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2019-12

「Kiss of Life」 (SADE 1993年4月26日)


初出:2011年12月6日(2019年12月12日内容修正・追加)

SADE Kiiss of Life Cover

☆ シャーデーは寡作なバンドである。最初の三作こそ1984年(『ダイヤモンド・ライフ』)85年(『プロミス』)88年(『ストロンガー・ザン・プライド』)と続いたが,92年に『Love Deluxe』を出した後は,2000年『Lovers Rock』2010年『Soldior of Love』というペースだ。ライブも少なく,今年(注:2011年)10年ぶりのツアーを行っていて,今月(注:12月)の豪州,そして最後にドバイで終了ということで東アジアの予定はなかったのが残念だ。

Kiss of Life (1993年4月26日)
(Sade Adu /Stuart Matthewman / Andrew Hale / Paul Spencer Denman)


☆ この曲は『Love Deluxe』からの3枚目のシングルとして1993年4月にリリースされた。今回のツアーセット・リストにも入っている秀逸な小品である。このアルバムの後比較的長い休止時期があったのは彼女の個人的な事情(子育てなど)があったようだが,その辺の事情は最新のコンピレーション盤である『The Ultimate Collection』のライナーノーツに詳しい。興味がある方は是非一読を。

最高位
Billboard Hot100:78位,Hot R&B/Hip-Hop Songs:10位,Adult Contemporary:20位、全英:44位

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(2011/06/22)
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☆ こうやって聴いていると彼女の作品の中で最もクワイエット・ストーム色が強い作品だと思う。シャーデーはロンドンのクラブシーンから彗星のように登場したのでどうしても「お洒落系」と思われてしまうが,彼女(アドゥ)自身は明らかにそういう系ではなく,もっとナチュラルというかロハス的な人のように感じられる。シーンとの距離の取り方も意識的だし,70年代の後半にジョン(レノン)がやったことをもっとナチュラルな形でやり遂げてしまったような印象がある。ぼくにとってはそれは悪くないことだと感じられる。

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☆ 90年代に「クラブ」じゃなくて「大人ディスコ」があったら,こんな感じで踊る人がたくさんいたんだろうなと思う(^_^)。

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「Special to Me」 (Bobby Caldwell 1978年)


Special to Me (Bobby Caldwell / Marsha Radcliffe)


Wikipedia(英語版)の彼の項目に,ものすごく興味深いことが書いてある。

> Bobby Caldwell was born in Manhattan, but grew up in Miami.
ボビー・コールドウエルはマンハッタン生まれだがマイアミで育った。
> His mother sold real estate and one of her clients was reggae singer Bob Marley; Caldwell and Marley became friends.
彼の母親は不動産売買をしており,その顧客の一人にレゲエ・シンガーのボブ・マーリィがおり,コールドウエルはマーリーと仲良くなった。
> Growing up in Miami exposed Caldwell to a variety of music such as Haitian, Latin, reggae and R&B.
マイアミで育つ中,コールドウエルはさまざまな音楽の影響を受けた。それはハイチ音楽,ラテン音楽,レゲエ,そしてリズム&ブルースだった。

☆ この記述は彼が単にAOR(アメリカではアダルト・コンテンポラリー・ミュージックになるとわざわざ注釈がついている)やブルー・アイド・ソウルで売ってきた訳でも,目先を変えるためにレゲエに挑戦した訳でもないことが分かる。そしてこの解説にはさらに興味深いことが書いてある。

> Singer Boz Scaggs advised Caldwell to write songs for other musicians after TK Records shut down.
ボズ・スキャッグスは(コールドウエルがレコードを出していた)TKレコーズが倒産した後で彼に他のミュージシャンに曲を書くことを提案した。

> Caldwell wrote "The Next Time I Fall", which became a hit for Amy Grant and Peter Cetera,and songs for Roy Ayers, Chicago, Natalie Cole, Neil Diamond, Roberta Flack, Al Jarreau and Boz Scaggs.
コールドウエルは "The Next Time I Fall" という曲を書きエイミー・グラントとピーター・セテラ(元シカゴ)がデュエットしたその曲はヒットを記録した。彼はまたロイ・エアーズ,シカゴ,ナタリー・コール,ロバータ・フラック,アル・ジャロウそしてボズ・スキャッグスに曲を提供した。

☆ ボビー・コールドウエルが出てきた時,ボズ・スキャッグスのコピーであるかのような冷めた見方があった。だからボズが80年代前半の休息期間を経てボビーの「ハート・オブ・マイン」をタイトルにしたアルバムを発表した時,それらの人が腰を抜かしたのは言うまでもない(笑)が,Wikipediaのこのエピソードは,もっと知られても良いのではないかと思う。

☆ このWikipediaの記述から分かったことが幾つかある。

(1) ボビー・コールドウエルがTKレコードからデビューした理由
→・マイアミに住んでいて,そこにあった独立系レーベルだった。
 ・KC&ザ・サンシャインバンドが大当たりして新人を抱える余力があった。
 ・R&B,ソウル系の音に強く,ボビーの音楽志向に合っていた。
→だから白人であることが分からないようジャケットをイラストにした。
(翌年,テキサス州サンアントニオ出身のミュージシャンが同じ手法を用いた。クリストファー・クロスだ。)

(2) ボズがボビーの作品を取り上げた理由
→・TKレコードが81年に破産した時,ボズ自身が一時リタイア中で音楽から離れていた。
(聞いた話ではロブスター料理のお店などをやっていたらしい。)
 ・ボズ自身,ヒットを掴むまで下積みが長かったし,AORも,この時は既にトレンドでなかった。
(この時代は明らかにビート優位のダンス音楽の時代(そこにMTVが割り込んでくる)であり,ブルー・アイド・ソウルは「ロックン・ソウル」のホール&オーツやピーター・セテラ時代のシカゴなどを数少ない例外として,総じて不振となり始めていた。)
 ・ボズはボビーの作曲能力を評価していた。

『Bobby Caldwell』(1978)
Billboard Top200
189位(New Entry:1978.11.18)⇒最高位21位('79.3.10・17)

Album PERSONNEL
Bobby Caldwell – vocals, keyboards, guitar, bass
Benny Latimore – keyboards
Alfons Kettner – guitar
Steve Mele – guitar
George "Chocolate" Perry– bass
Richie Velazquez – bass
Ed Greene – drums
Harold Seay – drums
Joe Galdo – drums

☆ この曲は日本では「まるでシングルのように」エアプレイがかかっていた人気曲だ(実際にシングルになっていた👇)。アルバムのオープニングでブルー・アイド・ソウルの定番のような滑らかな魅力的な作品だ。





☆ 上のYouTube(CBSソニーがディストリビュートしたTK盤シングルの方)コメント欄が当時六本木などのデスコでお遊びになったお歴々の暖かいメッセが見られ「時代」を感じさせる。ま,一方にはこの手の輩を「なんクリ野郎」と呼んで締めてた人達(その可能性が高いのがゲージツ家のクマこと篠原勝之氏など)もおった訳で,この時代までは軟派と硬派という分類が有効だったと思わざるを得ない(爆)。

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「Rock'n Me」 (The Steve Miller Band 1976年8月)



初出:2012年4月7日(未成 歌詩・抄訳・YouTube追加:2019年11月17日:19日多少修正^^;)

FLY LIKE AN EAGLE: 30TH ANNIVERSARYFLY LIKE AN EAGLE: 30TH ANNIVERSARY
(2006/06/28)
Steve Miller

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☆ 英語版Wikipediaにしっかり指摘しているが,この曲のリフはフリー「All Right Now」である(そこまで断言はしていないが,もう少し上品にこう書いている)。

> The song's bridge riff bears a heavy resemblance to the main riff of All Right Now by Free.

☆ 確かにガッと音を入れて,それに続いてつま弾くところはフリーの名曲の影響が色濃く出ている。もっともスティーヴ・ミラー御大も元はと言えばブルース・ロックから始めた人なので,ブルース的なリフを効果的に使ったとは言えると思う。

Rock'n Me (Steve Miller)


Well I've been lookin' real hard
ああ,全くずっとキツイ感じだったぜ
And I'm tryin' to find a job
しかも何とかして仕事を見つけなきゃいけなかったんだ
But it just keeps gettin' tougher every day
だけど日に日に状況ってヤツがしんどくなってきてさ
But I got to do my part cause I know in my heart
でもまあ俺(おい)らはそんな中でも自分の役割をしっかりやってたのさ
I got to please my sweet baby, yeah
あの娘を喜ばさなきゃいけないって分かってたからな

Well, I ain't superstitious
ああ,俺らは別に縁起を担ぐ方でもないし
And I don't get suspicious
ましてや疑り深いってこともない
But my woman is a friend of mine
だけど俺らの彼女からすればあくまでも友達の一人だってことで
And I know that it's true that all the things that I do
でもまあ,俺らがすることの全ては正解な訳で
Will come back to me in my sweet time
甘~いひと時がちゃんと戻って来るってことさ

So keep on rock'n me baby
だから,俺らを乗せてくれよ
Keep on a rock'n me baby
ずっとこのままノリノリで
Keep on a rock'n me baby
だから,俺らを乗せてくれよ
Keep on a rock'n me baby
このノリで俺らと決めてくれ

I went from Phoenix, Arizona
アリゾナのフェニックスにさ,行ってたんだ
All the way to Tacoma
タコマの方からぐるっと回って
Philadelphia, Atlanta, L. A.
フィラデルフィアだとかアトランタとかロスまで行ってね
Northern California where the girls are warm
北カリフォルニアじゃ女の子はみんな暖かい心で
So I could be with my sweet baby, yeah
だから俺らも自分の彼女と居られたらなあって思ってたのさ

Keep on a rock'n me baby
Keep on a rock'n me baby
Keep on a rock'n me baby
Keep on a rock'n me baby
Baby, baby, baby
Keep on rock'n
Rock'n me baby
Keep on a rock'n
Rock'n me baby

Don't get suspicious
そうそう疑り深くなるんじゃないよ
Now don't be suspicious
今じゃ誰も何も疑っちゃないだろ
Babe, you know you are a friend of mine
だからさ,君は俺らの大切な友達のひとりだってこと
And you know that it's true
マジなことって分かってるだろ
That all the things that I do
俺らがずっとやってきたことはみんな
Are gonna come back to you in your sweet time
ここに戻ってお前さんと甘~い時間を過ごすためだったってことをさ

I went from Phoenix, Arizona
All the way to Tacoma
Philadelphia, Atlanta, L. A.
Northern California where the girls are warm
So I could hear my sweet baby say
で,俺らも彼女がこう言うのを聞きたくなったって訳さ

Keep on a rock'n me baby
あたしと決めてベイビー
Keep on a rock'n me baby
ずっとこのままのノリで
Keep on a rock'n me baby
このまま決めてよベイビー
Keep on a rock'n me, rock'n me, rock'n
あたしと決めてベイビー,決めてね,決めて
Baby, baby, baby
ベイビー,ベイビー,ベイビー
Keep on a rock'n me baby
Keep on a rock'n me baby
Keep on a rock'n me baby

☆ スティーヴ・ミラーという人は朗々と歌う印象がある。「ジョーカー」や「アブラカダブラ」は淡々と歌っている印象が強いが(この2曲がその他のNo.1作品)「フライ・ライク・アン・イーグル」や「ジェット・エアライナー」やこの曲のような歌い方の方が彼っぽい気がする。それと,この曲はアメリカの色んな町の名が出てくるが,サンフランシスコのシーンを引き継いだヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「ザ・ハート・オブ・ロックンロール」に繋がるような感じがする。

2019年11月17日追記

☆ スティーヴ・ミラー・バンドとして2作目のNo.1(1976年11月6日付)ヒットのこの曲。息の長いヒットだったのでチャート推移はこうなる。

Billboard Hot 100 1976年
8/14 85位(New Entry)→70位(8/21)→56位(8/28)→37位(9/4)→27位(9/11)→23位(9/18)→21位(9/25)→18位(10/2)→13位(10/9)→11位(10/16)→10位(10/23)→3位(10/30)→No.1(11/6)→6位(11/13)→7位(11/20)→11位(11/27)→23位(12/4)→76位(12/11)→ランク外(12/18)

☆ 「Rock'n Me」がトップに立った近在のヒット曲を挙げると
Walter Murphy & The Big Apple Band 「The Fifth of Beethoven(運命'76)」
:10/9付 No.1
Rick Dees & His Cast Of Idiots 「Disco Duck」
:10/16付 No.1
Chicago 「If You Leave Me Now(愛ある別れ)」
:10/23~30付 No.1
「Tonight's The Night(Gonna Be Alright) (今夜決めよう)」
:11/13~'77 1/1 ☆8週連続No.1

☆ ディスコ旋風第一陣が吹き荒れた1976年夏~秋のチャートが落ち着く(シカゴのピーター・セテラとロッド・スチュワートがこの年を代表するバラードヒットを飛ばす)場面で,この時期唯一のロックンロール・ヒットだったのがこの曲。

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「Sweet Home Alabama」 (Lynyrd Skynyrd 1974年6月24日)


初出:2007年3月17日
セカンド・ヘルピングセカンド・ヘルピング
(2006/06/21)
レーナード・スキナード

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Sweet Home Alabama
 (Ed King - Ronnie Van Zant - Gary Rossington)



Big wheels keep on turning
列車は走り続けるのさ
Carry me home to see my kin
故郷の親戚に会うために俺を連れて行く
Singing songs about the Southland
南部のことを歌ったあの歌を口ずさみながら
I miss Alabamy once again
アラバマ娘にまた逢い損なったら
And I think its a sin, yes
それは罪深いことじゃないか

Well I heard mister Young sing about her
そこで,俺はヤング氏が彼女について歌ったのを聞いたんだ。
Well, I heard ole Neil put her down
そして,俺はニールさんが彼女のことを書き留めたのを聞いた
Well, I hope Neil Young will remember
だけど,俺にはニール・ヤングさんには覚えておいて貰いたいことがある
A Southern man don't need him around anyhow
「南部の男」はどっちにしても,お前さんに用はないってことさ

Sweet home Alabama
アラバマは素敵な故郷
Where the skies are so blue
空はどこまでも青い
Sweet Home Alabama
素敵な故郷,アラバマ
Lord, I'm coming home to you
そうとも,俺はお前の元へ戻って来たんだ

In Birmingham they love the governor (boo boo boo)
バーミングハムでも州知事は好かれているぞ (まさか,ね)
Now we all did what we could do
今では俺たちは,自分に出来ることはきちんとやって来た
Now Watergate does not bother me
今ではウォーターゲート事件は俺たちを悩ますことはない
Does your conscience bother you?
キミの良心は,そんなにキミを苦しめているのかい
Tell the truth
本当の事を言ってみろよ

Sweet home Alabama
アラバマは素敵な故郷
Where the skies are so blue
空はどこまでも青い
Sweet Home Alabama
素敵な故郷,アラバマ
Lord, I'm coming home to you
そうとも,俺はお前の元へ戻って来たんだ
Here I come Alabama
俺はアラバマに戻ってきたのさ

Now Muscle Shoals has got the Swampers
マッスル・ショールズのスタジオではスワンプ・ロックをやる連中が溢れている
And they've been known to pick a song or two
そこで奴らは1曲か2曲書き留めるのさ
Lord they get me off so much
どうか俺らをそこから引き離さないでくれ
They pick me up when I'm feeling blue
奴らは俺が憂鬱な時に元気づけてくれる
Now how about you?
お前はどうなのさ

Sweet home Alabama
アラバマは素敵な故郷
Where the skies are so blue
空はどこまでも青い
Sweet Home Alabama
素敵な故郷,アラバマ
Lord, I'm coming home to you
そうとも,俺はお前の元へ戻って来たんだ

Sweet home Alabama
アラバマは素敵な故郷
Oh sweet home baby
素敵な故郷さ,ベイビー
Where the skies are so blue
空はどこまでも青くて
And the governor's true
州知事は正しい行政を行っている
Sweet Home Alabama
アラバマは素敵な故郷
Lordy
そうだろ
Lord, I'm coming home to you
俺は,お前の元に戻って来たんだ
Yea, yea Montgomery's got the answer
州都モントゴメリーがその答えだ

【Notes】
・Neil Young:カナダ出身のシンガー・ソング・ライター。バッファロー・スプリングフィールド,CSN&Y,スティルス=ヤング・バンドで活躍。クレージー・ホースを率いて今もなお現役バリバリの「戦うミュージシャン」のひとりであり,アメリカン・ミュージックの最も重要なミュージシャンのひとりである。「A Southern man」は,彼の作品。

・Birmingham:アラバマ州バーミングハム市。アフリカン・アメリカンの公民権運動発祥の地。

・Watergate:ワシントンにあったビルの名前ならびにそのビルの名を冠した20世紀米国政治史上最大の疑獄事件。再選を図るリチャード・ニクソン大統領(共和党)の意を受けた大統領再選委員会のメンバーが1972 年にこのビルの中にあった民主党全国委員会事務局に侵入し,盗聴器をしかけようとして未遂に終わった事件。1974 年、ニクソン大統領は引責辞任。この事件をスクープしたワシントン・ポスト紙の記者ボブ・ウッドワード(当時30歳)は,現在もアメリカを代表する第一線のジャーナリストとして著作を多く出している。

・Montgomery:アラバマ州の州都モントゴメリー市

2稿:2015年6月8日
セカンド・ヘルピング/レーナード・スキナード
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Sweet Home Alabama
(Ed King, Gary Rossington, Ronnie Van Zant)




PERSONEL
Lynyrd Skynyrd :
Ronnie Van Zant – lead vocals
Ed King – lead guitar, backing vocals (first "woo" at the end of the last chorus)
Leon Wilkeson – bass guitar, backing vocals (second "woo" at the end of the last chorus)
Bob Burns – drums
Billy Powell – piano
Allen Collins – rhythm guitar (left channel)
Gary Rossington – rhythm guitar (right channel), acoustic guitar (left channel)

Additional personnel :
Al Kooper – backing vocals (left channel)
Clydie King – background vocals
Merry Clayton – background vocals

Produced by Al Kooper

2019年11月14日追記
☆ アラバマ州は合衆国南部に位置している。四方は東西南北の順にジョージア,ミシシッピ,フロリダ,テネシーの各州があるディープ・サウスというのがどこを指すのかわからないが,州の愛称がThe Heart of Dexie(南部の心臓部)ということだから,まあここもそうなんだろう。アラバマの名はネイティブ・アメリカンであるチョクトー族の言葉を語源とするようで,後年はアラバマ族が自らの部族名としたという。

☆ アラバマと言えばクリムゾン・タイドだ。これはスティーリー・ダンの「Deacon Blues」の歌詩に出てくるアラバマ州立大学のフットボールチームの愛称で,後年この名を冠した映画(1995年5月12日全米封切 トニー・スコット監督作品)も公開されている。

☆ この曲やアラバマ州についてはWikipediaのそれぞれの項目解説が適切であると思うので,ここに付言することはありません。
【CHART】
Billboard Hot100 1974
93位(7/27:New Entry)→72位(8/3)→56位(8/10)→44位(8/17)→36位(8/24)→28位(8/31)→22位(9/7)→18位(9/14)→14位(9/21)→10位(9/28)→9位(10/5)→19位(10/12)→15位(10/19)→8位(10/26:最高位)→8位(11/2)→44位(11/9)→93位(11/16)
☆ チャート歴を見て興味深いのは,初登場順位と最終(17週目)順位が同順位で,これ以外にも同順位を2度繰り返すものが二つ(8位と44位)あったり,一度順位を落としてから最高位に到達したりしていること。
カナダ:第6位,英国:31位(2008年リバイバル時:44位),スイス:51位,豪州:56位,西独:87位

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「Hard Times」 (Boz Scaggs 1977年10月) 一部訂正あり


初出:2008年1月29日(You TubeとPERSONNEL,チャート追記:2019年11月4日)
ダウン・トゥー・ゼン・レフト(紙ジャケット仕様)ダウン・トゥー・ゼン・レフト(紙ジャケット仕様)
(2005/11/23)
ボズ・スキャッグス

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Hard Times (B. Scaggs)
From the album "Down Two Then Left"
Recorded February 1977
Released November 1977
(Single Version)



I am down in the sea of confusion
僕の心は混乱の海の中に沈んでいる
'Neath the waves of no recovery
感情の波に呑まれ,回復はおぼつかない
Swept away by a distant voice calling
遠く離れた電話の声に心を奪われ
Ain't no use in trying to rescue me
もうどうやっても自分自身を救い出すことが出来ないようだ

I am falling
僕は落っこちていく
Back into your spell
君の魔力の元に
Back into your cell of no return
引き返すことの出来ない君の魅力の中へ
No way to rescue me
僕には自分を救い出す方法がもう分からない

I still see you
今でも君を見詰めている
Reaching out
手を伸ばして
To take your hold on me
この身体を抱きしめてくれるのを待ちかねる
Through a crack in the moon
月の裂け目を抜けて
I believed you
僕は君を信じ続けた
But I know this time there ain't no use
けれどもそれは何の意味もないことだと僕は知らされたのだ

I am falling
僕は落っこちていく
(I am falling)
(落ちていく)
Back into your spell
君の魔力の元に
Back into your cell of no return
引き返すことの出来ない君の魅力の中へ
No way to rescue me
僕には自分を救い出す方法がもう分からない

Falling.. back into your spell
落ちていく...君の魔力の元に
Back into your cell of no return
引き返すことの出来ない君の魅力の中へ
No way to rescue me
自分を救い出す方法はもう分からない

I am falling
僕は落っこちていく
Back into your spell
君の魔力の元に
Back into your cell of no return
引き返すことの出来ない君の魅力の中へ
No way to rescue me
僕には自分を救い出す方法がもう分からない

(Falling)
(落ちていく)
Back into your spell
君の魔力の元に
Back into your cell of no return
引き返すことの出来ない君の魅力の中へ
No way to rescue me
自分を救い出す方法がもう分からない

PERSONNEL
Boz Scaggs – lead vocals, guitar solo
Ray Parker Jr. – guitar
Michael Omartian – keyboards, synthesizers
Scott Edwards – bass
Jeff Porcaro – drums
Victor Feldman – claves
Jim Gilstrap – backing vocals
John Lehman – backing vocals
Zedric Turnbough – backing vocals

Chart
Billboard Top 100(1977年)
10/15:84位(NewEntry)→10/22:74位→10/29:62位→11/5:60位→11/12:58位(最高位)→11/19:95位

2018年11月4日追記
☆ 『ミドル・マン』(1980年4月)や映画『アーバン・カウボーイ』からのシングル「Look What You've Done to Me(燃えつきて)」が出た後,そこまでの活動をまとめた『ヒッツ!』(1980年)がリリースされた。LP時代,このアルバムの選曲は日米で異なっていた。確か米国盤の「You Make It So Hard (to Say No)」と「Dinah Flo」が日本盤では「Slow Dancer」、「Hard Times」と「Hollywood」に差し替えられていたのではなかったか。これには当時「口やかましい方々」からクレームがついていた(笑)。

☆ 日本盤の差し替え理由は明白で,『シルク・ディグリーズ』(1976年2月18日)の時にうまく売り出しそこなったボズも『ダウン・トゥ・ゼン・レフト(原題:Down Two Then Left)』(1977年11月)の頃にはすっかり「ソフト&メロウの第一人者」として売り出すことに成功していたからだ。だから本邦でリスナーにリーチした曲が彼のマイナーながらも初ヒットの曲に代わり,『スロー・ダンサー』のオープニングを飾る熱唱よりもよりソフト&メロウ色の強いタイトル曲のほうが日本盤に相応しいという判断だったのだろう(何せLPレコードはAB面合わせて45~47分が限界(=特に90分のカセットテープに収録するには)だったのでCD時代のようにたくさんボーナストラックは入れられなかった)。

☆ でもまあ,『ダウン・トゥ・ゼン・レフト(こちらが現在の表記)』,アルバム自体は最高位11位,プラチナ・アルバムとかなりのヒットだったにかかわらず,シングルは意外ヒットせず,伸びたのは彼のヴォーカルだけだったので(汗),当時の基準では本国のヒット曲集には入れにくかったと思う。

☆ 既出だが『シルク・ディグリーズ』がボズ・スキャッグスというブルーズ・ロック/ブルー・アイド・ソウルを出自とする一人のミュージシャンの音楽的履歴書的な(かつアルバム制作時の立ち位置を明確にした)作品であったのに対し『ダウン・トゥ・ゼン・レフト』は,むしろ『スロー・ダンサー』の頃のソウルフルな歌唱に立ち返る意図を感じる。それは彼のヴォーカルの特徴である「少し粘っこいところのある熱さ」を際立たせているものの,「ロウダウン」のクールネスや「二人だけ」「港の灯」のムーディーさは幾分後退しており,ましてディスコ系が全盛となっていくこの時期には「やや古さ」を感じさせたのかもしれない。シングルのエアプレイの不調はそういうところにあると思うし,彼もその部分は十分に考えて次作『ミドル・マン』制作に挑んだのだろうと思う。

2019年11月6日修正内容
『Down To Then Left』と『Hits!』を聴き直して幾つか修正しました。
① 邦題は最初から『ダウン・トゥ・ゼン・レフト』
② ポーカロがシンセ・ドラムを叩いているのは別の曲なのでPersonnelを修正
③ 日本盤の『Hits!』(LP盤:CD化)で「Hard Times」の収録を確認

テーマ:Musically_Adrift - ジャンル:音楽

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プロフィール

deaconblue

Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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