feel when we're apart?
たとえぼく達が別れ別れになったとしても,同じ思いを持ち続けることができるだろうか?

Do I think about the end when it's only just the start?
わたし達は始まったばかりだというのに,この映画のラスト・シーンを思い浮かべられるというの?


Is there nothing we can do about it, anyone
そのことについてわたし達にできることなんて何もないんじゃないの? 誰もが


Anyone can be so hard hearted
誰もがしっかりした心の持ち主でいられるのだろうか

But everyone
それなのにみんなは
Still everybody wants a happy ending
それでもみんな,幸せな結末を望んでいる
la la la la la (×2)
ラ ラ ラ ラ ラ (×2)


I get so scared when I see the evidence against our case
わたしはわたし達の恋に不利な証拠を見つけることが怖くなってしまうの

Each movie so far this year ends up with
今年,どの映画を見ても終わる時には


someone crying
誰かが泣いている気がするんだ
Or even someone dying
でなければ,誰かの心が折れてしまっているのよ

(間奏)


Do I listen to my head, do I listen to my heart?
わたしに自分の心の内の声が聞こえるかしら,頭の中の思いが聞こえるかしら?

Do I try to feel the same as I feel when we're apart?
たとえぼく達が別れ別れになったとしても,同じ思いを持ち続けることができるだろうか?

Do I think about the end when it's only just the start?
わたし達は始まったばかりだというのに,この映画のラスト・シーンを思い浮かべられるというの?

Is there nothing we can do about it, anyone
そのことについてわたし達にできることなんて何もないんじゃないの? 誰もが

Anyone can be so hard hearted
誰もがしっかりした心の持ち主でいられるのだろうか

But everyone
それなのにみんなは
Still everybody wants a happy ending
それでもみんな,幸せな結末を望んでいる
la la la la la (×3)
ラ ラ ラ ラ ラ (×3)

NOTES
Joe Jackson
Elaine Caswell
※ 「すばらしい新世界」:同名のA.L.ハクスリーの小説に掛けているが,翻訳上の意味はない。 



テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

幻の30年



☆ 2016年の30年前は1986年で日本のポピュラー音楽にとって重要な意味を持つ数枚の作品が発表された年である。30年後にその亡霊のようなビジネスが高額限定盤になって出揃っている。たぶんその幾つかを1セットだけ買うのだろう。ただ一度,自分が生きていたことを確認するだけに聴き返すために。

☆ そうしてぼくは亡霊達を買うのだろう。哀れなレコード会社のモンキービジネスに浄財を出すために。そして捻じ曲げられ修正された幻の30年に哭くだろう。声も上げずに。そんなものどこかの国のノーベル賞と五十歩百歩に違いない。であるから墓石の下の骨となったアイドルのように。ぼくたちは幻の30年を嗤うだろう。とてもささやかな声で。その蟒蛇(うわばみ)を売りまくっている恥知らずの勝者を横目にしながら。

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

«  | HOME |  »

プロフィール

deaconblue

Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

最近の記事

最近のコメント

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログランキング

FC2ブログランキング

カレンダー

09 | 2016/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

カテゴリー

月別アーカイブ

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

最近のエントリ

最近のトラックバック