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強いヴォーカルスタイルの萌芽 ロケンロール落書き帳=1=
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☆ 強いヴォーカルスタイルは,シャウトスタイルとはまた別のものである。フィリーを代表とするスウィート・ソウルのように強くて甘い歌い方もあるが,基本的に甘い(スウィートな)歌い方は,力強さとは両立しない。たぶんそういう歌声の多くがフランク・シナトラに代表される鼻にかかった声になるからだろう。
☆ 強いヴォーカルスタイルは,音圧が強いスタイルが圧倒的に多い。声を楽器として考えた場合,音圧(声量ともいう)は,その楽器のポテンシャルを示している。車に喩えればトルクのようなものだ。これに対してシャウトスタイルでの音域(特に高音域)は馬力にあたる。トルクと馬力が別のものであるように,強いヴォーカルとシャウティなヴォーカルとは全然別物ということになる。
☆ 70年代初めには,強いヴォーカルスタイルは殆どがシャウトスタイルに取って代わられていた。ブリティッシュ・ハード・ロックの系譜を見れば,シャウトスタイル全盛期であることを知らされる。いちいちロバート・プラントだイアン・ギランだと書いた方が分かり良いだろうか?強い音はむしろプログレッシヴ・ロックによって紡がれており,そこでのヴォーカルは比重が高くはなかった。敢えて強いヴォーカル・スタイルに近かったヴォーカリストを挙げれば,フレディ・マーキュリーとポール・ロジャースだけという感じがする。ロジャースはともかく,フレディのシャウトは寡聞にして知らないが,ミック・ジャガーやロジャー・ダルトリーだってシャウトする時はシャウトしているからね(^^;)。
☆ 一方のアメリカン・ロックは伝統的にコーラスワークに強く,グランド・ファンクやゲス・フーのようなハードロック系もシャウトスタイルに近かった。逆に言えば1960年代末にジェフ・ベックとロッド・スチュワートが創り出したハードロック・スタイルがいかにこの音楽に合っていたかともいえる。強いヴォーカルの系譜は従って,シャウトスタイルの亜流として誕生したといえよう。以前,パワー・バラードについて書いたが,パワー・バラードの萌芽をボストン,TOTO,フォリナーに置くのがあたしの見方なので,まさに強いヴォーカリスト達が切り開いてきたといって良いかもしれない。
テーマ:Musical_Adrift - ジャンル:音楽



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