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2019-08

【再放送】 「魔女のささやき」(総集編)



2015年3月23日

Live in HollywoodLive in Hollywood
(2012/03/06)
Linda Ronstadt

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☆ 「魔女のささやき(Witchy Woman)」は,1972年6月1日にリリースされたイーグルスのファースト・アルバムからのセカンド・シングルで,彼らにとって初のTop10ヒット(最高位第9位)となった。この「魔女のような女性」がリンダ・ロンシュタット(ロンシュタッドと言う人もいるが,以後この表記に統一したい)だ。そう断言できるのは,この曲の作者であるドン・ヘンリーとバーニー・レドン(バーニー・リードンとも呼ばれるが,レドンに統一したい)らが彼女のアルバムのレコーディングのバック・バンドとして西海岸に呼び寄せられたからだ。

イーグルス・ファーストイーグルス・ファースト
(2005/12/21)
イーグルス

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リンダ・ロンシュタット(紙ジャケット仕様)リンダ・ロンシュタット(紙ジャケット仕様)
(2014/08/27)
リンダ・ロンシュタット

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☆ 魔女というのは,ひとことで言えば「恋多き女」。自分が惚れっぽいのもそうだろうし,無意識過剰なフェロモン芳香剤みたいなもの(なんだか蛾に対する灯のようだが)かもしれない。だけど結果として彼女は魔女というより「うたの神様」の使いだったんだろうなと思う。今日はこの辺にして,最初に掲げたライブのレビューは次回にしよう(苦笑)。

2015年4月8日

☆ このアルバムに関してはアマゾンのレビュアーの人が書いているように,コアなファン以外は買わない方が良いと思う。カセット起こしは言い過ぎだけれど(苦笑),曲がブツ切りでトータルとしてのライブ感が全くない。何だか本人とのインタビュー(勿論そんなものは無いので収録されていないが)の合間にライブで曲を紹介している,そんな感じがする。音源的にもバランスが悪いし,総体的に言ってコレクターズ・アイテム以上の価値はないと思う。

☆ ただ,そんなレビュアー諸氏も認めているのが,この時期がリンダのキャリア上絶頂期と言っていいこと(ちなみに同内容のDVDもあり,アマゾンの該当商品のページにセット(?)リストがあるが,『Mad Love(激愛)』のツアーのもののようだ。どうでもいい話だが,この時代に「激○」が流行っていた。火元は篠山紀信と小学館(「GORO」誌)と思われるが,東洋水産が「激めん」というカップ麺を売り出して,三橋美智也が「サタデー・ナイト・フィーヴァー」風衣装で「激めんでフィーバー・フィーバー」とやって大受けしていた。そんな時に「マッド・ラヴ」なんてタイトルが出てくれば「激愛」もむべなるかなである(爆)。

☆ 前作『Living In The USA』でエルヴィス・コステロの「アリスン」(彼のデビュー作収録)を取り上げ(コステロに散々こき下ろされ)たリンダは,ロックンロール回帰の風潮(ビリー・ジョエルも『グラス・ハウス』を出している)に敏感に反応したのだと思う。ただ元々「歌い上げ型」でエモーション溢れるリンダが,ニュー・ウエイヴっぽい音にトライしてもコステロではないがオーヴァープロデュースになるうらみはあったかなとも思う。

Hurt So Bad



PERSONEL
Dan Dugmore; guitar and pedal steel
Bob Glaub: bass
Russell Kunkel: drums
Peter Asher: percussion & backing vocals
Danny Kortchmar : guitar
Kenny Edwards: banjo, guitar $ backing vocals
Billy Payne: keyboards
Wendy Weldman: backing vocals

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もう泣かない(『Don't Cry Now(ドント・クライ・ナウ)』(1973年9月22日))



☆ 以下はWikipedia英語版『Don't Cry Now』の解説を中心にした。

Don't Cry Now is the fourth solo studio album by Linda Ronstadt and the first of her studio releases for Asylum Records, following six albums recorded for and released on Capitol Records in 1974.
> 『ドント・クライ・ナウ』 はリンダ・ロンシュタットの4枚目のソロアルバムで,それまでの6枚(ストーン・ポニーズ時代とソロ時代各3枚)を発表したキャピトル・レコーズからアサイラム・レコーズに移籍しての第1弾作品である。

It was reissued on Rhino's Flashback Records in 2009 and has never been out of print. It has been certified Gold and has sold approximately 800,000 copies in the United States alone.
> この作品は2009年にライノ・レコーズ系のフラッシュバック・レコーズが再発するまで(米国では)廃盤となっていたが,米国だけで約80万枚を売り上げた作品である。

Background(作品の背景)
The tracks on Don't Cry Now were produced individually, some by John Boylan, who produced Ronstadt's preceding eponymous album; some by singer/songwriter J. D. Souther; and, for the first time in what would ultimately be a long and highly successful professional relationship, by British musician Peter Asher, former member of the '60s rock duo Peter & Gordon. Asher was the head of A&R for Apple Records prior to his move to USA.
> 『ドント・クライ・ナウ』に収録された作品は複数のプロデューサーによって制作されている。そのうちの幾つかは前作『リンダ・ロンシュタット(同名アルバム)』をプロデュースしたジョン・ボイランによるもので,別の部分はシンガー・ソングライターのJ.D.サウザーが手掛けているが,それらを除く作品は60年代のデュオ,ピーターとゴードンで活躍し,その後リンダのプロデュースなどで長きにわたり世界的な成功を収めた英国人ミュージシャンのピーター・アッシャーが初めて手掛けたものである。彼は渡米(後述)するまではアップル・レコーズの筆頭A&Rマンだった。

Love Has No Pride Live ( Eric Kaz / Libby Titus)
★ ABC Concert 1973


☆ ピーター・アッシャーはポール・マッカートニー作品(クレジット上はレノン=マッカートニー)「愛なき世界(A World Without Love)」(1964年2月28日)でデビュー,グループ解散後は前述のとおりアップル・レコーズのA&Rマンとしてアーティスト・マネジメントに携わっていた。彼は当時英国で活動していたジェームス・テイラーがワーナー・ブラザーズと契約し活動の本拠を母国に戻すことになった際に彼のマネージャーとして渡米した(この部分Wikipedia「ピーター&ゴードン」の項より)。

☆ ジェームス・テイラーといえば一時期一緒だったカーリー・サイモンともども70年代米国のシンガー・ソングライター・ムーヴメントの立役者だ(その影響は日本でも五輪真弓,荒井由実と広がっていく)。一方,ピーター・アッシャーと来ればリンダの音楽上の(多分それ「だけ」の)パートナーでそうは言っても公私にわたり彼女を支えたともいえる存在でもある。一方,日本では「You're Only Lolely」の大ヒットのせいかAOR歌手と思われているJ.D.サウザーは,アッシャーと違って(笑)リンダとはつかず離れずの中となる。先ほどの曲のヒット以前,サウザー=リンダの元カレというのは本邦洋楽ファンの間では有名な話だった(苦笑)。

Silver Threads and Golden Needles (Dick Reynolds / Jack Rhodes)


This album contains three songs composed by Souther (Souther and Linda would become romantically involved and he would write several songs for her) one by Randy Newman, a cover of a Neil Young ballad, one originally from the Flying Burrito Brothers, and a version of the Eagles' "Desperado," which the band had released earlier that year.
> このアルバムにはサウザーが作った曲が3曲ある(彼とリンダは恋仲になり,サウザーはリンダのために数曲書いている)。1曲はランディー・ニューマンの作品で,ニール・ヤングのバラード曲も1曲カヴァーしている。その他にはフライング・ブリトー・ブラザーズのオリジナル作品があり,イーグルスの「ならず者」も収録されている。「ならず者」はこの年の春(1973年4月17日)にリリースされたイーグルスのセカンド・アルバムのタイトル曲をカヴァーしたものである。

☆ イーグルスの同名デビューアルバム(1972年6月1日)の2曲目にしてセカンド・シングルとなった曲が「魔女のささやき(Witchy Woman)」(Don Henley / Bernie Leadon Released1972年8月1日:全米最高位9位)で,魔女が誰なのかは言うまでもない(爆)。イーグルスのファンだって彼らが五大湖のあたりから西部を目指したのは誰のせいだったかくらいは知っているだろう。

☆ 「ならず者(Desperado)」(Glenn Frey / Don Henley)はシングル・カットこそなかったが,初期イーグルスのアイコンといえる代表作である。この曲にまつわるエピソードはリンダの歌手としてのキャリアのお終いのところでも出てくるが,それはまた別の話。ドン・ヘンリーの歌唱はいかにも「青春の痛み」を感じさせる繊細さを秘めているが,リンダの歌唱の熱量はそれを遥かに上回り圧倒的とも言える。「Long Long Time」で花開いた「情念の歌姫」リンダ・ロンシュタットはこの歌唱で歌手としてのポジションを明確に得たのだと思う。

Desperado (Glenn Frey / Don Henley)
Live in Berkeley, California. July 18th 1974.


☆ もっともイーグルスと同じでカントリー色の強い歌手と思われていた彼女がアルバムからカットした曲はボニー・レイットのカヴァー「Love Has No Pride」(全米最高位:51位)と「Silver Threads and Golden Needles」(全米最高位:ポップ67位,カントリー20位)だった。アルバム『ドント・クライ・ナウ』の最高位は45位で,それでも彼女のソロアルバムの中では最高位だったのである。


☆ この記事を区切りに遊びに行ってきます。See You!

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長い,長い時(「Long, Long Time」(1970年6月))




☆ 英語版Wikipediaからリンダの軌跡を追う。ストーン・ポニーズから独立した形でソロ活動を始めるリンダだったが,1969年3月に初のソロアルバム『Hand Sown ... Home Grown』を発表する。タイトルの通りA①~⑥が "Hand Sown" サイドでB⑦~⑪が "Home Grown" サイドとなる。このアルバムは完全な不発で次の『Silk Purse』が発売されるまで売上げは1万枚に届かなかったという。

☆ 『Silk Purse』に至る過程に興味深いことが書いてあった。

> Ronstadt's second solo album, Silk Purse, was released in March 1970. Recorded entirely in Nashville, it was produced by Elliot Mazer, whom Ronstadt chose on the advice of Janis Joplin, who had worked with him on her Cheap Thrills album.
> ロンシュタットのセカンド・ソロ・アルバム『シルク・パース』は1970年3月にリリースされている。このアルバムはエリオット・メイザーのプロデュースの元,ナッシュビルでレコーディングされているが,ロンシュタットにアドバイスしたのは彼女が『チープ・スリル』のアルバム制作に加わった縁のあったジャニス・ジョップリンだったという。

☆ ブルーズに葬られた女王,ジャニスがリンダの歌手としての才能はカントリー・ベースにあることを見抜き本場のナッシュビルでのレコーディングを勧めたというのであれば,これはなかなかの美談である。またリンダのベースがL.A.でジャニスはサン・フランシスコをベースにしていたことを思えば西海岸のシーンが独立していたのではなく相互に影響を与え合っていたことがわかる。



☆ 彼女にとっては満足のゆく出来ではなかったらしいこのアルバムからヒットらしいヒットが生まれたのは皮肉かもしれない。リンダはこの時期ボブ・ディランやジャクソン・ブラウンなどの作品を歌っており,いま改めて聴いてもさほど悪い出来ではなかったのが,彼女の時は3枚目のソロアルバム『Linda Ronstadt』(1972年1月)でもまだ来なかった。結局リンダはキャピトルからアサイラムに移籍し,そこで決定的な出会いをするのである。

Long, Long Time (Gary White)


☆ 1970年にヒットしたこの曲は1976年に発売された彼女の『Greatest Hits』の中でも「古めかしく」聴こえていた曲だが,この曲の歌唱でリンダは「情熱をこめて歌い上げる」という彼女の「歌い方」を完成させていると思う。
最高位
全米:25位(ビルボード),26位(キャッシュボックス)
全加:15位


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ジョジョの街から来た女(The Stone Poneys「Different Drum(悲しきロックビート)」 (1967年9月)




☆ 荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」は,ぼくがまだ週刊少年ジャンプを毎週どこかで(そのほとんど全部が喫茶店)読んでいた頃から連載が始まり,気が付いたらレジェンド的作品になっていた。ジョジョといえばビートルズの「ゲット・バック」で,このシングルがリリースされる(1969年4月11日)数年前にジョジョと同じ足取りでアリゾナ州ツーソンから一人の少女がカリフォルニア(ロサンゼルス)にやって来た。20世紀後半の全米ポピュラー音楽界の歌姫のひとりであるリンダ・ロンシュタットである。

☆ ドイツ語で街を意味する言葉にStadt(シュタット)という言葉があるが,Wikipediaの記載を見ると「父方の曾祖父がドイツからの移民」とある。その割にはゲルマン系の顔をしていないのだが,その理由も「曾祖父はメキシコ人と結婚」したからで,Wikipediaはさらに父親が歌手の経験があり,子供たちに幅広く様々な音楽を聴かせたこと,母親も「ギルバート&サリバン(アーサー・サリヴァンとウィリアム・S・ギルバート)の大ファン」で,「リンダもラジオから流れる50~60年代のヒット曲に親しむ」と続いている。

☆ 子供の頃の音楽的経験がキャリアを作るうえでの素養となることは間違いなく,「音楽的背景としてペギー・リーやビリー・ホリデイ、サラ・ヴォーンなどの女性ジャズシンガーが挙げられ、最も影響を受けた歌手としてはメキシコのランチェーラ歌手・ローラ・ベルトランを挙げている」の記述からは彼女が後年スペイン語のアルバムやネルソン・リドルと組んだスタンダード・ジャズ3部作に取り組んだ背景も良く分かってくる。ちなみにギルバート・オ’サリバン(「アローン・アゲイン」「クレア」で有名な英国人歌手)の芸名はギルバート&サリバンから来ている(英国人はこういう芸名の付け方が好きなようで,同時期にデビューしたエルトン・ジョンもこのパターンである)。

☆ そんなリンダがヒッピー文化真っ盛りのロサンゼルスやサンフランシスコにやって来て出会った一人にケニー・エドワーズがいる。この二人と彼女をL.A.に誘ったボビー・キンメルが作ったバンドがストーン・ポニーズ(The Stone Poneys)だった。バンドは66年にキャピトル・レコードと契約し同名アルバムを出すがヒットには至らなかった。めげることなく(☜日本盤のディスクレビューによくある表現を流用)翌67年6月にセカンドアルバム『Evergreen, Volume 2』をリリースする。そこからシングルカットした「Different Drum(悲しきロックビート)」 が彼女のキャリア上の初ヒット(全米最高位 キャッシュボックス:12位,ビルボード:13位、ニュージーランド:第5位,豪州:第9位,カナダ:第18位)となる。

Different Drum (Mike Nesmith)
1967年頃のライブ(21歳頃のリンダ・ロンシュタット!)


☆ しかしストーン・ポニーズはカントリー・ロックの色合いが濃いが,リンダは些かふっくらしている感じがする(ストーン・ポニーズのファーストアルバムのジャケットなんかもね)。このパフォーマンスを見れば一目で分かるように,ストーン・ポニーズはリンダのためのバンドになっており,68年に出たサード・アルバムはタイトルからして『Linda Ronstadt, Stone Poneys and Friends, Vol. III』になっている。このような経緯で彼女はソロデビュー『Hand Sown ... Home Grown』(1969年3月)に繋がっていくのだが,ケニー・エドワーズはリンダを巡る最重要人物(ミュージシャン編=爆=)のひとりとなっていく。


☆ むかしリンダのファミリーネームは「ロンシュタット」ではなく「ロンシュタッ」だと言い張る人とネットで話をして,内心閉口したことがある。当時からドイツ語なんだけどなあと思っていたのだが,今回それが確認できてよかったよかった。

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deaconblue

Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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