2017-09

The Doors 「Light My Fire(ハートに火をつけて)」 (ドアーズ 1967年4月24日)


初出:2006年9月23日



Light My Fire
(Jim Morrison, Robbie Krieger, John Densmore, Ray Manzarek)


You know that it would be untrue
嘘だと思っているんろ
You know that I would be a liar
ぼくが騙していると思っているんだろ
If I was to say to you
もし君にこう告げたら
Girl, we couldn't get much higher
もっともっと,気持ち良くなれる

Come on, baby, light my fire,
こっちに来て,ぼくを燃やしてくれ
Come on, baby, light my fire,
こっちに来て,ぼくを燃やしてくれ
try to set the night on fire.
この夜を,愛の炎の中に投げ込んでくれ

The time to hesitate is through,
ためらっていないで
no time to wallow in the mire,
ぬかるみに足を取られないで
try now we can only loose,
今、お互いの心を解き放たなければ
and our love become a funeral pyre.
ぼく達の愛なんて,あっという間に終わってしまう

Come on, baby, light my fire,
こっちに来て,ぼくを燃やしてくれ
Come on, baby, light my fire,
こっちに来て,ぼくを燃やしてくれ
try to set the night on fire.
この夜を,愛の炎の中に投げ込んでくれ

The time to hesitate is through,
ためらっていないで
no time to wallow in the mire,
ぬかるみに足を取られないで
try now we can only loose,
今、お互いの心を解き放たなければ
and our love become a funeral pyre.
ぼく達の愛なんて,あっという間に終わってしまう

Come on, baby, light my fire,
こっちに来て,ぼくを燃やしてくれ
Come on, baby, light my fire,
こっちに来て,ぼくを燃やしてくれ
try to set the night on fire.
この夜を、愛の炎の中に投げ込んでくれ

You know that it would be untrue
嘘だと思っているんろ
You know that I would be a liar
ぼくが騙していると思っているんだろ
If I was to say to you
もし君にこう告げたら
Girl, we couldn't get much higher
もっともっと,気持ち良くなれる

Come on, baby, light my fire,
こっちに来て,ぼくを燃やしてくれ
Come on, baby, light my fire,
こっちに来て,ぼくを燃やしてくれ
try to set the night on fire... × 4
この夜を、愛の炎の中に投げ込んでくれ


(訳者メモ)
☆ Ed Sullivan Show(エド・サリヴァン・ショー)に出演した時、Jim Morrisonが歌詞の「higher」(大麻などによる精神の高揚を意味する隠語として70年代まで嫌われていた)を、敢えて歌ったという有名なエピソードは、後年オリバー・ストーンが映画『DOORS』でも描いている。この映画にも例の如く賛否両論あるけれど、少なくともこの曲の誕生についてのエピソードが活写されているところは良いと思う。

↓ オリバー・ストーン監督作品『ドアーズ』



☆ 歌詞を見てもらえばよくわかるが、韻の踏み方がきれいだ。「liar」と「higher」、「mire(マイヤー)」と「pyre(パイヤー)」。この言葉を発する時のJimのヴォーカルも蠱惑(こわく)的で、「higher」が邪推と関係無く、彼の美的センスからもとても譲れなかったのは、思うに当然のことだったのだろう。

2017年9月11日付記
☆ ぼくは画家のいない「神ってる」という昨今の流行語が嫌いなのだが(笑),確かにこの曲でのドアーズの4人(プラス1人は下のPERSONEL参照)は,このチープな流行語を意外にリアルな存在として感じさせるものがあると思う。要するに言葉の本来的な意味で「神懸っている」のである。

☆ この曲,正確には曲のイントロに「引きずり込まれた」のは,曲が実際にヒットしていた大昔かもしれない。それくらいこの曲は「一発で耳に付いた」。それはなんだか呪術的(その頃はそんな言葉は知らなかったが)で,どこか恐ろしくもあり,それ以上に魅力的でもあった。この曲に関しては全くこう言わざるを得ない「好きになるのに理由がいるか?」

☆ 知覚の扉には近づいたことも無い凡人のぼくでも,この曲からは日常は感じられない。歌詩を見れば日常のことを歌っているのに,曲と演奏がそれ(日常に塗れること)を拒んでいる。のんびりした言い方をすれば浮世離れしているのであり,もう少しリアルに言えば鬼気迫るであり,ぶっちゃけ言えばラリってるとしか言いようがないのだ(笑)。

☆ 麻薬(合成麻薬)はしかし,この曲の中では触媒(カタリスト)に過ぎない。この曲が示しているものはその幻影の表皮を剥いだ生々しい肉であり,感情や情念であり,関係性であるのだと思う。ここまでぶつけ合うことをすれば,(麻薬の力があろうがなかろうが)人間はどこかで壊れてしまうであろう。それはジム・モリソンというひとりの人間にも言えたことではなかったのかと思うのだ。

PERSONEL
Jim Morrison – lead vocals
Ray Manzarek – Vox Continental combo organ, keyboard bass
Robby Krieger – Gibson SG electric guitar
John Densmore – drums
Session musician Larry Knechtel – bass guitar, credited by Robby Krieger



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「Nowhere Man」 (The Beatles 1966年2月21日)




Nowhere Man (Lennon–McCartney)



He's a real nowhere man
あるところに除(の)け者がいた
Sitting in his nowhere land
誰も寄り付かない場所でじっと座っている
Making all his nowhere plans for nobody
誰に話すこともできない,たったひとりの地獄を抱え込んで

Doesn't have a point of view
どんな見解も持てないまま
Knows not where he's going to
この先どうやって生きていくかの目処(めど)もない
Isn't he a bit like you and me?
でも彼はきみやぼくとはちっとも似てない異邦人なんだろうか?

Nowhere Man, please listen
除け者の君へ,耳を傾けてくれないか
You don't know what you're missing
君は自分が見失いつつあるものに気付いているだろうか
Nowhere Man, the world is at your command
除け者の君は,世の中がじぶんの思い通りにならないことに気付いているのだろうか

He's as blind as he can be
彼はできる限り,世の中のことから目を塞(ふさ)いでいる
Just sees what he wants to see
自分が見たい光景だけを見ようとしている
Nowhere Man can you see me at all?
だけど除け者の君には,目の前のぼくの姿が本当に見えているのだろうか?

Nowhere Man, don't worry
除け者の君へ,心配しなくてもいいんだよ
Take your time, don't hurry
少しずつ時間をかけて,焦らずにこっちに来てごらん
Leave it all till somebody else lends you a hand
誰かが君の手を貸してほしいと言い出す時までに

Doesn't have a point of view
Knows not where he's going to
Isn't he a bit like you and me?

Nowhere Man, please listen
You don't know what you're missing
Nowhere Man, the world is at your command

He's a real Nowhere Man
Sitting in his nowhere land
Making all his nowhere plans for nobody
Making all his nowhere plans for nobody
Making all his nowhere plans for nobody

☆ インターネットの掲示板が流行りだした時代から,こういう人々をたくさん見てきた。ぼく自身が今もそうであるように「自分の見たい光景だけしか見ようとしない」人達がソーシャル・ネットワーキング・サービス(サービスの名を騙(かた)るビジネスだと,ぼくは確信している)に集まってくる。彼らはそこで自分がNowhere Manでないことを知る。だけどその「島」は(スポーツの試合を見に来て偶然一緒になった人々のように)やはりNowhere Manの集まりでしかなく,そんな閉塞した空間の中では思考は純化し,基本化し,過激化する(基本化と過激化は同じRadicalという言葉で表される)。

☆ さはさりとて,この歌が自分のことを歌っていることも,ぼくは知っている。知っているだけでは何にもならないことは,ジョンが歌うとおりであるけれど。



☆記事を書くために何回か繰り返して聴いているうちに, この曲のベースラインをヘッドフォンで聴くと気持ちが良いことを知った。
それからこの曲の親戚にバッド・フィンガーの「嵐の恋(No Matter What)」がいそうな気がする。

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「You're So Vain (うつろな愛)」 (カーリー・サイモン 1972年11月)




初出:2013年4月3日
   2015年7月12日

☆ かなり昔の話(2003年)だが彼女がこの曲の「秘密」をオークションにかけて落札した人に「教えた」という話題があった。秘密や謎はそのままでいい事の方が多いが,この曲の英語版Wikipediaには興味深い記述が載っている。

http://en.wikipedia.org/wiki/You%27re_So_Vain

2017年7月19日追記
> In August 2003 Simon agreed to reveal the name of the song's subject to the highest bidder of the Martha's Vineyard Possible Dreams charity auction. With the top bid of $50,000, Dick Ebersol, president of NBC Sports and a friend of Simon, won the right to know the name of the subject of "You're So Vain". A condition of the prize was that Ebersol not reveal the name.Ebersol said Simon allowed him to divulge a clue about the person's name: "Carly told me that I could offer up to the entire world a clue as to what she'll tell me when we have this night in about two weeks. And the clue is: The letter 'E' is in the person's name."

☆ この記述によると,その人物のイニシャルは「E」らしい。しかし,同じWikipediaにウォーレン・ベイティが2007年のインタビューでその人物は自分のことだと語っていることが記されている。

In a 2007 interview Warren Beatty said, "Let's be honest. That song was about me."Simon had said in 1983 that Beatty "certainly thought it was about him — he called me and said thanks for the song..."

「正直なところを言えば,これはぼくのことを歌った作品なんだ。サイモンは1983年に「ベイティはたぶんこの曲は自分のことを歌っていると気付いているわ。-だって彼ったら私のところにわざわざ電話をかけて来てぼくのことを歌にしてくれて有難うって言ったのよ」と話したことがあったからね。」

LYRICS:
You're So Vain (Carly Simon)



[Whisper:] Son of a gun.
(囁き:)このろくでなし

You walked into the party like you were walking onto a yacht
あなたは泊まっているヨットにひょいと飛び乗るように,パーティーに現れた
Your hat strategically dipped below one eye
あなたは狙いすましたかのように,帽子で片目を隠したの
Your scarf it was apricot
その時のあなたは杏子色のスカーフを身につけていたっけ
You had one eye in the mirror as you watched yourself gavotte
あなたはガボットを踊るのを見ていた時も片目で鏡を見ていたの
And all the girls dreamed that they'd be your partner
女の子達は皆,あなたの踊りの相手になることを夢見ていたんだから
They'd be your partner, and...
踊りの相手になれればって,だけど...

You're so vain, you probably think this song is about you
あなたって虚しい人ね,きっとあなたは,この歌が自分のことのように思えるでしょう
You're so vain, I'll bet you think this song is about you
あなたって虚しい人。賭けてもいい,あなたはこの歌が自分のことだと思ってる
Don't you? Don't You?
そうじゃないの?違うって言える?

You had me several years ago when I was still quite naive
そうやってあなたはまんまと初(うぶ)なわたしを手に入れたの,何年か前にね
Well you said that we made such a pretty pair
そしてあなたはこう言った「ぼく達は最高の組み合わせさ」ってね
And that you would never leave
そしてあなたはそこから離れないふりをしていた
But you gave away the things you loved and one of them was me
でもあなたは時々,自分の好きなもののことをほかの人に漏らしちゃうの。そのうちのひとりが,わたしだったけれど
I had some dreams, they were clouds in my coffee
わたしはこう感じていた,そんなのはわたしのコーヒーに写った雲のようなものだって
Clouds in my coffee, and...
わたしのコーヒーに写った雲のようなもの,だけど...

You're so vain, you probably think this song is about you
You're so vain, I'll bet you think this song is about you
Don't you? Don't You?


I had some dreams they were clouds in my coffee
Clouds in my coffee, and...

You're so vain, you probably think this song is about you
You're so vain, I'll bet you think this song is about you
Don't you? Don't You?

Well I hear you went up to Saratoga and your horse naturally won
それから聞こえてきたあなたの消息は,サラトガの競馬場で持ち馬がいつも勝った話だとか
Then you flew your Lear jet up to Nova Scotia
そうかと言えば,自家用ジェットでノヴァ・スコシアまで飛んで行って
To see the total eclipse of the sun
それは皆既日食をみんなで見るためだとか,そんなことばかり
Well you're where you should be all the time
だけどあなたがあちこちで忙しくしている時や,
And when you're not you're with
お忍びで何処かに行く時にも,その傍らには
Some underworld spy or the wife of a close friend
何人かの暗黒街の見届け人だか友人の奥さんだか知らない人たちがいつも一緒なの
Wife of a close friend, and...
友人の奥さんだかなんだか知らない人たちが,だけど...

You're so vain, you probably think this song is about you
You're so vain, I'll bet you think this song is about you
Don't you? Don't You? Don't You?

You're so vain, you probably think this song is about you
あなたって虚しい人ね,きっとあなたは,この歌が自分のことのように思えるでしょう
You're so vain, I'll bet you think this song is about you
あなたって虚しい人。賭けてもいい,あなたはこの歌が自分のことだと思ってる
Don't you? Don't You?
そうでしょ,そう思うでしょ?


☆ "vain"がこの曲のキーワードで,ここでは虚飾というイメージを強めている。「うつろな愛」という邦題も,曲から受けるどこか投げやりな印象(それは専らカーリーの声質に起因している)に良く合っていると思うが,これを「虚しい」と訳す理由は,この曲のオリジナル・シングルでデュエットするミック・ジャガーが3年前(1969年)に出したローリング・ストーンズのアルバム(『ギミー・シェルター』)の中で「Love In Vain(むなしき愛)」を歌っているからだ。ちなみに最近このオリジナル・ヴァージョンのYouTubeは削除され続けており(おそらくミックの権利絡みの理由と思われる)残念ながら綺麗なヴァージョンは見つけられなかった。

☆ もちろんカーリーの代表曲であり,キャロル・キングの「It's Too Late」と並ぶ70年代ピアノ系女性シンガーソングライター作品の頂点に位置する曲だと思う。


【7月20日追記】



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「Breakdown Dead Ahead」 (Boz Scaggs 1980年3月)



初出:2011年7月19日
   2013年4月1日

☆ 日本でのソフト'ン'メロウ路線とは対照的に,アメリカでのボズ・スキャッグスのシングルはこの曲にしろ「リド・シャッフル(B面が「ウィー・アー・オール・アローン」)」にしろステーション好みのアップビートなシャッフルが選ばれがちだった。だから80年代AOR的文脈でボズを語ると,米国では「ん?」と思われたかもしれない(笑)。

☆ この曲のルカサーのソロは,「キッド・シャールメイン」(スティーリー・ダン)でのカールトンのソロと同じくらい好きだ。これくらいシェイクしてないとグルーヴは出ないよね(^o^)v。

Breakdown Dead Ahead
(David Foster / Boz Scaggs 4:33 #15 17/05/80 Billboard HOT100)



I call ya
電話するけど
You ain't in
おまえはどっかに行ってる
What's this cold reaction
何この冷たい反応?
Where've you been
何処行っちまったんだよ
Oooooh, baby, let it on the line
やれやれ,ベイビー,居場所くらいはっきりさせろよな
This is last call and you say that's all
これが最後の呼び出しだとして,お前はこれっきりよって言うつもりかい
You can take it fine
そろそろ物事すっきりさせたが良い頃合いだぜ

I'm sorry but
全くもって残念なことに
It don't make sense
まるで無意味じゃないか(苦笑)
You're pullin' just right out on first offense
これがおまえからの先制攻撃だって言うんなら
Oooooh, baby, play it smart
まったく,ベイビー,もう少し賢くいこうぜ
For you go south with your big mouth
おまえが大口叩いてミナミに行くって言うんなら
Let it take your heart
ちょっとばかしその気持ちを測らせて貰おうか

Danger, there's a breakdown dead ahead
ヤバいぜ,そっちはどん詰まりに一直線さ
Maybe you're in way above your head
とてもじゃないがおまえの手に負えるこっちゃないぞ
I may burn, (I may burn)
おれはカッとなって
Might upset you
おまえの気持ちを損ねるかもしれないが
But you know I'd never let you down
それでもおれは一度だっておまえをガッカリさせたりしてないだろ

I told ya
この間もそうさ
No more lyin'
もう嘘はつかないって言ったじゃないか
No more tears fallin'
おまえに涙を流させないって
Stop your cryin'
もう泣くんじゃないって言っただろ
Ooooh, baby (ooooh, baby)
ああそうさ,ベイビー
I'm your fan
おれがいるじゃないか
Before you go back to your side track
おまえが道を踏み外し,そこから戻りたいのなら
Baby understand (understand)
どうすればいいか分かってるだろ(分かるよな)

Danger there's a breakdown dead ahead
ヤバいぜ,そっちはどん詰まりに一直線さ
And just maybe you're in way above your head
いやホント,とてもじゃないがおまえの手に負えるとこじゃない
I may burn, (I may burn)
おれはカッとなって
Might upset you
おまえの気持ちを損ねるかもしれないが
But you know I'd never let you down
それでもおれは一度だっておまえをガッカリさせたりしてないだろ

No, no, no
そうだろ
No, no, no, no
絶対にそうだろ
No, no, no, no, no, no, no
間違いなくそうだろ,そうだよね

[Instrumental Interlude]

Danger, there's a breakdown dead ahead
ヤバいぜ,そっちはどん詰まりに一直線さ
And just maybe you're in way above your head
いやホント,とてもじゃないがおまえの手に負えることじゃない
I may burn, (I may burn)
おれはカッとなって
Might upset you
おまえの気持ちを損ねるかもしれないが
But you know I'd never let you down
それでもおれは一度だっておまえをガッカリさせたりしてないだろ
No, no, no
そうだろ

Danger, there's a breakdown dead ahead
ヤバいぜ,そっちはどん詰まりに一直線さ
And just maybe you're in way above your head
いやホント,とてもじゃないがおまえの手に負えるとこじゃない
I may burn, (I may burn)
おれはカッとなって
Might upset you
おまえの気持ちを損ねるかもしれないが
But you know I'd never let you down
それでもおれは一度だっておまえをガッカリさせたりしてないだろ
Down, down, down
一度だってね

(Danger)
(あぶない)
No, no, no
ダメだよ
(Breakdown dead ahead)
(そっちはどん詰まり)
(Danger, breakdown dead ahead)
(ヤバいぜ,そっちはどん詰まり)

Personnel
Rick Marotta – drums
David Foster & Don Grolnick – keyboards
Lenny Castro - percussion
David Hungate – bass
Steve Lukather – guitar

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「雨に微笑みを(Laughter In The Rain)」 (ニール・セダカ 1974年10月)


Sedaka's BackSedaka's Back
(1998/07/14)
Neil Sedaka

商品詳細を見る


初出:2012年3月7日
☆ ニール・セダカは1939年3月13日生まれなので間もなく73歳の誕生日を迎える(記事掲載時=2012年3月)。彼がシンガー・ソングライター(当時はそんな言い方は無かったが)として最初に活躍したのは1950年代末から60年代前半。最初の全米No.1ヒット「Breaking Up Is Hard To Do(悲しき慕情)」は1961年のこと。ちなみに「恋の片道切符」は彼の作品でなく日本でのみ大ヒットした。平尾昌章(昌晃)がカヴァーしてヒットした(日劇ロカビリー黄金時代)が,平尾昌晃とニール・セダカは何となくイメージ的に繋がりが良い。

☆ アメリカン・ポップスの黄金時代が暗転するのは,ロカビリーや初期のロックンロールが,ビーチ・ボーイズなどのガレージ・サウンドを経て(というより,ほぼ同時に)ブリティッシュ・インヴェンジョンを受けてのことだろう。50年代末のヒーローが「イエスタデイズ・ヒーロー」になっていくのは一瞬といえる時間だった。

☆ それから10年近い不遇の時を経て,ソングライターの後輩でもあるエルトン・ジョンの全面的助力と支援を得たとはいえ,1970年代を代表するソフト・ロックの代表作品を引っ提げて「セダカの復活(Sedaka's Back)」が成功した。ちょうど同じ時期にポール・アンカもヒットを飛ばしており,ヒットのサイクルというのはこういう時代には残っていたのかもしれない。

☆ 「雨に微笑みを」は自らの不遇の時代のことを歌った作品であるそうだが,背景を別にしても「3分間の芸術」というポピュラー・ソングの真髄に触れた作品であることは間違いない。

2017年6月26日付記



☆ この歌詩は恋人(パートナー)と一緒のところを歌った歌詩だけど,もう少し捻って自分の幼い娘に置き換えても外れないような気がする(ニール・セダカにはお嬢さんがいたと思うが,この曲のヒットしている時期には子供ではなかった)。窯変訳詩なんて気取っているがこんなふうに訳してみた(汗)。

Laughter in the Rain (Neil Sedaka / Phil Cody)



Strolling along country roads with my baby
幼い娘と一緒に田舎道を散歩していた
It starts to rain, it begins to pour
急に雨が降り出して,見る間に土砂降りになってしまった。
Without an umbrella we're soaked to the skin
傘の準備なんかしてなかったから,ぼく達はすっかりびしょ濡れになって
I feel a shiver run up my spine
背筋がゾッとするほどの寒気を感じていた
I feel the warmth of her hand in mine
その時ぼくは,娘が繋ぐ手の温かみが身に沁みたんだ

Oh, I hear laughter in the rain,
ああ,ぼく達は降りしきる雨の中で思わず声を上げて笑い出すしかなかった
Walking hand in hand with the one I love
愛しい我が娘と手を繋いで歩きながら
Oh, how I love the rainy days
うん,こんな雨の日だったらどれほど愛しく思えるだろう
And the happy way I feel inside
ぼくはなぜだか心の中が幸せで暖かくなるのを感じていたんだ

After a while we run under a tree
それから少し歩いたぼく達は,近くの大きな樹の下で雨宿りをした
I turn to her and she kisses me
ぼくは彼女の方を振り向き,彼女はぼくの頬にくちづけた
There with the beat of the rain on the leaves
その間じゅう,雨粒が木の葉を激しく叩いていたけど
Softly she breathes and I close my eyes
彼女の穏やかな息遣いを聞きながら,僕は自分の目をそっと閉じたんだ
Sharing our love under stormy skies
こんなに激しい嵐の中で,ぼく達は愛しい気持ちを分かち合っていたのさ

Oh, I hear laughter in the rain,
ああ,ぼく達は降りしきる雨の中で思わず声を上げて笑い出すしかなかった
Walking hand in hand with the one I love
愛しい我が娘と手を繋いで歩きながら
Oh, how I love the rainy days
うん,こんな雨の日だったらどれほど愛しく思えるだろう
And the happy way I feel inside
ぼくはなぜだか心の中が幸せで暖かくなるのを感じていたんだ

I feel the warmth of her hand in mine
ぼくは,彼女の手の温もりを心の中に感じていたんだ

Oh, I hear laughter in the rain,
ああ,ぼく達は降りしきる雨の中で思わず声を上げて笑い出すしかなかった
Walking hand in hand with the one I love
愛しい我が娘と手を繋いで歩きながら
Oh, how I love the rainy days
うん,こんな雨の日だったらどれほど愛しく思えるだろう
And the happy way I feel inside
ぼくはなぜだか心の中が幸せで暖かくなるのを感じていたんだ

Repeat and Fade

☆ この曲は1962年の「Breaking Up Is Hard TO Do(悲しき慕情)」以来の全米No.1となった。ブリティッシュ・インヴェンジョンに吹き飛ばされた前世代のシンガー・ソングライターという烙印を押された彼は63年以降トップ40からも見放されていた。その彼に手を差し伸べたのは70年代を代表するシンガー・ソングライターだったエルトン・ジョンだった。

☆ この訳詩は(ぼくの訳詩らしきものは大抵そうなのだが),敢えてブロークンに訳している。例えば「I hear laughter in the rain」は自分ひとりが聞いたのではなく,二人(恋人同士でも,あるいはこの訳のように親子でも)が思わず笑いだしたからその笑い声が聞こえたというニュアンスで訳している。この曲のエピソードと実際の歌詩(Wikipedia英語版に解説がある)とは実はかなり距離があるのだが(作詩をしたPhil Codyは大麻煙草を燻らせながら僅か5分でこの歌詩を書いているそうだ!),それでもそのエピソードの心象風景に沿った歌詩に訳している。


YouTubeは74年のオリジナル・シングルに83年のテレビ画面を上手くフィットさせていて合わせ技一本のような優れものだと思う(^o^)

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Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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