2018-02

「The Queen Is Dead」 (ザ・スミス 1986年6月16日=アルバムリリース)




初出:2007年8月29日

The Queen Is Dead (Morrissey / Johnny Marr)


(Take me back to dear old Blighty)
(A.J. Mills / Fred Godfrey / Bennett Scott)
Oh ! Take me back to dear old Blighty,
おお,私を偉大なこの祖国に帰したまえ。
Put me on the train for London Town,
わたしを大ロンドンへ戻る列車に乗せたまえ。
Take me anywhere,
どこからでも拾い上げ
Drop me anywhere,
どこにでも戻したまえ。
Liverpool, Leeds or Birmingham
リヴァプールでもリーズでもバーミンガムでも 。
But I don't care,
だが私は気にしない。
I should like to see my ...
私が...

I don't bless them
あたしにはそんなこと祝福できないわ。

Farewell to this land's cheerless marshes
この陰鬱な沼地にさようなら。
Hemmed in like a boar between arches
去勢された雄豚のようにアーチのなかに閉じ込められて,
Her very Lowness with a head in a sling
彼女はまるで頭を三角巾で吊るしているように落ち込んでいる。
I'm truly sorry - but it sounds like a wonderful thing
まったく難儀なことで - でもなんだか素敵なことのように響くのはなぜ。。。

I said Charles, don't you ever crave
あたしは言ったの「チャールズや,そんなに出したいのかい。
To appear on the front of the Daily Mail
デイリー・メールの一面トップにその写真をでかでかと,
Dressed in your Mother's bridal veil ?
あなたのお袋様の結婚式のベール姿で。。。
Oh ...
ああ...なんて姿。

And so, I checked all the registered historical facts
そしてそう,あたしはすぐ調べたわよ。似たような歴史的事実がどこかに載っていないかって。
And I was shocked into shame to discover
あたしはそれがあったのを見つけて,ビックリして恥ずかしさで真っ赤になったの。
How I'm the 18th pale descendant
あたしったら18世紀の何だか知らないけど遠い親戚の末裔に名前が載っているのよ!
Of some old queen or other
同じくらい古い女王様(エリザベス1世)だかなんだかの。

Oh, has the world changed, or have I changed ?
ああ,世の中が変わってしまったの?それとも変わったのはあたし?
Oh has the world changed, or have I changed ?
世の中とあたしのどちらが変わってしまったの?
Some 9-year old tough who peddles drugs
9歳児が立派にも薬の売人をやっている国なんて,
I swear to God
あたしは神かけて誓うわ。
I swear : I never even knew what drugs were
神かけて誓う:あたしが9歳の頃には,そんな薬があったことも知りませんでした。
Oh ...
なんなの...

So, I broke into the palace
だからあたしは心を決して宮殿に忍び入ったの。
With a sponge and a rusty spanner
その辺にあったスポンジと錆びついたスパナを握り締めて。
She said : "Eh, I know you, and you cannot sing"
女王はおっしゃいました「あら,わたくしは貴方のことを知っておりますわよ。貴方がマトモに歌えないことも一緒にね。」
I said : "That's nothing - you should hear me play piano"
あたしは申し上げたの。「陛下,そんなことにはお構いなく,あたしの弾くピアノをお聴きになって」

We can go for a walk where it's quiet and dry
それからあたし達は少しだけ散歩をしたの。外は静まり返っていて,足もとは乾いていたわ。
And talk about precious things
そしてあたし達はちょっとした高貴な会話を楽しんだの。
But when you're tied to your Mother's apron
でも貴方がお母様の膝掛けを結ぶ時分には,
No-one talks about castration
だれも去勢された件については語らなかったわね。
Oh ...
まあ...

We can go for a walk where it's quiet and dry
それからあたし達は少しだけ散歩をしたの。外は静まり返っていて,足もとは乾いていたわ。
And talk about precious things
そしてあたし達はちょっとした高貴な会話を楽しんだの。
Like love and law and poverty
愛や法や貧困についての高貴な話だったわ。
Oh, these are the things that kill me
ああ,その事実だけでもあたしの魂は奪われてしまいそう。

We can go for a walk where it's quiet and dry
それからあたし達は少しだけ散歩をしたの。外は静まり返っていて,足もとは乾いていたわ。
And talk about precious things
そしてあたし達はちょっとした高貴な会話を楽しんだの。
But the rain that flattens my hair ...
だけど,あの嫌な雨があたしの髪の毛にかかって,あたしの気分を萎えさせたけれど,
Oh, these are the things that kill me
ああ,それまでの出来事はあたしの魂を奪ってしまったわ。
All their lies about make-up and long hair, are still there
メイクアップや長い髪についてのウソ偽りは,まだその辺に残っているでしょ。

Past the Pub who saps your body
パブで精力を使いきって,
And the church who'll snatch your money
教会に行けば有り金合切召し上がられて。
The Queen is dead, boys
女王は死んでいるのよ,テッドの坊や達。
And it's so lonely on a limb
孤独でのっぴきならない状態なの。

Past the Pub that wrecks your body
パブで身体を駄目にして,
And the church - all they want is your money
あんたのお金だけが目当ての教会にいそいそと出掛けるなんて 。
The Queen is dead, boys
テッドの坊や達,あの女王は死んだも同然よ。
And it's so lonely on a limb
孤独でのっぴきならないのは,皆同じなのよ。

Life is very long, when you're lonely
孤独を感じるほど,人生は長すぎるの。
Life is very long, when you're lonely
孤独な人生は,長すぎるの。
Life is very long, when you're lonely
孤独者には,人生は長すぎるの。
Life is very long, when you're lonely
あたしにもおまえ達にもあの女王にも,この人生は長すぎるのよ。

2018年2月16日付記
☆ エリザベス2世(Elizabeth Alexandra Mary)は1926年4月21日に生まれ,25歳の1952年2月6日に即位した。それから34年後の1986年にザ・スミスはこの傑作をナパーム弾のように大英帝国に炸裂させた。それからさらに6年を経た1992年11月24日にギルドホールで開催された戴冠40周年のスピーチにおいてその年(1992年)を「ひどい年(annus horribilis)」と称した。2018年はその「ひどい年」から四半世紀以上を経ている。

☆ 『ザ・クイーン・イズ・デッド』が10年前の『ホテル・カリフォルニア』とは違う意味でその国のその時代を表現し尽した曲であることは言を俟たない。それは『ホテル・カリフォルニア』のスター・システムの監獄が「ハウス・オブ・カード」の虚業を示すように,『ザ・クイーン・イズ・デッド』の無力な怒りの告発は権威というものが示すものに対する底無しの憎悪を,どれほど攻撃的かつ美しく描き切れるかという闘いの記録でもある。
スポンサーサイト

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

僕の彼女を紹介します(どこの映画の題名寸借じゃ!)内容変更あり




Breakfast In America (Richard Davies / Roger Hodgson)
Supertramp Breakfast in America live en paris 1979 HD


Take a look at my girlfriend
ぼくの彼女を紹介します
She's the only one I got
かけがえのないたった一人の彼女だよ
Not much of a girlfriend
大した話じゃないかもしれないけど
Never seem to get a lot
ぼくには得難いことなのさ

Take a jumbo across the water
ジャンボジェットに乗って大西洋を一っ飛び
Like to see America
アメリカさんを見に行くために
See the girls in California
カリフォルニアの素敵な女の子達を見てみなよ
I'm hoping it's going to come true
こんなお嬢さんたちとお近づきになりたくってたまらないね
But there's not a lot I can do
だけどぼくに出来ることなんて,ほとんど有りはしないのさ

Could we have kippers for breakfast
ニシンの燻製(キッパー)を朝食に出してもらえたら
Mummy dear, Mummy dear
ねえホントに,お願いだから
They got to have 'em in Texas
テキサスだったらいっぱい手に入るんだろ,それ
Cos everyone's a millionaire
だから皆んな百万長者になっちゃうんだ

I'm a winner, I'm a sinner
ぼくは勝者で,とんだ罪作り
Do you want my autograph
ここに署名して欲しいんだろ
I'm a loser, what a joker
ぼくは負け犬,とんだ道化者
I'm playing my jokes upon you
いつだってきみのことを弄(いじ)り倒してるのさ
While there's nothing better to do
他にすることが何もない時にはね

.....

Don't you look at my girlfriend  (Girlfriend),
ぼくの彼女を紹介されたくないのかい (彼女ねえ...)
She's the only one I got
かけがえのない,たったひとりのさ
Not much of a girlfriend (Girlfriend),
大した話じゃないかもしれないけど (彼女ねえ...)
Never seem to get a lot  (What's she got? Not a lot)
ぼくには得難いことなのさ
(彼女がどうしたって? それも大したこっちゃないんだろ)

Take a jumbo across the water
ジャンボジェットに乗って大西洋を一っ飛び
Like to see America
アメリカさんを見に行くために
See the girls in California
カリフォルニアの素敵な女の子達を見てみなよ
I'm hoping it's going to come true
こんなお嬢さんたちとお近づきになりたくってたまらないね
But there's not a lot I can do
だけどぼくに出来ることなんて,ほとんど有りはしないのさ

.....

☆ 「Breakfast In America」(1979年6月)は同名アルバム(1979年3月29日)からのセカンド・シングルとしてカットされた。全米ではファースト・シングルだった「ロジカル・ソング(The Logical Song 1979年3月)」ほどのヒットでなかったが(ビルボード最高位:62位(ちなみに「ロジカル・ソング」は6位(キャッシュボックスは4位))),英国では最高位9位とヒットした。Wikipedia(英語版)には記載がないが,本邦では日立の(どの製品か忘れたけど)CMタイアップがあって「かなり」ヒットした。ちなみにこのシングルに関する英語版Wikipediaにはこんな解説がある。

> The lyrics tell about a person who has never been to the United States, and fantasizes about it.
> 歌詩はアメリカに行ったことがないくせに,そのこと(アメリカ行き)を夢見ている人物について歌われている。

なるほど。

PERSONNEL
Roger Hodgson: piano, lead vocals, harmonium, electric guitar
Rick Davies: harpsichord, backing vocals
John Helliwell: clarinet, backing vocals
Dougie Thomson: bass
Bob Siebenberg: drums
Slyde Hyde: trombone, tuba

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

ぼくの話を聞いてくれないか(「Girl」 The Beatles 1965年12月3日=アルバムリリース)


ラバー・ソウルラバー・ソウル
2,700円
Amazon



☆ このアルバムの日本語タイトルはほんの少しだけひねりがある。革底靴だから「ラバーソール」と書けば良いものをわざと「ラバー・ソウル」と書いて,発音的には別物の"Lover"や"Soul"と引っ掛けている。もちろん長いこと引っかかったクチで(自爆)「そんな俺様が釣られクマー」であったことは恥ずかしながら認めざるを得ない(再爆)。

Girl (Lennon–McCartney)


Is there anybody going to listen to my story
誰かぼくの話を聞いてくれないか
All about the girl who came to stay?
むかし一緒にいた女の子の話なんだ
She's the kind of girl you want so much it makes you sorry
その娘(こ)は君だって一緒に居たいと思った結果,残念なことになるようなタイプで
Still, you don't regret a single day
それでも彼女と一緒にいた日々を一日だって後悔させないような娘なんだ

Ah, girl, girl, girl
ああ,ガール...

When I think of all the times I tried so hard to leave her
あの幸せな日々を思うたび,ぼくはどうにかして彼女の思い出から離れようとするのだけれど
She will turn to me and start to cry
彼女がもしかしたら戻ってくるんじゃないかと思うと,思わず泣けてくるんだ
And she promises the earth to me and I believe her
だけど彼女はできそうもないことをぼくに約束して,ぼくはそれを信じるしかなくて
After all this time I don't know why
今ごろになっても,ぼくには何故なのか分からないままなんだ

Ah, girl, girl, girl
ああ,ガール...

She's the kind of girl who puts you down
彼女は君をこき下ろすことができるタイプの娘さ
When friends are there,
たとえ友だちの前だったとしてもね
You feel a fool
君は自分が愚か者のように感じるだろう
When you say she's looking good
彼女が「その服,あなたに似合ってるわ」なんて言ったとしても
She acts as if it's understood.
彼女はそれがあたかも当然のことのように振舞うのさ
She's cool, ooh, ooh, ooh
彼女は格好良すぎる,ホントに...

Ah, girl, girl, girl
ああ,ガール...

Was she told when she was young that pain would lead to pleasure?
彼女はもっと若かった頃に「痛みは喜びにつながる」と誰に言われたのだろう?
Did she understand it when they said
その言葉の意味をその時の彼女は本当に理解したのだろうか
That a man must break his back to earn his day of leisure?
人は休息の日のために懸命に努力するという言葉を聞いた時
Will she still believe it when he's dead?
彼女は彼が死んでもなお,その言葉を信じているのだろうか?

Ah, girl, girl, girl
ああ,ガール...

☆ ジョンの歌い方には「奔放な女の子と振り回されっぱなしの主人公のため息」がきこえるが,ビートルズの曲の中ではもっともフォークっぽく聞こえるこの曲からは,片想いの彼岸と此岸の絶望的な距離を感じるところもある。

☆ こういう「気持ちのすれ違い」は,例えばケニー・ロギンスとマイケル・マクドナルドの曲「What a Fool Believes」なんかを思い起こさせるのだが,70年代の曲が明らかに破綻してしまったカップルのその後を描いているのに対し,この曲では「そういう物語の入り口にすら届いていない」主人公の憂鬱を感じてしまうのである。

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

こんにちは⇔さよなら (「Hello, Goodbye」(The Beatles 1967年11月27日)


220px-HelloGoodbyeUS.jpg

Hello, Goodbye (Lennon–McCartney)


You say yes, I say no,
きみは応と言い,ぼくは否と言う
You say stop, and I say go, go, go,
きみは止まれと言い,でもぼくは言う 進め,進め,進め
Oh no.
ああまあ
You say goodbye and I say hello, hello, hello,
きみがさよならと言えば,ぼくはこんにちはと言う,やあやあ
I don't know why you say goodbye, I say hello, hello, hello,
だってぼくは分からないから. なぜきみはさよならを言うの
ぼくはこんにちはを言うよ,やあやあ
I don't know why you say goodbye, I say hello.
だってぼくは分からないから. なぜきみはさよならを言うの
ぼくはこんにちはと言うよ

I say high, you say low,
ぼくはイイ感じと言い,きみはサイテーとこたえる
You say why, and I say I don't know.
きみはどうしてって訊くけど,そんなことぼくにも分かんないよ
Oh no.
ああまあ
You say goodbye and I say hello, hello, hello.
I don't know why you say goodbye, I say hello, hello, hello,
I don't know why you say goodbye, I say hello.

Why, why, why, why, why, why,
いったいどうしてなのかい
Do you say goodbye.
きみはさよならって言おうとするの
Oh no.
ああまあ
You say goodbye and I say hello, hello, hello.
I don't know why you say goodbye, I say hello, hello, hello,
I don't know why you say goodbye, I say hello.

You say yes, I say no,
You say stop and I say go, go, go.
Oh, oh no.
You say goodbye and I say hello, hello, hello.
I don't know why you say goodbye, I say hello, hello, hello,
I don't know why you say goodbye, I say hello, hello, hello,
I don't know why you say goodbye, I say hello, hello, hello,

Heyla heba helloa
Heyla heba helloa
Heyla heba helloa

☆ 1967年のビートルズのシングルは3枚「Strawberry Fields Forever/Penny Lane」(2月13日)、「All You Need Is Love(愛こそはすべて)/Baby, You're a Rich Man」(7月7日)、(「Hello, Goodbye/I Am the Walrus」(11月27日)。そして次の「Lady Madonna/The Inner Light」が68年初の作品(3月15日)となる。この間の5月26日に『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』が出ていて,この年がビートルズの頂点の年だったろうなあとは40年経った後のしみじみとした感想である。だからという訳でもないだろうが,PVの4人はサージェント・ペパーズの衣装を着ている。

☆ この年からのシングル4枚を見ると,前半の2曲はジョンが書き,この曲と68年の「レディ・マドンナ」はポールが書いている。ぼく達はビートルズがこの後どういう経過を辿って70年に至ったかをそれなりに知っているので,この曲を一種の分水嶺と見ることもできるし,そういう視点から見てしまうと歌詩じたいにも含むところを感じてしまう。その見立て自体は後付けであり,あまり意味のあることとは思わないが,意味が無いなりに感慨を覚えてしまう部分もあるのだ。



☆ その昔,ラジオに中学生向けの学習番組があった。ちゃんとテキストもあって1日30分(それなりに予習したうえで)テキストを開いてラジオを聞いていれば(実際にはラジカセで録音してもらったものを塾から帰った後に聞いてることも多かった)それなりに勉強になった。講師は都立高校とかの先生で(今考えると役所に兼職の届け出なんかもしていたんだろう),ゆっくり目の話し方で分かりやすくためになった。とまあ45年くらい前には「ラジオで勉強する時代」もあったのだ(もっとも,そうやって親から仕入れたラジオ(カセット)は,やがて貴重な情報源兼遊び友達と化していくのだが=自爆=)。

☆ その番組(英語)の教材にビートルズのこの曲があった。曲がリリースされて5年少しで教育番組に使おうという先生や放送局のセンスは今でも凄いと思うが(こういう強(したた)かな志が無くなっていったのがこの国の教育じゃないのかなとも思ってしまう),確かにシンプルな英語である(もっともhighとlowの "深読み" なんて「生徒」は勿論,「先生」の方も全く気付かなかっただろうとは思うが)。でも吉田拓郎の歌ではないが,確かにぼく(やこのラジオ放送を聞いていた生徒達)にとっては「ビートルズが教えてくれた」英語であったのだ。ちなみに拓郎のその歌には「女王陛下(Her Marjesty)」が出てくるのは,彼らもまた『アビー・ロード』を最後までキチンと聴いていたことの証明になるだろうと思う(笑)。

PERSONNEL
The Beatles
Paul McCartney – double-tracked lead vocal, backing vocal, piano, bass, bongos, conga
John Lennon – backing vocal, lead guitar, Hammond organ
George Harrison – backing vocal, lead guitar
Ringo Starr – drums, maracas, tambourine, backing vocal (over coda)

Additional musicians and production
Kenneth Essex – viola
Leo Birnbaum – viola
George Martin – producer
Geoff Emerick – sound engineer
Ken Scott – sound engineer

最高位
No.1:米(ビルボード、キャッシュボックス)、英、豪、加、蘭、仏、ノルウェー、西独
第2位:墺、ベルギー、アイルランド、スイス、 

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

「Please Come Home For Christmas(ふたりだけのクリスマス)」 (Eagles covered 1978年11月27日)




☆ Wikipedia(英語版)でこの曲を見る。「Please Come Home For Christmas」はアメリカのブルーズ・シンガーでピアニストでもあるチャールズ・ブラウンが1960年に発表した作品で,翌61年の12月にチャート入りした。ブラウンがジーン・レッドと共作したヴァージョンは1962年に最高位76位となったのを皮切りにクリスマスシーズンに9度チャート入りし,72年にはNo.1になっている(と書いてあるが疑問がある。ビルボードはクリスマス・ソングをチャート(Hot100)に入れない決まりが90年代頃まであったような記憶がある)。

☆ イーグルスのヴァージョンが出たのは1978年のことで,『ホテル・カリフォルニア』の余韻も醒め,「新曲はまだか」的な雰囲気が「ポパイ」や「ホット・ドッグ・プレス」に煽られた「にわかカリフォルニア(西海岸)ブーム」が花盛りの本邦に満ち溢れていた頃にこの知らせが届いた。この選曲はドン・ヘンリ-の好みだったのかなあと思われる。いかにも彼の好きそうなブルージーなロッカ・バラードに仕上がっているからだ。

☆ で「イーグルスの新曲買ったぞ」と自慢したいために洋盤屋に並んで(日本盤シングルが600円の頃に)500円くらいのお金を出してシングルを買い,A面に満足してB面でズッコケるというのが,このシングルの当時の正しい楽しみ方だったと思われる(爆)。B面の「Funky New Year」はナイアガラのノベルティものが大好きなヒト以外,あまり楽しみようもない「お遊び」曲だったから(再爆)。

Please Come Home For Christmas
(Charles Brown / Gene Redd)
Millennium Tour Las Vegas 1999/12/29


Bells will be ringing this sad sad news
この悲しい知らせの向こうで華やかに鐘の音が鳴り響く
Oh what a christmas to have the blues
こんな辛い気持ちになるなんて,なんてクリスマスになってしまったんだ
My baby's gone
あの娘は行ってしまった
I have no friends to wish me greetings once again
取り残されたぼくにはふたたびのお祝い状を一緒に待つ友達すらいない
Choirs will be singing (ooh...) silent night
そして聖歌が歌われる,きよしこの夜と
Christmas carols (ooh...) by candlelight
ろうそくの灯のもとで,クリスマスの聖歌たちが歌われるとき
Please come home for christmas
どうかきみにクリスマスを祝うために戻ってきてほしいのだ
Please come home for christmas
ふたりだけのクリスマスを祝うために
If not for christmas by new year's night
クリスマスがだめならば大みそかの夜までには

Friends and relations send salutations
友達や近所の人達が挨拶を交わし合い
Sure as the stars shine above
空には幾つもの星が輝いている
But this is christmas yeah christmas my dear
だけど,今日はクリスマスなのに,ねえクリスマスだっていうのに
The time of year to be with the one you love
一年の中で最も心を寄せる人と一緒に過ごすべき時だというのに

So won't you tell me (ooh...) you'll never more roam
だからぼくに伝えてくれないか,もうこれ以上離れて生きていかないと
Christmas and new years (ooh...) will find you home
クリスマスと新年を迎える家の中には,君の姿があって欲しいのだ
There'll be no more sorrow no grief and pain
これ以上,悲しみや苦しみや痛みを感じていたくない
And I'll be happy christmas once again
そしてぼくはこの手にもう一度倖せなクリスマスを取り戻したいのだ

(Guitar Solo)

Ooh there'll be no more sorrow no grief and pain
And I'll be happy christmas once again

☆ ところで,この邦題は捻っていると思う。イーグルスのラブソングだから歌詩の意味も取らずに「ふたりだけのクリスマス」と名付けたと思ってはいけない(笑)。雪の降らないカリフォルニアの少年が東海岸や西欧のクリスマスを夢見る曲のタイトルが「ホワイト・クリスマス」だったことを思い出すべきだ。このタイトルは逆説なのだある。去って行った恋人に戻って来て二人だけでクリスマスと新年を祝おうよという未練たっぷりの曲だと書いたら元も子もなくなる(爆)。クリスマスのセンチ(メンタル)なムードに感傷を加えてブルージーに歌っているので,70年代のユーミンを皮切りとする「クリスマスのトーチ(💔)ソングとは一線を画している。昔のヒトはかように奥ゆかしかったのである。

NOTES
最高位 蘭:5位,スウェーデン:15位,全米:18位(ビルボードHot100、なお1995年のアダルト・コンテンポラリーで15位の記録もある),ベルギー:19位,ニュージーランド:28位,全英:30位

Please Come Home For Christmas- Don Henley, Clint Black, & Lyle Lovett
Bass Hall 11/28/2017


テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

«  | HOME |  »

プロフィール

deaconblue

Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

最近の記事

最近のコメント

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログランキング

FC2ブログランキング

カレンダー

01 | 2018/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 - - -

カテゴリー

月別アーカイブ

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

最近のエントリ

最近のトラックバック