2017-10

どんな☆も,最初はただのエントリー(新人)。





☆ いちばん最初にマドンナの名前というか動画というかそういうものを見たのは「11PM」かなんかだったと思う。80年代に入ってもまだこの番組には「先物買い」の要素が残っていた(特に「水曜イレブン」)。だからその辺だろうと思う。見たのはたぶん「エブリバディ」なんだと思う。あるいはそれとも違う何かの映像だったかもしれない。というのもその後に見たこのPVほかとは違っていたような気がするので。ただそこから「マドンナ」という若い女の子が注目されているということだけが分かった

☆ 「エブリバディ」はビルボードのダンスチャートには入ったがHot100には入らなかった。ただ,これを全米でディストリビュートしたのがサイアー(Sire)レーベルで,このレーベルにはトーキング・ヘッズがいたので,そのあたりで某氏(有り体に言えば今野雄二)あたりのアンテナに引っかかったのではないか。それで「水曜イレブン」なら話の辻褄は確かに合ってくる(笑)。

☆ 彼女がナショナルチャート(ビルボードHot100)に入るには,この曲とその次のシングル「バーニング・アップ(これが彼女のデビューアルバムの邦題になった)」の更に次に出した「Holiday」まで待たされることになる。つまりそれまではマドンナはダンス・ポップ歌手と評価されていた。この下積み時代はデビューから1年近く続くことになるが,彼女はアルバムを作るというよりシングルを積み重ねてアルバムにまとめ,さらにシングルを出していくという戦略を取った。要するにラジオ局のエアプレイリストに入るための努力をしていたのである。

☆ 4枚目のシングル「ラッキー・スター」は83年9月にリリースされたがリリース時にはさほどの注目を受けていない。そして5枚目のシングルが「ボーダーライン」で,この曲でマドンナはタイトル通りビルボードTop10の境界線を初めて突破する作品となる。

Borderline (Reggie Lucas)



☆ 「ボーダーライン」はまだ粗削りのひとりのポップ・シンガーの卵(エントリー)の姿が物語風に記録されている。この曲は彼女にとって本当の「きっかけ」となった作品で,譬えて言えばスプリームス(シュープリームス)の「Where Did Our Love Go?(愛はどこへ行ったの)」みたいなものだろう。そういえば曲を歌った本人が気に入っていなかったという点もこの2曲は似ている。それでも「以前名前を聞いたことがある歌手がどうやら大きなヒットを出したようだ」という感じでTVKの「ビルボードTop40」を見ていた記憶がある。

☆ まだエントリーだった頃の彼女の名前を二つに割ってMad+Onnaと書いたのは伊丹由宇だったと思うが,今思い出してもなかなか洒落た命名だった。それくらいナイフみたいにキラッとしたところのある若いエントリーだったのだ。

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80年代ブリティッシュ・ソウル


初出:2013年5月1日
T.T.D.T.T.D.
(2002/03/20)
テレンス・トレント・ダービー

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☆ 80年代シーンはその前半はMTVの普及でMV(PV)全盛時代になった。それをベースにした80年代後半は様々なタイプのアーティストがデビューし,瞬く間に人気を攫っていった。その中には90年代も引き続き活躍したものもいれば,そうでなかった者もいる。
If You Let Me Stay (Terence Trent D'Arby)



☆ テレンス・トレント・ダービィ(今は改名しサナンダ・マイトレイヤ)もそうした一人で,そのソウルフルな歌唱はデビューの地であるロンドンから海を渡り母国アメリカへ広がった。ノーザン・ソウル以来の伝統を持つ英国好みのシンガーと言えるのかもしれない。彼や同時期にデビューしたスイング・アウト・シスターなどは明らかにロンドンのクラブ・シーンの興隆を伝える第1.5世代だった(第一世代はスタイル・カウンシルやシャーデー,ワーキング・ウイークなど)。

2017年4月19日付記

Holding Back the Years (Mick Hucknall / Neil Moss)



☆ TTD(正確にはアメリカ人で英国から先に火が付いた)以外にも80年代後半に活躍したブリティッシュ・ソウルの歌手は多い。彼の回で触れた人たちだけでなく,ミック・ハックネルの率いたシンプリー・レッドもそうだし,ファイン・ヤング・カニバルズもそうだろう。

She Drives Me Crazy (Roland Gift / David Steele)




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さくらの花の満開の下


初出:2014年3月28日
Shilhouette~シルエットShilhouette~シルエット
(2013/07/24)
松田聖子

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「チェリーブラッサム」(松田聖子 1981年1月21日)
 作詩:三浦徳子 / 作曲:財津和夫 / 編曲大村雅朗
CX「夜のヒットスタジオ」 (オケ=ダン池田&ニュー・ブリード)



☆ 桜の花は咲き始めると一直線に満開になりそのまま散って葉桜になる。日本人は余程この「あっさり感」が好きなのだと思う。宴会で酒盛りをしていると花びらが一枚また一枚と降って来るところも,また趣があって良い。まさに花見酒の心境に違いない。

☆ 松田聖子の4枚目のシングルは70年代型の「歌謡曲」が今で言う「J-POP」へ移行する時期の意義ある作品だった。この曲の詳しいレビューはどこか別の場所に譲るとして,大村雅朗のコンテンポラリー(あくまで1981年1月時点で)なロック・アレンジは,基本的に彼女のデビュー・アルバムの路線を継承しているのだが,むしろそのシンプルな一直線さが桜の花の満開の季節に良く似合っていた。惜しむらくはこれが1月後半新譜だったことだが,すでに頂点に立ちつつあった松田にとっては何のハンデにもなっていなかった。

2017年4月2日追記
☆ 本当は別のを用意していたのだけれど,「東京のソメイヨシノが満開になった」ニュースに合わせてこれに差し替え。この少し後に松田聖子のコンサートを見に行った時「髪を切ろうかなと思っているのだけれど,どう思う?」というMCがあった。実際にはその時の歌(「夏の扉」)が変形レイヤードの「聖子ちゃんカット」の最後のシングルになった。ちなみにその時の会場の反応は賛否相半ばという感じだった。ついでに言うと会場の男女比率は3対1~4対1くらいだったかな。

☆ 当時いろいろ言われたことが,この曲の時期にもまだ尾を引いていたけれど,松田聖子というヒトは「歌が好きで歌手になった」ことが最大の強みだった(この時期の「アイドル扱いされていた女性歌手」は,82年組あたりまでは間違いなく歌手志望の女の子が過半だった。勿論モデルさんや女優志願の子が手っ取り早くパブリシティを得るために歌手としてシングルを出す例もそれなりに多かったが)。それが「ぶりっ子批判」を乗り越えて歌手松田聖子を確立させる原動力だったことは間違いない。親を説得し倒して久留米を出たことに比べれば,そんなことは松田聖子にとっての障害ではなかったのだと思う。

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PS.とはいえ,娘さんも一本立ちして,ご本人もますますお盛んなようですが,松田聖子がジャズを歌う時代になったのかとも(平岡正明が生きていたら何と言っただろうか...)。

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序章:後から気付くことばかり



☆ 村上春樹の最初の店は国分寺近辺にあって,椎名誠も国分寺のあたりに住んでいた。村上春樹の昔のエッセイを読んでいたら椎名誠のデビュー作と思われる「国分寺書店」の名前が出ていたし,「本の雑誌」出身の群ようこは移転後の「ピーターキャット」で例の昆虫(小さい方)を見た話を書いている(本名時代だったかもしれない)。東京から遠く離れた田舎の学生でもこういうことが分かることもある。たぶんそれは読者としてこれらの人達に「興味があるから」。本人が書いたりテレビで話したりするのを偶然目にした時に,それを覚えているかどうかというところがある。

☆ RCの曲に「君が僕を知ってる」がある。でも99%の側にいるぼくたちからは,1%の側の人達の行動や記録を見ることはできる。そして後からここに記したように繋いでみることはできる。繋いだところで例えば村上春樹は椎名誠をすれ違ったどうかわからないし,自分の店に来ていた女の子が後年同業者になることなんかも知らなかっただろう。だからぼくたちはギャラリーとして「それを知ってる」ことでチョッと面白い気になったりするのである。




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「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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