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2019-08

「Mixed Emotions」 (The Rolling Stones 1989年8月17日)


再掲(初出:2017年4月26日)



初出:2007年2月2日

MIXED EMOTIONS (M. Jagger/K. Richards)



Button your lip baby
口にチャックをかけなベイビィ
Button your coat
さっさとコートを羽織りなよ
Let's go out dancing
踊りに行こうぜ
Go for the throat
言いたいことは喉の奥に仕舞って
Let's bury the hatchet
仲直りの時間だぜ
Wipe out the past
過去は洗い流して
Make love together
もういちど一緒にやるのさ
Stay on the path
この小径に留まるんだ

You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
With mixed emotions
いろんな気持ちを抱えて生きているのは
You're not the only ship
おまえひとりだけじゃないんだぜ
Adrift on this ocean
人生という大海に浮かんでいるのは

This coming and going
いろんなことがあって
Is driving me nuts
気が変になりそうだったぜ
This to-ing and fro-ing
ことを納めるのにあくせく動き回って
Is hurting my guts
ずいぶん気力を萎えさせられたものさ
So get off the fence now
いいから心の中の柵を取り払って
It's creasing your butt
昔のことは笑って流そう
Life is a party
人生はパーティのようなもの
Let's get out and strut
外に出てふんぞり返って歩き回ろう

You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
With mixed emotions
いろんな気持ちを抱えて生きているのは
You're not the only ship
おまえひとりだけじゃないんだぜ
Adrift on this ocean
人生という大海に浮かんでいるのは
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
That's feeling lonesome
部屋の隅で膝を抱えて震えているのは
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
With mixed emotions
いろんな気持ちを抱えて生きているのは

You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ

Let's grab the world
世間をしっかり掴まえろ
By the scruff of the neck
首根っこのところを押さえるんだ
And drink it down deeply
あとは徹底的に飲み倒してやれ
Let's love it to death
死ぬまでそれを愛するんだ
So button your lip baby
だから口にチャックをかけろ,ベイビィ
And button your coat
コートを羽織るんだ
Let's go out dancing
踊りに行こうぜ
Let's rock 'n' roll
ロックン・ロールしよう

You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
With mixed emotions
いろんな気持ちを抱えて生きているのは
You're not the only ship
おまえひとりだけじゃないんだぜ
Adrift on this ocean
人生という大海に浮かんでいるのは
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
That's feeling lonesome
部屋の隅で膝を抱えて震えているのは
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
With mixed emotions
いろんな気持ちを抱えて生きているのは

Mixed emotions
いろんな気持ちを抱えて生きているのは

You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ
You're not the only one
おまえひとりだけじゃないんだぜ

(Fade Out)

2017年4月26日追記
☆ きょう個人的に少しメンタルにダメージがあることがあった。だから今日はこの歌詩が身に沁みるのだ。
(28日になってスッキリしなかった箇所をようやく修正 「両足抱えて⇒膝を抱えて」)

☆ この曲くらいふっ切れたストーンズは無いと思う。80年代の後半ダラダラと続いた冷戦が「まるでベルリンの壁が崩れ去るように」唐突に終わった。チャーリーのドラムスの一打一打がその壁を崩していくように聴こえたものだ。

↓ ビル・ワイマン在籍最終盤となってしまった1990年東京ドームでのライブ



最高位 全米5位,カナダ1位,オランダ・ノルウェー・ニュージーランド9位,ベルギー14位,スウェーデン15位,アイルランド・オーストリア17位,ドイツ20位,スイス24位,豪州25位,英国35位,フランス41位,日本 不明。
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Street Fighting Man (The Rolling Stones 1968年8月=米国リリース)



Street Fighting Man (Jaggar / Richards)


Ev'rywhere I hear the sound of marching, charging feet, boy
Cause summer's here and the time is right for fighting in the street, boy

But what can a poor boy do
Except to sing for a rock 'n' roll band
Cause in sleepy London town
There's just no place for a street fighting man
No

Hey! Think the time is right for a palace revolution
But where I live the game to play is compromise solution

Well, then what can a poor boy do
Except to sing for a rock 'n' roll band
'Cause in sleepy London town
There's no place for a street fighting man
No

Hey! Said my name is called disturbance
I'll shout and scream, I'll kill the king, I'll rail at all his servants

Well, what can a poor boy do
Except to sing for a rock 'n' roll band
Cause in sleepy London town
There's no place for a street fighting man
No

Wikipedia(日本版)解説より
> 歌詞は、1960年代後半に世界中で起こっていたベトナム反戦運動に強い影響を受けており、1968年3月にロンドンの米大使館前で起こった大規模な反戦デモ(ジャガー自身も参加した)や、同年5月に起きた五月革命が、この歌詞を書かせる原動力となった。歌の中でジャガーは変革の必要性を強く説いているが、サビでは「貧乏な餓鬼に何が出来るんだ?ロックバンドで歌う以外に」という自嘲的なフレーズが聴かれる。この歌詞の内容と、同年に起こったシカゴでの暴動の余波を受け、本曲はいくつかのラジオ局で放送禁止になった。

> ジャガーはこの曲について、1995年のインタビューで「今の時代に共鳴する歌とは思えないし、そんなに好きな歌でもない」と語っているが、コンサートでは頻繁に演奏されており、また多くのコンピレーション・アルバムに収録されている。

Personnel

Mick Jagger – vocals, percussion
Keith Richards – amplified acoustic guitars, bass guitars, slide guitar
Brian Jones – sitar, tamboura
Charlie Watts – drums

Dave Mason – shehnai, bass drum
Nicky Hopkins – piano

☆ 最近,我が国の1968年をテーマにした新書が発刊された(『1968年』 中川右介著:朝日新書)。1968年というと半世紀前のことになる(正直,ゾッとする^^;)。この年は荒れた年でこの曲が全米リリースされた8月に起きた最大の事件はワルシャワ条約機構軍のチェコスロバキア侵攻(チェコ事件 8月20-21日)だろう。また,この年は米大統領選挙(共和党候補リチャード・ニクソンが,民主党候補ヒューバート・ハンフリーを破った)の年で,8月には5-6日に共和党大会がフロリダ州マイアミ,22-30日には民主党大会がイリノイ州シカゴで開催されたが,後者はシカゴ暴動を招く大荒れの大会となり,ストーンズのこの曲はそのとばっちりを受け全米で放送禁止となった(その結果ビルボードHot100の最高位は48位止まり)。この年の米国は本当に荒れており,4月にはマーチン・ルーサー・キングJr.(キング牧師)が,6月には民主党の大統領候補最右翼と言われたロバート・ケネディ上院議員(もちろん兄は故ジョン・F・ケネディ元大統領)が暗殺されている。荒れる68年はフランスにも飛び火していて,5月にはパリで学生の大規模な暴動(5月革命)が発生し,これが遠因となって翌年,シャルル・ド・ゴール将軍は大統領を辞任することになる。

☆ 1968年が荒れたのは,ある意味で必然的だった。この年に20歳だった若者は,「戦争を知らない子供達」(1947-8年生まれ)。1947年はわが国でも「ベビーブームの年」と記憶されているように,「戦争の反動」が出生数の激増を招いた時期だった。言い方は悪いが,このことは「世代で輪切り」すると「世界中が中国(人間で溢れているという意味)になった」ということでもある。日本でのこの世代を堺屋太一が「団塊の世代」と名付けたように,西欧や米国(だけでなく,例えば東欧のチェコスロバキア=当時=)は「若い国=若者が多い=世代間対立が起きやすい」の図式が成り立っていた(ちょうど浜田省吾がその9年後に「まだ若かったロックンロール」と歌ったように)。

☆ そのロックンロールはミック・ジャガーの言にある「哀れな厨房にロックンロールバンドでもやる以外に何ができる」に象徴されるように対抗文化(カウンター・カルチャー)の代表だった。ウィキペディアの賢いライターはミックのこの歌詩を「自虐的なフレーズ」と書いているが,それは皮相的な評価で,前の年にジョン・レノンが「レボリューション」の歌詩に「毛主席の肖像写真を掲げて歩いたって,世の中はこれっぽっちも変わらないぜ」と歌ったことと同期している。ジョンが「(文化大革命時の)紅衛兵の猿真似だ」と断じたように,ミックは「ロックンロール・バンドで歌うこと(が自分のできる暴動だ)」と主張しているのである。「自分にできることやれ(やる)」と告げているのだ。

☆ さて,超一流のエンターテイナーとしてのミック・ジャガーが1995年に語ったことは27年前の彼自身への裏切りであろうか?そういうシニカルな視点は,ポピュラー音楽家が長生きした時に受ける最大のデメリットだろうと思う。反面,「街の暴れ者」達はその命脈を断つことなく,どの世代からも同じように登場していく。その場所が(寺山修司が「書を捨てて」向かった)リアルな街角であろうと,電脳空間の中であろうと,「暴れ者」達や「やんちゃ」の本質は何一つ変わりはしない。「ストリート・ファイティング・マン」のメッセージは,「若者」という集団が生まれる限り「有効」であるのだ。


☆ そういえば泉谷(しげる)が一時期バックバンドの名を「ストリート・ファイティング・マン」にしていたな(爆)。

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「Crazy Mama」 (The Rolling Stones 1976年4月26日=B面)


RollStones-Single1976_FoolToCry.jpg



☆ 『ブラック・アンド・ブルー』(1976年4月23日)は,初めて新譜としてリアルタイムに聴いた(と言ってもラジオで聞いただけだし,それもアルバム全曲でもなかった)ストーンズのアルバムだった。数年後に廉価盤になった頃にようやく買って(米国盤の輸入盤バーゲン叩き売りの常連だったのでかえって買う気が無くなっていた)聴いてみた感想は「重い○| ̄|_」。もっともアルバムタイトルではないが,聴けば聴くほどこの「重さ」が馴染んでいくというところはあった(所詮はミー(ハー)ファンの悲しさよ^^;)。

Crazy Mama (Jagger/Richards)


Well you're crazy Mama
ホント,ママ,あんたはイカレてるぜ
With your ball and chain
わけのわからない足枷引き摺って
And your sawn off shotgun
ソードオフ・ショットガンなんか持ち出して
Blown out brains, yeah
どタマぶち抜こうって腹なのかい,おい

300px-Lupara.jpg

You can scandalize me
まったくあんたにゃ呆れ返るばかりだよ
Scorn my name
俺(おい)らも街中の笑い者だ
You can steal my money
あんたに出来るのは俺らの金をふんだくること
And that don't mean a doggone thing
そいつは恨めしいことじゃないんだってな

Cause if you really think you can push it
もし本気で思ってるのなら,マジでやってみな
I'm going to bust your knees with a bullet
こちらも超本気でお返しの弾丸(たま)をお見舞いするぜ
Your crazy mama, ah yeah
たくイカれたママだぜ,ああもう

Well your old time religion
さてお宅の古式ゆかしい信仰では
Is just a superstition
ほんの迷信かもしれないが
You going to pay high prices
お宅が大枚叩(はた)こうってブツは
For your sacrificises
お宅の生贄(いけにえ)でもするのかね

Well your blood and thunder
でお宅らの暴力沙汰は
Sure can't faze me none
ホンのチョッとだって俺らをビビらせちゃいねえよ
If your going to keep on coming
お宅らがそのままやってやろうって腹なら
I'm gonna take it all head on
やれるもんならやってみんさいってこったよ

If you don't believe I'm going to do it
俺が本気にならないことをあてにしてるんだったら
Just wait till you get hit by that bullet
一発食らうまでそこでじっとしてるんだね

Don't think I ain't thought about it
俺がそんなことしないなんて思わない方がいいぜ
But it sure makes my shackles rise
だってこっちはもう足枷なんぞ解いているんだから
And cold blood murder
殺ってやるって凍った血が
Make me want to draw the line
早く一線を越えろって俺らに言ってるんだから

Well your crazy mama
さあてイカれたママさんよ
With your ball and chain
とんだ足枷を引き摺ってきた
Plain psychotic
全くイカれちまった
Plain insane
ホンモノのキ印さんよ
If you don't think I'm gonna do it
もしも俺が何も手を出さないとでも思っているんなら
Just wait for the thud of the bullet
最初の一発を食らうまでそこでじっとしてることだね

☆ 『ブラック・アンド・ブルー』は最初の2曲(「Hot Stuff」と「Hand of Fate」)がレッド・ゼップのⅣみたいに対になっていて,レゲェのカヴァー(エリック・ドナルドソンの「Cherry Oh Baby」。後年「俺達の方がもっと上手だ」とUB40に再カヴァーされてしまった=爆=)とかやたら長い曲(「Memory Motel」ストーンズ最長曲7:07)など結構いろんなアイディアが詰め込まれている。で,最後の2曲がアルバムとほぼ同時にシングルカットされた「Fool to Cry(愚か者の涙)/Crazy Mama」が,これもミックの語りで進行するA面はストーンズらしいロックを期待した(ぼくのようなミーハー)ファンには「あれ?」という曲だった。そしてアルバム最後がこの曲である。何だか重い荷物を背負ってトボトボ歩くような感じがしなくもなかった(苦笑)。



☆ そんなあたりをパンクスなどから嗤われ(でも,よく考えなくてもルー・リードみたいにストーンズも昔からケチョンケチョンに言っていたミュージシャンは結構存在したけど),その反動が『Some Girls(女たち 1978年6月9日)』になっていく。

The Rolling Stones - Crazy Mama LIVE 1997


☆ ロニー,ユル過ぎ(爆)。

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「Brown Sugar」 (The Rolling Stones 1971年4月16日=英,5月7日=米)


stones_brown_sugar_single.png


スティッキー・フィンガーズ
スティッキー・フィンガーズ
(2010/12/22)
ザ・ローリング・ストーンズ

商品詳細を見る

初出:2012年5月16日
☆ 1970年から73年ごろのストーンズは実に泥臭いバンドだったと思う。それから最も黒っぽくなった時期を経て,バンドにとって真の激動期である80年代に突入していく(と思っている)。

「Brown Sugar」 (Jagger/Richards)


☆ 『スティッキー・フィインガーズ』と『エグザイル・オン・メイン・ストリート』はストーンズの最も猥雑な部分がモロ出しになった傑作だと思う。ちなみに自分の知っている限り最悪のこの曲のカバーは,数年前にテレビ●●で放映された「ガ●●の●明け」の中で●山●彦が歌っていたヴァージョンである(爆)。転石は会計系エスタブのあんたには,全然似合わない(lol)と思う。

「Brown Sugar」 (The Rolling Stones ALTERNATE VERSION FEAT. ERIC CLAPTON)


2017年10月21日追記



「Brown Sugar」 (Jagger/Richards)

Gold coast slave ship bound for cotton fields
黄金海岸から出航した奴隷船は一路綿花地帯に向かって進む
Sold in a market down in New Orleans
ニューオリンズの人買い市場で売り捌くため
Scarred old slaver knows he's doing alright
傷痕も悍(おぞ)ましい買い主のジジイは真っ当な商いだと言い張るが
Hear him whip the women just around midnight
あいつが欲望に任せて哀れな奴隷女達を鞭打つ音が真夜中に響き渡る

Brown sugar how come you taste so good?
でもブラウン・シュガー,おまえってどうしてこんなにイイカンジなのさ?
Brown sugar just like a young girl should
そうさブラウン・シュガー,若い娘だったらそうあるべきって事かい

Drums beating, cold English blood runs hot
太鼓の響きは冷たい英国人の血まで熱くする
Lady of the house wonderin' where it's gonna stop
その娼館の女主人は,どうやって指名を行き渡らせるかお悩み中
House boy knows that he's doing alright
使いっ走りの小僧も抜かりはないようで
You shoulda heard him just around midnight
それが聞こえりゃ,真夜中にあいつがどんな格好してるまでわかっちまう

Brown sugar how come you taste so good, now?
Brown sugar just like a young girl should, now

Ah, get along, brown sugar how come you taste so good, baby?
Ah, got me feelin' now, brown sugar just like a black girl should

I bet your mama was a tent show queen
おまえのママが見世物小屋のヒロインだってことに賭けてもいいぜ
And all her boyfriends were sweet sixteen
そいでもって,その友達は皆若さも甘い16歳が勢揃いだってのもな
I'm no schoolboy but I know what I like
俺(おい)らはチェリーな厨房じゃないけど,好みってのはあらあな
You shoulda heard me just around midnight
まあ真夜中になってどんな具合だか聞こえりゃ分かるだろ

Brown sugar how come you taste so good, baby?
Ah, brown sugar just like a young girl should, yeah

I said yeah, yeah, yeah, woo
How come you... how come you taste so good?
Yeah, yeah, yeah, woo
Just like a... just like a black girl should
Yeah, yeah, yeah, woo

☆ 2017年にはなかなか表に出せない歌詩だなあ(核爆)。まあ歌ってる本人が「生涯現役」っぽいんで,許されるのか...




☆ そういえば喫茶店にブラウン・シュガー(本物のお砂糖のほう)が置かれだしたのは,1970年代半ばだったな(それまでは岡本おさみが「襟裳岬」の歌詩で書いていた角砂糖を置いている喫茶店がお洒落な店だった)。で,当然ブラウン・シュガーのスラングとしての意味(これが70年代いっぱいキース・リチャーズを苦しめたのを知ったのはもう少し後のこと)を知っていて,調子こいて2,3個落としていたのも懐かしい(自爆)。

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「(I Can't Get No) Satisfaction」 (The Rolling Stones 1965年6月6日=米、8月20日=英)


220px-Satisfaction-us.jpg

初出:2012年5月9日
アウト・オブ・アワ・ヘッズ(紙ジャケット仕様)アウト・オブ・アワ・ヘッズ(紙ジャケット仕様)
(2008/12/24)
ザ・ローリング・ストーンズ

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☆ シンプルな音にシンプルなメッセージを載せることが最も効果的な音楽的煽りであると思う。それは1960年代に入った「まだ若かった」ロックンロール(の担い手)が見つけたことだった。絵空事の恋愛でなく「リアルな日常」を描くことでメッセージとしてのロックンロールは進化した。ビートルズが「抱きしめたい」と歌い,フーが「年寄りになる前に死んでしまいたい」と歌ったように,ローリング・ストーンズは「何ひとつ満足なんかしてないぜ」と言い捨てて世の中を揺さぶった(Rock the world)。

(I Can't Get No) Satisfaction (Jagger/Richards)


☆ 1974年ごろにジェフ・ベックが言ったとされるように(笑),ローリング・ストーンズはスリー・コードの曲を延々と演奏し続けるバンドで,それは彼らがお手本としたリズム&ブルースやそれ以前のブルースの伝統だからだ。そこにはシンプルなものをシンプルに表現することで数多の雄弁を沈黙させるというロックン・ロールの本質がある。

2017年10月14日付記
☆ この曲がリリースされた50年以上前の時代は,この程度の異議申し立てでもオトナ達は目くじらを立てた。こんな「(現状に)満足なんて出来ねえぜ!」って連中は,それこそホモ・サピエンスの歴史とともに存在し,「近ごろの若い者は」の出典も,ぼくが学生の頃は古代ギリシアとか言われていたが,今じゃ古代バビロニアまで遡れるようで,そのうち古代中国と古代エジプトが何らかの証拠を片手にこの記録を更新することが見込まれていそうだ(爆)。

☆ この曲だとか「黒く塗れ」だとか「夜をぶっ飛ばせ」などはどうしても性的なニュアンスで解釈され(これに対して前回の「イッツ・オンリー・ロックンロール」は薬物のニュアンスで放送規制が掛かった気配がする。)いずれにせよ「やんちゃ」とか「ヤバい(本来の意味の)」がこのバンドに付きまとうきっかけになったことは確かだ(反面,ザ・フーには「反抗的」とか「暴力的」というニュアンスがたっぷり振りかけられた。もっともザ・フーの場合は実践者が数名いたのも事実であるが(爆))。

☆ これをソフィスティケイテッドな現代に持ち込めば,自己実現の欲求だとか(アブラハム・マズローですな),自分探しだとかそういった自己啓発系のネタ元にされそうな気配もあるが,ヤバい人と自己啓発系が結びつくと「闇金ウシジマくん」のエピソードのような方向になるので更に拙いかもしれない(沈黙)。

☆ この「満足できないぜ」は同時期のボブ・ディランが歌った「どんな気持ちかい?」と同じくらいの効果を世間に与えた。あいつら(若者)はヤバい。その懸念が現実化するのは3年後の1968年である。いかにも「まだ若かったロックンロール」(浜田省吾「BLOOD LINE (フェンスの向こうの星条旗)」)の時代のことだった。

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deaconblue

Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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