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Editor's Review (1) 『Hotel Calfornia』 (Eagles 1976年)=2=
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☆ イーグルスというグループが持っていた初期のパブリック・イメージは「青春の感傷を描く」というものだった。それは「Desperado」に代表される青年らしさ,甘酸っぱい感傷といった月並みなイメージによって増幅されていた。イーグルス自身は次第にスケールを拡大し「我が愛の至上」「呪われた夜」「いつわりの瞳」と次々にヒットを放ち,西海岸を代表するグループになっていく。
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☆ しかしそれは「トム サトウ氏の論考を読みながら」のレビューの稿で彼に同意したように,それはイーグルスという巨大なひとつのショウビズ装置(システム)ができあがっていく過程になぞらえられるべきだったのかもしれない。
☆ 自らをショウビズというひとつの巨大な装置の中におけるアイコン(もしくは「サブ・システム」)として機能させることは,同時にひとりの人間,ひとりひとりの人間の個性をその装置の中で反映させる(有り体に言えば「パブリック・イメージに押し込める」)ことになっていく。こうして音楽や音楽に載せられたメッセージは「風の中にちぎれていく」。「Hotel Calfornia」がホラー的であるというのなら,その恐怖は「ショウビズ・システム」そのものを意味していると言えよう。
☆ しかし,『Hotel Calfornia』というひとつの作品集で見た時,そのメッセージは,ショウビズというシステムを突き破って,イーグルスのメンバーもまたその成員であるアメリカ合衆国に向けられている。このことは「Hotel Calfornia」が,タイトル曲と「Last Resort」の対で綴じられていることから明白であろう。個に関する閉塞を語るタイトル曲に対してアメリカ合衆国とは何だったのかを問いかける最後の曲との間に,時代の移り変わりや窒息しそうな日常や今終わろうとする世界への餞(はなむけ)や過ぎ去った美しい日々の追憶やもう一度踏み出そうとするものへの暖かい応援が綴られている。これらは全て同じアメリカ合衆国という国に生きるひとりひとりの人間へ向けられたメッセージとして響いてくるのである。
☆ その意味で『Hotel Calfornia』は,この8年後に発表されるBruce Springsteenの『Born In The U.S.A.』と同じく,アメリカ合衆国という国(そこにミュージシャンも一人の市民として住んでいる)に対する問いかけであった。これは単純にこのアルバムが70年代のアメリカン・ロックを代表するとか,ウエスト・コースト・ロックの最高の名盤の一枚といった評価を突き抜けて,現代アメリカ文明の一ページに刻まれる価値のある「問いかけ」であったのである。
=本編終わり=
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テーマ:Review_Premiere - ジャンル:音楽






