2007-04

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「Don't Look Back」(Boston 1978年)※Especially dedicated to the late Brad Delp

ドント・ルック・バックドント・ルック・バック
(2007/04/18)
ボストン

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Boston - Don't Look Back (Scholz)

Don't look back a new day is breakin'
振り返るんじゃない 新しい一日が始まろうとしている
It's been too long since I felt this way
この時が来るのをどれほど待ち望んだことだろう
I don't mind where I get taken
どの生き方を選ぼうとも後悔しない
The road is callin' today is the day
その道は僕に呼びかけている 今日こそがその日だと

I can see it took so long to realize
僕には解る それが正しい選択だったのか気付くまで長い時間がかかることが
I'm much too strong not to compoimise
でも僕は十分に逞しくなれた もう妥協して生きていくことはない
Now I see what I am is holding me down
僕は今,何が自分を押さえつけようとしていたのかも分かる
I'll turn it around
僕はそいつをひっくり返してみせるさ
Oh,yes,I will
ああ,そうだとも

I finally see the dawn arrivin'
遂に僕は新しい夜明けがやって来るのが見えた
I see beyond the road I'm drivin'
僕には自分が進んでいくこの道の彼方が見える

It's a new horizon and I'm awakin' now
新しい地平が広がり,今や僕は目覚めている
Oh I see myself in a brand new way
僕は自分自身が全く新しい道にいることが分かる
The sun is shinin' the clouds are breakin'
太陽は降りそそぎ,雲は晴れていく
'Canse I can't lose now, there's no game to play
もはや僕は敗者ではなく,ゲームの時間は終わったのだ。

I can tell there's no more time left to criticize
僕は伝えることができる あら捜しする時間など,どこにもないと
I've seen what I could not recognize
僕には分かる,今まで理解できなかったものが
Everthing in my life was leading me on
僕の人生を導いているあらゆるものが
But I can be strong
だけど僕はもっと強くなれる
Oh yes, I can
ああ,なれるとも

I finally see the dawn arrivin'
遂に僕は新しい夜明けがやって来るのが見えた
I see beyond the road I'm drivin'
僕には自分が進んでいくこの道が解る
Far away and left behind
遥か彼方も,過ぎ去った過去すらも
Left behind...
過ぎ去った過去ですら...

Oh the sun is shinin' and I would be gone
太陽が輝く,出発の時間だ

Don't look back a new day is breakin'
振り返るんじゃない 新しい一日が始まろうとしている
It's been too long since I felt this way
この時が来るのをどれほど待ち望んだことだろう
I don't mind where I get taken
どの生き方を選ぼうとも後悔しない
The road is callin' today is the day
その道は僕に呼びかけている 今日こそがその日だと

I can see it took so long to realize
僕には解る それが正しい選択だったのか気付くまで長い時間がかかることが
I'm much too strong not to compoimise
でも僕は十分に逞しくなれた もう妥協して生きていくことはない
Now I see what I am is holding me down
僕は今,何が自分を押さえつけようとしていたのかも分かる
I'll turn it around
僕はそいつをひっくり返してみせるさ
Oh yes, I will
ああ,できるとも

I finally see the dawn arrivin'
僕は遂に新しい日の夜明けがやって来たことが解ったんだ
I see beyond the road I'm drivin'
僕には自分が進んでいくこの道の彼方が見える
Far away and left behind
遥か遠くも,通り過ぎた過去も,そのすべてが

Don't look back
振り返るんじゃない

Don't look back
振り返るんじゃない

Don't look back
振り返るんじゃない

Don't look back
振り返るんじゃない

Notes :
This translation is especially dedicated to the late Brad Delp(Jun12,1951〜Mar9,2007).
この拙訳を故ブラッド・デルプ氏(ボストンのヴォーカリスト。1951年6月12日〜2007年3月9日)に心より捧ぐ。

テーマ:洋楽歌詞対訳 - ジャンル:音楽

由紀さおりを読んで

由紀さおり全曲集~35周年記念~コレクションI由紀さおり全曲集~35周年記念~コレクションI
(2004/09/29)
由紀さおり、安田祥子 他

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☆ 先週,日経新聞の夕刊に由紀さおりさんが連載記事を載せていた。あれは何というか「私の履歴書」のミニ版みたいなもので,なかなか興味深いのだが,今の人から見れば童謡を歌うオバサン姉妹というかそんなことになってしまうのだろうが(苦笑),70年代前半から中盤あたりまでのいわゆる「歌謡曲の人気歌手としての最盛期」を知っている者としては,童謡歌手というのは一面に過ぎないと思う。しかし,この話をとある巨大掲示板で始めると,あまりにも不毛なことが起こってしまうので(爆),それは脇に置いといて(苦笑),時計の針を逆戻ししたい。

☆ 「夜明けのスキャット」という作品が当時与えたインパクトというのは結構なものがあった。歌詞がなかなか始まらないのである。こういう方法論は一度しか使えない。二番煎じをするとグッと力が落ちてしまうのである。もっともかつて,イントロに続くスキャットの部分に "Hello, darkness...(「Sound of Silence」の歌詞)" と歌詞をつけたらどうだろうかと言って,洋楽ファンの人達に結構受けたことがあったので,まあその辺はプロダクション(事務所ではなく生産物)の巧(うま)さを褒めるべきなのだろう。

☆ 連載を読むと,この姉妹がどちらもクラシックの声楽の基礎が出来ていることが分かる。童謡を歌うには「ハッキリ歌う」ことが大事だ。詞(ことば)が,ハッキリ音になるように歌うこと。それは子供のための音楽だからではない。そういうふうな音楽なのだ。

☆ 連載の最後の方で彼女自身,自分ひとりでリサイタルをやろうにも「今の(自分自身のヒット)曲」を歌わないと。。。という苛立ちのようなものが書かれていたのが目を引いた。確かに「大人のための音楽」のマーケットがない。ジャズ(ヴォーカル)やシャンソンにはそれがかろうじて残っているが,マーケットとしては,やはり大きくはない。どうしても人目を引くヒット曲(この場合のイメージは例えば「千の風になって」みたいな広がりを持ってじわじわと人の心に浸透していく曲なのだろうが)が必要なのだと思う。

☆ もちろん彼女は現役の歌手であり,かつては星の数ほどのヒット曲(捨て曲は一曲も無し!)を持っていた。その彼女ですらこう考え込んでしまうところに,日本のポピュラー・ミュージックやその制作サイドの底の浅さが透けて見える。今の制作の姿勢が浅いと言っているのではない。マス志向→若者志向→「かつての若者」志向のアプローチの中に,円熟というキーワードが見事に抜け落ちていることが「浅い」と言っているのである。

由紀さおり35周年記念スペシャルミレニアムコレクション由紀さおり35周年記念スペシャルミレニアムコレクション
(2005/03/09)
由紀さおり

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テーマ:Musical_Adrift - ジャンル:音楽

Singlle's Review(24) 「とんぼ」(長渕剛 1986年)

とんぼとんぼ
(1988/10/26)
長渕剛

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☆ 田舎者の歌である。典型的な田舎者の歌である。それもハッキリ言って最低クラスの田舎者の歌である。しかし,それがどうしたというのか。そこには意外にも透き通るほど透明な意志がある。踏みにじられ,蹴飛ばされ,テメエの力を頼りに這うように生きていくことになっても,この街で生き続けることを選んだ主人公の自嘲と誇りがない交ぜになった言葉の向こう側に,その意志が見える。それはこの「くそったれ」の街が俺の行き場所であり生き場所であり,死に場所であるという宣言である。

☆ 長渕剛は鹿児島に生まれた。郷土からはフォークの英雄,吉田拓郎が生まれている。拓郎は進学のため住んだ広島でフォーク村のメンバーになったが,長渕が同じ目的で福岡に出て来た頃には,フォークは終わりつつあるムーブメントだった。その代わりに都会的な装いのニュー・ミュージックが闊歩し,地元ではロックバンドのブーム(めんたいビート)が起こっていた。彼にとって福岡はあまり居心地の良い場所ではなかったかもしれない。

☆ これは以前のブログやOOPS!に書いたのだが,「とんぼ」の歌詞で主人公が乗った列車は「北へ」向かう。この方向感が重要だ。東京に向かうのに「北へ」進むのは,伊豆諸島でない限りイメージできないだろう。どう考えても南か東か西なのだから。「北」という方向を意識できるのは,ブルートレインで鹿児島本線を北上し,山陽線から(正確には博多以降)は「東」に向かうという鹿児島出身の長渕の方向感覚なのである。このイメージは,例えば小林旭の歌が東京から東北へ向かう同じようなブルートレインのイメージがあること,あるいはマイ・ペースやARBの歌にあるように東京へ・東京からという東西感覚にも通じる。強いて言えば「北」という方向性は,最初に書いた彼のミュージシャンとしてのキャリアに起因するものである。

☆ 長渕が二度目のデビュー(この事に絡む話があるので後に述べる)をした後,師匠格でもある吉田拓郎のコンサートに出演した有名な事件がある。拓郎が三河湾に浮かぶ篠島でコンサートを開いた時,前座に指名されたのが長渕である。当然,客は本チャンの拓郎目当てであるから前座に出て来た長髪で気の弱そうな兄(あん)ちゃん等に用はない。さっそく口の悪い連中が吠え始めた。「帰れ!帰れ!」。それに対して長渕は大きな声で言い返した。「帰らないよ!」。この一件が長渕剛という若い音楽家が注目を浴びるきっかけになった。その後「乾杯」という名作で世の評価を得たものの,フォーク路線は師匠格の拓郎も含めてどことなく行き詰まりを見せ始めていた。

☆ こうした状況で長渕がドラマに出るようになったのは,自身の結婚も含めて世の中に知られるようになった反面,歌手としての方向性に悩んでいたからではないかと思う。そして下手な役者をしながらその歌の方向性を大きく変え始めた長渕は,自分の原点に辿り着く。それは強面のチンピラということではない(爆)。田舎者ということである。
=以下続く=

以上 2007-04-17 12:55:00

=↑の続き=

☆ 1970年代後半のフォーク・ミュージック・シーンでは,ひとつ上の世代が持っていた明らかな「反体制志向」がだんだん薄れていく過程であったように感じる。これは例えばティン・パン・アレーのようなプロフェッショナルな音楽への志向に対する極めて冷淡な態度と軌を一にしていた。そこでキーワードのように扱われたのは「生き様」という言葉だった。

☆ やや皮肉な感があるが,この手の「生き様」戦略を打ち出して成功したのは小学館の一連の本である。その最初に糸井重里による矢沢永吉のインタビューを元に構成した『成りあがり』があるのは皮肉な気がする。もっともこの手法は残間 里江子がプロデュースした山口百恵の『蒼い時』で一般化し,本来は写真集を出すべきワニブックスまでせっせとアイドルやニューミュージックの女性歌手にインタビューをしてゴーストライターにまとめさせた「アイドル本」を量産していた。

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)
(2004/04)
矢沢 永吉

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蒼い時 (集英社文庫 126-A)蒼い時 (集英社文庫 126-A)
(1981/01)
山口 百恵

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☆ 話がそれたが,長渕剛が歌手として建て直しを考えた時,恐らくここに戻ってきたのではないかと思う。「都会における田舎者の生き様」というテーマである。チンピラとかヤクザとかやくざ医師とか彼が選んだ素材は,有り体に言えば「どこかから都会にやってきて,そこに住み着いた人間」というテーマに沿っている。それは歌手を目指して上京し,一度はデビューしながら時機を得ず挫折し,再デビューまで雌伏するうちに世の中がどんどん軽い方向へ向かっていった。その居心地の悪さとそういう「世間」に何を見せつけてやりたいのかという彼自身の葛藤の産物でもあったのだろう。

☆ さて,前回チラと書いたが,長渕剛と桑田佳祐の因縁について聞いた話を書いておきたい。元々はどこかのフェスティバルか何かで桑田が冗談で長渕をおちょくったことが原因だという。たわいもない話だが,恐らくその前史があるのだろう。桑田佳祐という男は,軽さで売っているように誤解させるのが上手だが,実際はかなりシリアスな毒舌家である。桑田の毒舌はたまにしか出ないが,容赦がない。決して毒舌に走らない所ジョージの醒めた感覚とは大違いである。

☆ その俎上に載せられたことを長渕が根に持ったのは間違いなく,このドラマか何かの中でわざわざサザンオールスターズが曲を演奏しているテレビを消してそれを罵倒するような台詞がを吐いているそうだ(このドラマ見るには見たが,そこまで細かいところまで見なかったから真実かどうか知らない)。その後,長渕の二度目の結婚につながる醜聞が出て,桑田が「すべての歌に懺悔しな」を書くことになる。

☆ 喧嘩の経過は別にどうでも良く,その背景の方が興味深い。はじめに書いたように,長渕は「(都会に出て来た)田舎者の生き様」という方向性を見つけた。一方,元々都会人である桑田は,都会的な軽さを駆使し,現実を「おちょくる」ことで批評性を示していく音楽家である。両者が相容れないのは火を見るよりも明らかだ。さらに言えば長渕の最初のデビューは桑田よりも早い。しかし,二度目のデビューは遅い。長渕から見れば桑田は後から出て来て「軽さ」で人気者になった軽佻浮薄な輩であり,桑田から見れば,長渕はデビューに失敗して出直してきたのだから後輩だ。それも生き様だか何だか知らないものを引き摺って売り物にしているダサイ奴ということになる。多分こんなところが背景にあるのだろう。

☆ これは両者の対立やそこに喙を入れてきた松山千春などこの世代のミュージシャンの人間模様をおもしろおかしく描くことが目的ではない。どういう動機で「とんぼ」という作品が結実したか考えた時,その善し悪しは別の問題として,都会人と田舎から山出しでやって来た者とのスタンスの明白な違いこそが,この曲の妙に苦くて澄み切った感情の流れを裏打ちするものなのだということを指摘したかったのである。「とんぼ」は80年代後半を代表する作品ではあるが,そのテーマは70年代(後期)的なフォークのあり方とその到達した地点,そしてその限界を示すものとして興味深い。

以上 2007-04-17 12:54:00

テーマ:Single's Review - ジャンル:音楽

「Rat Race」 (The Specials 1980年)

シングルズシングルズ
(2005/07/06)
ザ・スペシャルズ

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Rat Race(Composed By Roddy Byers)

You're working at your leisure to learn the things you'll need
お前らは自分達に必要なことを学ぶべき時間を遊び呆けている
The promises you make tomorrow carry no guarantee
明るい将来でも約束されたかのように勘違いしているが,そんなもの誰も保証しないぞ
I've seen your qualifications, you got a Ph.D.
お前らの取得できる資格とやらを見たぜ,学士号が取れるんだって
I've got one art O-level, it did nothing for me
俺にはどんな「学」もないけれど,そんなもん俺にとっちゃ何の意味もねえや

Working for the rat race
結局,いたちごっこをやってるだけのことじゃないか
You know you're wasting your time
お前らがやっていることはただの時間の浪費ってヤツさ
Working for the rat race
生存競争に汗水流せよ
You're no friend of mine
そんな奴らは俺の友達なんかじゃねえ

You plan your conversation to impress the college bar
カレッジのバーで気取った会話でもやって好印象を植えつけようと必死みたいだな
Just talking about your mother and daddy's Jaguar
お前らのお袋の話だの親父が乗っているジャギュァーの話なんてやつさ
Wear your political T-shirt and sacred college scarf
政治信条が書かれたTシャツなんか着込んだり,ご大層なカレッジのスカーフなんか巻いて
Discussing the world situation, but just for a laugh
世界情勢を討論するんだっていうのかい,とんだお笑い種(ぐさ)だぜ

Working for the rat race
結局,いたちごっこをやってるだけのことじゃないか
You know you're wasting your time
お前らがやっていることはただの時間の浪費ってヤツさ
Working for the rat race
生存競争に汗水流せよ
You're no friend of mine
そんな奴らは俺の友達なんかじゃねえ

Working for the rat race
結局,いたちごっこをやってるだけのことじゃないか
You know you're wasting your time
お前らがやっていることはただの時間の浪費ってヤツさ
Working for the rat race
生存競争に汗水流せよ
You're no friend of mine
そんな奴らは俺の友達なんかじゃねえ

Just working at your leisure to learn the things you don't need
どうでもいいことばかり身につけるためにせっせと余暇に励んで
The promises you make tomorrow carry no guarantee
何の保証もされない将来の約束のために追いまくられるって訳か
I've seen your qualifications, you got a Ph.D.
お前らの取得できる資格とやらを見たぜ,学士号が取れるんだって
I've got one art O-level, it did nothing for me
俺にはどんな「学」もないけれど,そんなもん俺にとっちゃ何の意味もねえや

Working for the rat race
結局,いたちごっこをやってるだけのことじゃないか
You know you're wasting your time
お前らがやっていることはただの時間の浪費ってヤツさ
Working for the rat race
生存競争に汗水流せよ
You're no friend of mine
そんな奴らは俺の友達なんかじゃねえ

注 : Ph.D. 英国では「学士」号に相当する。

More SpecialsMore Specials
(2002/05/21)
The Specials

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Song Review(From "All Music Guide" Reviewed by Stewart Mason)

The first single from the Specials' somewhat unfocused second album, "Rat Race" is both a restatement of the group's ska roots and something of a retrenchment.
・ザ・スペシャルズのセカンド・アルバム(注『More Specials』)は,どこか焦点ボケした感じがあったが,そこからの最初のシングル・カット曲である「ラット・レース」はこのグループがスカに音楽的なルーツを持つことを再確認させると共に,その度合いがどことなく減ってきたことを表し始めていた。

The first Specials single not written or co-written by leader Jerry Dammers, "Rat Race" is a Roddy Radiation-penned attack on the unthinking snobbery of the upper-middle-class university life.
・リーダーのジェリー・ダマーズのペンによらない初めてのシングルとなったこの曲「ラット・レース」はRoddy Radiation(Byers)が書いたが,中の上クラス(上級中産階級)の何も考えていない俗物根性丸出しの学生生活を攻撃するような内容の曲だった。

(Given that students were a huge chunk of the Specials' audience, as shown in the song's cheeky video, there's an admirably "bite the hand that feeds" aspect to the lyrics.)
(この曲のちょっと面白いPVにも見て取れるような,スペシャルズのファンの多くを占めていたこういう学生連中にたたきつけたこの歌詞は,「飼い犬に手を噛まれる」を地で行くようなあっぱれな側面を持っていたのだ)

In the midst of the stylistically diverse More Specials, "Rat Race" comes off as a nod to the band's ska roots, which the rest of the album tends to ignore; as a result, it feels slightly stale both in comparison to similar early singles and to more wide-ranging contemporary material like the soundtrack-inspired "Stereotypes."
・さまざまなタイプの曲を持つ『More Specials』の中において,「ラット・レース」はバンドがスカを根っ子に持つことを認めながらも,その音楽性がそこから他へ移ろうとしていることを示していた。アルバムの残りの曲はスカ的な要素をなおざりにしがちだったので,その結果として,初期の似たような作品と比べても,あるいは彼等が音楽の幅を広げ,もう少し当時の流行に沿ったような作品,例えばサウンドトラックに影響を受けたという「ステレオタイプ」のような曲と比べても,この曲はやや気の抜けたものに感じられた。

On its own, however, it's a rollicking good piece of second-wave ska.
・まあ,そうは言っても,この飛び跳ねるような作品が「スカ第二世代」の優れた作品のひとつであることは間違いないのではあるが。。。

テーマ:Musical_Adrift - ジャンル:音楽

やっぱり不思議な人

☆ 珍しく遅くまで仕事して家に帰ると,たまたま予告を見たので竹内まりやの番組を見ることにした。あたしは当然,彼女がデビューした時から知っているし(ちなみにデビュー曲だって伊勢丹なデパートのタイアップ・ソングだったりするのだけど^^;),かなり長い間その作品を聴くという幸運に与(あずか)れたひとりだと思う。

☆ つらつらと番組を見ていて改めて感じたのは,年齢は重ねても別に無理をしているように思えない妙に等身大な彼女の姿だった。不思議に思うのは,容姿だけでなく歌手としての力量が全く落ちていないこと。それはシンガーとしてだけでなくソングライターとしても,無理もせずマンネリにもならず(プロデュースしているのが山下達郎だからかもしれない。この番組でもコメントを寄せていたけど),それでいて不思議に瑞々しさを失わない。彼女のような人は,あたしの知るところ吉永小百合以外思い当たらない。。。考えてみれば小百合さんには子供がいないので,全部総取り。。。のようでもある。不思議だなあ。

Denim(初回限定盤)Denim(初回限定盤)
(2007/05/23)
竹内まりや

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Dancing In The Dark (Bruce Springsteen 1984年)

ボーン・イン・ザ・U.S.A.(紙ジャケット仕様)ボーン・イン・ザ・U.S.A.(紙ジャケット仕様)
(2005/07/20)
ブルース・スプリングスティーン

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Dancing In The Dark(Bruce Springsteen 1984年)

I get up in the evening, and I ain't got nothing to say
俺は夕方に起き出す,でも何も手に入れることはできない
I come home in the morning, I go to bed feeling the same way
俺は明け方過ぎに家に戻り,同じ気分を引きずりながら寝床に就く
I ain't nothing but tired, man I'm just tired and bored with myself
俺はただ疲れているんじゃない。そうとも,俺は自分という存在にいい加減ウンザリしているんだ
Hey there baby, I could use just a little help
だからベイビー,俺にささやかな救いの手を差し出させてくれないか

You can't start a fire, you can't start a fire without a spark
お前の心に火を点けられないのなら,ただの一瞬でも心がときめかないというのなら
This guns for hire even if were just dancing in the dark
たとえ闇の中で踊るようなものだとしても,この俺を使ってみてくれないか

Message keeps getting clearer, radios on and I'm moving round the place
つけっぱなしのラジオからの音がハッキリ分かるようになると,俺は所在無くそのあたりを動き回る
I check myself out in the mirror I wanna change my clothes my hair my face
姿見に映った自分を見ながら俺は思う。この衣装も,この髪型も,この顔も全部変えてしまいたい!と。
Man I ain't getting nowhere just sitting in a dump like this
そうさ,俺はどこへも行けないまま,ここにただ座ったままで年老いていくなんてゴメンだぜ
There's something happening somewhere baby I just know that there is
どこかで何かが始まろうとしているのさ。ベイビー,俺にはそれが分かるんだ

You can't start a fire, you can't start a fire without a spark
お前の心に火を点けられないのなら,ただの一瞬でも心がときめかないというのなら
This guns for hire even if were just dancing in the dark
たとえ闇の中で踊るようなものだとしても,この俺を使ってみてくれないか

You sit around getting older there's a joke here somewhere and it's on me
お前はここで大人しく年老いていくつもりかい,そんな冗談を言う前に俺がいるじゃないか
I'll shake this world off my shoulders come baby this laughs on me
俺が世間をアッと言わせてやるさ,だからついて来いよ。ベイビー,俺を笑ってもいいから

Stay on the streets of this town and they'll be carving you up alright
この町の街角で大人しくしてれば,世間がお前を良くしてくれるとでも言うのかい
They say you got to stay hungry hey baby Im just about starving tonight
世間はお前はひもじい思いをするだけと言うだろう,ベイビー。だけど俺は今夜飢え死にしそうなんだ
I'm dying for some action I'm sick of sitting round here trying to write this book
俺は今,動き出したいんだ。もうこんな所に座って夢の続きを綴っているのに飽き飽きしてるんだ
I need a love reaction come on now baby give me just one look
俺には愛情の反応が必要なんだ,だからベイビー。俺を一瞬見つめたらついて来いよ

You can't start a fire sitting 'round crying over a broken heart
お前の心に火を点けられないのなら,座ったまま破れたハートで泣き濡れ続けるのなら
This gun's for hire even if we're just dancing in the dark
たとえ闇の中で踊るようなものだとしても,この俺を使ってみてくれないか

You can't start a fire worrying about your little world falling apart
お前の心に火を点けられないのなら,お前の小さな世界が引き裂かれたままなのを悩んでいるのなら
This gun's for hire even if we're just dancing in the dark
たとえ闇の中で踊るようなものだとしても,この俺を使ってみてくれないか

Even if we're just dancing in the dark
たとえ闇の中で踊るようなものだとしても
Even if we're just dancing in the dark
たとえ闇の中で踊るようなものだとしても
Even if we're just dancing in the dark
たとえ闇の中で踊るようなものだとしても

Hey baby
さあ,ベイビー


Live/1975-85Live/1975-85
(1997/10/14)
Bruce Springsteen & the E Street Band

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Singlle's Review(23) 「万華鏡」(岩崎宏美 1979年)

10カラット・ダイヤモンド+6(紙ジャケット仕様)10カラット・ダイヤモンド+6(紙ジャケット仕様)
(2007/03/21)
岩崎宏美

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☆ レガシィが登場する前,スバル(富士重工業)のフラッグシップはレオーネと言った。イル・レオーネ,イタリア語でライオンのことであるから,スバルのフラッグシップに相応しい名前だと思う。この車はレガシィ(英語で「伝承」の意)にその栄光を名の通り引き継いだ後,お買い得車を乱発し,その晩節を汚したのが惜しまれる。ただスバル車の二大特徴,水平対抗エンジンと四輪駆動を確立したのがレオーネであり,レガシィの主力車種であるステーションワゴンへの道を拓いたのはレオーネのスウィングバックと呼ばれたハッチバックのシリーズの成功であった。それまでは商用(エステート)バンだけと思われていたこのマーケットにスバルは「ツーリング・ワゴン」というコンセプトを取り入れ,それがレガシィの成功を招くことになる。同時にSUBARUMATICという名前でオートマ車を追加し,このセグメントを確立したのはまさに富士重工業の最大の功績だった。

☆ スバル・レオーネのイメージ曲(多分キャラクターにも使ったのではないか?)に起用された時,岩崎宏美は既に5年のキャリアを持つ中堅歌手に成長していた。彼女の頭上には飛ぶ鳥を落とすピンク・レディーがいたが,前年春のキャンディーズの解散は間違いなく世代交代を要求していた。代わって女王の座を取り戻した山口百恵は俄に身辺がざわつき始めていた。79年はその年にデビューした新人が気の毒なほどの外れ年になってしまい,一方でニュー・ミュージックという看板は,パンクにおけるニューウエイブのようにさまざまなミュージシャンにシーン浮上の機会を与えていた。フォーク系,ポップス系。。。そして東京ロッカーズに至るまで,ミュージシャンの時代が押し寄せてきていた。そんな時に正統派の歌謡曲の歌手はどんな曲を選んで,歌えばよいのか?

☆ 岩崎宏美の場合には,答えは先に出ていたといって良い。かくして知る人ぞ知る(つまりファンだったら誰でも知っている)ディスコ・クイーン路線が始まる。前年の「シンデレラ・ハネムーン」からこの年の「夏に抱かれて」まで一気に開花したこの路線は彼女の歌唱力を改めてアピールする良い機会ではあったが,同じ路線は2年が限界だ。そこで,いよいよディープ・ソウル系へのアプローチとなる。

☆ 楽曲に問題はない。ただ要求される表現力は高い。下手に歌えば,ただの恋人の浮気の歌にしかならない。逆に上手く歌うだけでも山口百恵の表現力と比較されてしまう。こういう時,発射台が高い歌手の方が不利なのは言うまでもない。その辺に折合いをつけながら良く歌い込んでいる。この後,タイアップする車(レオーネ)に合わせて「女優」,「摩天楼」とソウル路線が続く一方で,『ALBUM』シリーズで歌手としての幅を広げ,最終的に「聖母たちのララバイ」に辿り着くのだが,あたし個人としては「万華鏡」が成功しなかったら,ここまでの成功は無かっただろうと思う。別に成功しなくとも,岩崎宏美という歌手は簡単に潰れたりはしないのだが,それにしても「万華鏡」が彼女の頂点だという考えをあたしは変える積りはない。そして曲がり角の1979年を山口百恵が「しなやかに歌って」で締めてまもなく,松田聖子が「抱きしめたい」というコピーと共にショウビズ・シーンに飛び出して来るのである。

PS.曲順のデータを確認するためウィキペディアを見ていたら,例のカットし損なったバックコーラスの件が載っていた。いつの間にか尾ひれ背びれが付いて「オカルト」状態になっていたとは爆笑ものだったが,そうだなあ。初めてバッド・パウエルのレコード(CDですわ。例えば『ジ・アメイジング〜』とか)を聴いた時と同じゾーッ感があったのだろう(再爆)。あたしはシングルで最初に聴いた時からなんだこれ?とは思っていたが,ずっとバックコーラスが付いていたからそれだろうと思い,気にも留めていなかった(苦笑)。

岩崎宏美 ROYAL BOX~スーパー・ライヴ・コレクション~岩崎宏美 ROYAL BOX~スーパー・ライヴ・コレクション~
(2007/12/27)
岩崎宏美

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To Punks

FIGHT OR FLIGHT-WASING(DVD付)FIGHT OR FLIGHT-WASING(DVD付)
(2006/06/21)
THE MODS

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☆ 昔々,まだこの街に「80's Factory」というライブハウスがあった頃,あたし達はそれなりにバイト代を小遣いの足しにするようなビンボー学生だった。少ない金を輸入盤につぎ込むのだから買えるものなど,たかが知れている。まして誰が頼んだわけでもなくニュー・ウエイブからアイドル歌謡までレンジを広げたまま音盤漁りをしているのだから,買えるものなどたかが知れていた。そんな時代にはコンサートに行くと言っても,これまたこいつのコンサートに行くとこれを買う金が無くなりそうだなんて算段をしながら,やりくりをつけていたという始末だった。今から振り返れば,こんなことなど貧乏自慢以外の何でもない。何でもないことが楽しかった時代には,時間だけが有り余っていた。チョッと工夫すれば何とか手に入るものが増えていくごとに,そんな時間は少しずつ消えていった。まったく掌からこぼれ落ちる砂が,砂時計だったと気付くまでは,そういうことを繰り返すのが人生というものらしい。

☆ そんなバイト先でも音楽の話をする連中は自然と寄り集まってくる。同じバイトでも1年,2年とやっていけば,自然と先輩後輩のような人間関係が出来てくる。その中にはバンドをやっているヤツからあたし同様に音楽は聴くだけという者まで千差万別だった。バイトをし始めた頃に「80's Factory」は伝説になり,その最後のステージを務めてモッズは上京していった。だから,この話を聞いたのはそれからさらに数年後ということになる。どっちにしても,もう四半世紀以上昔の話だ。

☆ そいつはアマチュアのロック・バンドで演奏をしていたようだった。ミュージシャン仲間にも当然先輩後輩というものがあって,先輩のかつての悪行なんて話題も出て来ることがあった。誰とかさんは,今は何か格好良いことを言っているけど,昔は悪童(わるそう)で,よく掻払(かっぱら)いとかしていた。。。とかそういう類の話だ。同じような話をザ・バンドの『The Last Waltz』の中でも見たことがある。70年代の売れないミュージシャンは,そんなことをしながら糊口を凌いでいた。どこにでもある話だし,そういう話をしても良いのは,それなりに「立派(メジャー)」になって,かつ時効を過ぎた時というのが通り相場というものらしい。

ラスト・ワルツラスト・ワルツ
(2004/01/21)
ザ・バンド

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☆ 「Two Punks」には,そんな悪童達の原風景がある。その断片は確かにロンドンの街角から拾ってきたものかもしれない。「俺たち」VS「奴等」の構図も古典的だ。しかし「古典的」って何だろう?「近頃の若い者は。。。」という話とどう違うのか?人間はそんな簡単に進化しないものなのか(爆)?まあ,そういうことではないのか。誰もが自分の若さを持て余し,弄(もてあそ)び,そして年齢と共に,その「若さ」に復讐される。復讐されたからと言って逆恨みをしてはいけない。それは鏡に映った自分自身に向かって唾を吐いているだけなのだ。吐くんだったら路面に吐け。それがいやしくも「くず(Punk)」を名乗った自分自身に対するオトシマエではないか。だからあたしは,森山達がずっとこの曲を大事にする限り,彼らも真の「Punks」だと大きな声で証言してあげられるのだ。

テーマ:Musical_Adrift - ジャンル:音楽

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