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70年代末のストーンズ=3=
☆ 本稿は下記初出に色々付け加えて作成している。
http://deaconblue.point-b.jp/b/index.php
☆ 70年代のストーンズが「本家帰り」していく過程で,ローリング・ストーンズは黒人音楽の変遷を取り入れるバンドだという評価が定着した。それはストーンズ流のスワンプ・ロックの取入れが『Let It Bleed』収録の「Love In Vain(むなしき愛)」でライ・クーダーにスライドを弾いてもらっていたのを,その後ミック・テイラーに代わってもらった的な話ではなく,『Sticky Fingers』,『Exile On Main Street』と,どんどんこってりした脂っぽい音に変化していく過程から伺える。
☆ 一方で『Goat Head Soup』の「Angie」や前回も触れた『It"s Only〜』の「Time Waits For No One」のようなバラードに広がりを見せ,ストーンズとしての音のレンジ自体は広がっていった。例えば『It"s Only〜』の最後に収められている「Fingerprint File」のようにリズムのアイディアが後年「Miss You」や「Dance」に繋がっていくなど,黒人音楽のリズムに拘った時代でもあった。
☆ ただ全体的にストーンズの音は重くなっていく。それはセールスの不振(といってもローリング・ストーンズというバンド,70年代まではセールス的には別に突出したところのないバンドでもあるのだが)やパンク/ニューウエイブの台頭と共に表面切ってコケにされる状況や(しかしルー・リードなど昔からストーンズの黒人音楽志向をコケにするミュージシャンは少なくなかったのだが),ストーンズ的な若いバンド(例えばエアロスミスのような)の台頭もあって,どこか抱え込んだ「重たさ」を振り切る必要があったことは間違いない。
=続く=
テーマ:Musical_Adrift - ジャンル:音楽
70年代末のストーンズ=2=
☆ 本稿は下記初出に色々付け加えて作成している。
http://deaconblue.point-b.jp/b/index.php
☆ 『Sticky Fingers』から『Exile On Main Street』を経て『It"s Only Rock"n"Roll』に至るストーンズは極めてアーシーでいわば暑苦しいロックをやっていた。この暑苦しさは米南部やジャマイカの泥臭さをストーンズなりに解釈したものであり,毀誉褒貶あるがキースのジャマイカは60年代半ばのジョージ・ハリソンのインドのようなものであったような気がする。
☆ ミック・テイラーは居場所がなくなったというより,こうしたフロントマン本位のストーンズのあり方に嫌気が差したのだろう。最近ユーチューブでテイラーがスライドを弾く「ブラウン・シュガー」のヴァージョンを幾つか聴いたが,ストーンズがこの泥臭さを纏わり過ぎたあたりからテイラーはグループを離れる気になったのではないか。彼がストーンズに残した最後の傑作は『It"s Only〜』収録の「Time waits for no one」の美し過ぎるソロであるが,この曲のクレジットが取れなかったことが恐らく最後の引き金になって彼はグループを抜けたのだと思う。
☆ ロン・ウッドはミック・テイラーよりは控え目で,良く考えると在籍期間の長さではブライアン・ジョーンズやミック・テイラーの数倍になった時にもまだ「新加入」扱いされてもそつなくいなしていた。これは彼がミュージシャンエゴのない人だからではなく,彼自身の人となりなのだろうと思う。とはいえ『It"s Only〜』のタイトルは彼にインスパイアされたことでもわかるように,ストーンズ(の音楽)との相性はもともと良かったのかもしれない。
=続く=
http://deaconblue.point-b.jp/b/index.php
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☆ 『Sticky Fingers』から『Exile On Main Street』を経て『It"s Only Rock"n"Roll』に至るストーンズは極めてアーシーでいわば暑苦しいロックをやっていた。この暑苦しさは米南部やジャマイカの泥臭さをストーンズなりに解釈したものであり,毀誉褒貶あるがキースのジャマイカは60年代半ばのジョージ・ハリソンのインドのようなものであったような気がする。
☆ ミック・テイラーは居場所がなくなったというより,こうしたフロントマン本位のストーンズのあり方に嫌気が差したのだろう。最近ユーチューブでテイラーがスライドを弾く「ブラウン・シュガー」のヴァージョンを幾つか聴いたが,ストーンズがこの泥臭さを纏わり過ぎたあたりからテイラーはグループを離れる気になったのではないか。彼がストーンズに残した最後の傑作は『It"s Only〜』収録の「Time waits for no one」の美し過ぎるソロであるが,この曲のクレジットが取れなかったことが恐らく最後の引き金になって彼はグループを抜けたのだと思う。
☆ ロン・ウッドはミック・テイラーよりは控え目で,良く考えると在籍期間の長さではブライアン・ジョーンズやミック・テイラーの数倍になった時にもまだ「新加入」扱いされてもそつなくいなしていた。これは彼がミュージシャンエゴのない人だからではなく,彼自身の人となりなのだろうと思う。とはいえ『It"s Only〜』のタイトルは彼にインスパイアされたことでもわかるように,ストーンズ(の音楽)との相性はもともと良かったのかもしれない。
=続く=
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70年代末のストーンズ=1=
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☆ 『Black and Blue』の重さ,『Some Girls』の軽やかさ,『Emotional Rescue』の軽さ。この三作(最初二作の間に『Love You Live』を挟むが)を経てストーンズは凄い勢いでシェイプアップしていったのだと思う。
☆ 70年代のストーンズは,キースを中心としてミック・テイラーの脱退などのスキャンダル的要素を別にすれば,『ベガーズ・バンケット』を基点とするよりブルージィな重いロックの路線を走って来た。ロックという音楽が一ミュージシャンやバンドによって切り開かれる時代はビートルズの解散とキング・クリムゾンの登場で幕を閉じ,その音楽自体が持つ多様性が開花する10年となった。80年代以降の一部のロック評論が捉え損なっているのはこの「多様性」の評価であり,ロケンロールの本家帰り的な「グラムロック」や「パンクロック」もまた表現の多様性という現代音楽共通の特質(ロックだけでなくジャズを見ればもっと明白)と軌を一にする。
☆ ストーンズにとっての「本家帰り」は,かつてジャガーとリチャーズが出会った時のような黒人音楽(のトレンド)回帰であり,猥雑でレイシズムをあからさまにして(それはいうまでもなく「黒人差別」が罷り通っていたあの時代のアメリカへの痛烈な皮肉でもある。それを誤解して無益な論争を引き起こす者は退場を推奨する)物議を醸し,最終的にストーンズを「自立」させた『Sticky Fingers』以降の70年代は黒人音楽との「距離感」をテーマとしたものだった。
=続く=
テーマ:Musical_Adrift - ジャンル:音楽









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