2017-03

「We Need Some Money」 (Chuck Brown And The Soul Searchers 1984年)



The Best of Chuck BrownThe Best of Chuck Brown
(2005/04/12)
Chuck Brown

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☆ チャック・ブラウンについて英語版Wikipediaにはこう紹介されている。
Charles Louis "Chuck" Brown (August 22, 1936 – May 16, 2012) was an American guitarist, bandleader and singer who is has garnered the honorific nickname "The Godfather of Go-Go".

☆ ここでいう"Go-Go"は,60年代のゴーゴー・ダンスやゴーゴー・ファンドとは何の関係もない,1970年代後半からワシントンD.C.を中心に流行りだしたファンクの一変形だ。チャック・ブラウンはそのムーヴメントを象徴するミュージシャン。前の時代の音楽で言えばボ・ディドリーだったり,以前にも書いたことがあるがアダム・アントが英国でやり始めたジャングル・ビートに近い音楽だと思う。むしろゴーゴーがジャングルやヒップ・ホップと相互に影響を与えていたことは,後年この曲がサンプリングなどを経て再評価され,チャック・ブラウン自身も晩年ではあったが来日していることからも分かる。たぶんその頃にはレア・グルーヴ扱いであっただろうが,この人自身は生涯現役に近い活動をしていた。

We Need Some Money

We Need Some Money(Full Length Version) (Chuck Brown And The Soul Searchers)
※5分20秒前後に一か所ノイズが入っています※




A Searchers Inc. Production.
Recorded and mixed at Power Station, NY.
Mastered at Sterling Sounds, N.Y.
Published by Z-Kidd Music BMI and Someofeach Music BMI.
(P) 1984 T.T.E.D. Records Arranged By – The Soul Searchers

Executive Producer – Maxx Kidd, Reo Edwards
Producer – Reo Edwards, The Soul Searchers
Written-By – C. Brown, M. Johnson, D. Tillery, J.B. Buchanan, M. Fleming

NOTES
A Searchers Inc. Production.
Recorded and mixed at Power Station, NY.
Mastered at Sterling Sounds, N.Y.
Published by Z-Kidd Music BMI and Someofeach Music BMI.
(P) 1984 T.T.E.D. Records
"Look out... Soul is Back!"

☆ NYのパワーステーションで収録されたということが誇らしげに書かれているが,最後の言葉がソウル・マンの気概を感じさせる。
「気を付けな...モノホンのソウル・ミュージックが戻ってきたぜ!」

☆ 以前にも紹介したが,山下達郎が自分の番組で1984年のベスト・レコードに,この盤を取り上げていた。彼も青山か渋谷かどこかでこのシングルを買った時にレーベル面を見ているはずである。当時のマイケルやプリンスに対する彼のスタンスを考えれば,この"Look out... Soul is Back!"はまさに当を得たコピーだったに違いない。

Master Card, VISA, American Express,
マスターカード,ヴィザ,アメリカン・エクスプレス
Ain't got no business with no credit cards
カードなしにゃ商売も出来ねえ
But cash is the Best
でも現ナマが一番だ

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「Birdland」 (Weather Report 1977年3月=アルバムリリース)


初出:2013年7月9日
ヘヴィー・ウェザーヘヴィー・ウェザー
(2013/10/09)
ウェザー・リポート

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☆ クロスオーヴァーとかフュージョンとかいう言葉を耳にしたころの代表的な作品。AORには入れて貰えない(笑)が,エレクトリック・ジャズ起源のクロスオーバー音楽の格好良さがプンプンする作品。このアルバムと言えば天才ジャコ・パストリアスだけど,スタジオ録音ではわりと大人し目に弾いているのがかわいい(笑)。

Birdland (Zawinul[Joe Zawinul])




☆ ジャコ・パストリアス在籍時の傑作といえば『8:30』。このライブでの「バードランド」は疾走しながらスウィングするという今ならネ申技とか書かれるような素晴らしい演奏。このスウィングを体感して分かるように,何だかんだ言っても彼らは骨の髄からジャズの人達なんだなあ。百歩譲ってもAORには入れられないか(苦笑)。

Birdland (『Weather Report 8:30』Version)




☆ この曲の神技ヴァージョンといえば,既出ですが(汗)マンハッタン・トランスファーのあれ。完コピのイントロからあっという間にマン・トラ・ワールドに引きずり込む(笑)。いろいろ言う人がいるが,原曲へのリスペクトなしにこのチャレンジは無い。原曲に対する「遊び」の部分も含めヴォーカル・グループの底力をまざまざと見せつけたこのヴァージョンこそ,AOR的解釈に相応しいと思う。




2014年3月17日記

☆ 「バードランド」は東京都中央区銀座にあるやきとり屋さんではなく,ニューヨーク・ブロードウエイの52丁目にあったジャズ・クラブ。ビリー・ジョエルが1978年に『52番街』で描いたようなジャズ・クラブ。今ある店は1986年に営業を始め,44超目に移転して現在に至るとウィキペディアの解説に書いてあった。

バードランド

☆ 「バード」がチャーリー・パーカーの仇名であることを知っている人も減ってきたかもしれない。同名の歌手がいるが,彼女はたぶん解っていると思う(同じようにSuperflyもカーティス・メイフィールドのことを知っていると思いたい)。

☆ 「バードランド」は,ウエザー・リポートの1977年作品『ヘヴィー・ウエザー』の冒頭を飾る曲だが,このアルバム『ヘヴィー・ウエザー』は,この時代のジャズ/フュージョン最大の成功作のひとつというべき作品だ。これはエレクトリック・ジャズがロックやポップ・ミュージックに文字通りクロス・オーバーしていく過程そのものであり,その最大のカタリスト(触媒)となったのは言うまでもなく文字通りの天才ベーシスト,ジャコ・パストリアスの存在だろう。彼のベースが全てを支配したわけではない。そうではなく総てのミュージシャンの想像力を最大限に刺激した。だから天才だと思うのだ。しかしこの曲,いやこの時代のウエザー・リポートの破壊力はライブにおいてその神髄を如何無く発揮した。その時期の最高の演奏が彼等の公式ライブ盤『8:30』に記されている。

☆ 『8:30』のヴァージョンでは,ジャコのベースが走り出すと同時に,レコードのピッチを上回るスピードで演奏が展開されていく。その圧倒的速さ,そして破壊力。レコーディングされた演奏を聴き返すだけでこうなのだから,この会場にいたかった。至福を味わいたかった。シャッフル・ビートでだんだん熱を増していく演奏は,俗な言い方で言えば「クールな熱情」そのものだ。この曲をジャズとかクロスオーバーとかそういうカテゴリの中に入れておくのが勿体ない。これは間違いなくこの時代のポップ音楽のひとつの到達点だった。彼らは先駆者であり,挑戦者であり,革命家だったのである。

☆ ところで『Heavy Weather』は1977年作品,『8:30』は1979年作品だ。マンハッタン・トランスファーが「バードランド」をカヴァーした『エクステンションズ』を発表したのは1979年10月31日。おそらくレコーディングの頃に『8:30』はリリースされていたから,『8:30』のライヴ・ヴァージョンは耳にしていたかもしれない。というのもマン・トランのヴァージョンはヴォーカルで出来るだけ途中の楽器音を再現しようとしているふしがあるからだ。

2017年3月20日付記

Live Concert, Offenbach, Germany, Sept. 29, 1978



PERSONEL
Wayne Shorter - soprano and tenor saxophones, lyricon, percussion
Joe Zawinul - electric and acoustic pianos, synthesizer, organ, percussion, guitar
Jaco Pastorius - electric bass, drums, percussion
Peter Erskine - drums, percussion

☆ オッフェンバッハでのライブはラフな部分(ミスタッチ等)が若干あるが,ウエザー・リポートが単なるクロスオーヴァー/フュージョン的なジャズをやっていたのではなく,最もロック的なアプローチをジャズの形を失うことなく果敢に挑戦したことを如実に表している記録だと思う。そこにあるのはリードギター(とリード・ヴォーカル)の代わりをベースとサックスとキーボードが担うフォーピースのロック・バンドの変形である。その音楽の再現性はロックに通じ,そのリズムの精髄はドラムスのスキッフルビートとベースのフォービートがミックスしたポリリズムであり,コーダ部分のジャムり方はロックの即興演奏では全くなく,ジャズ以外の何でもない。そんな革新的いや革命的な曲にリアルタイムで出逢えて本当に幸運だったと思う。




個人的に凄いと思うベースプレーヤー
1960年代後半~70年代前半
ジョン・エントウィッスル(ザ・フー)
1970年代
ジャコ・パストリアス
(ウエザー・リポート)
1980年代
マーク・キング
(レベル42)

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シュールの行方



初出:2014年6月30日

MONTAGEMONTAGE
(2013/04/10)
南佳孝

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☆ 78年の『サウス・オブ・ザ・ボーダー』からこのアルバムまでの間が坂本龍一のいわゆる「アルバイト期間」だった(笑)。そういえば佳孝氏のアルバムの中にはYMOになる前の三人が揃ってクレジットされている作品もある。だから『モンタージュ』のA面の殆どがテクノ(ハウスと言った方が良いかも)的な要素を反映させている。だけどテクノでタンゴをやるのはムーンライダーズの流れとかあがた森魚(ヴァージン・Vs)とかけっこう流行っていたんだな,あの頃のトーキョー。業界的には東京ロッカーズにばかり目が行ってたような気がするけども。

☆ 作曲:南佳孝と来れば組み合わせる作詩家はやはり松本隆か来生えつこになるだろう。松本=南は代表作がごまんとあるが,「モンロー・ウォーク」を代表とする来生作品も捨て難い。特にこの曲は彼も個人的に思い入れがあるようで,当時のMCでは詩の一説を引いて激しく同意していた(爆)。ちなみにこの路線では82年作品『Seventh Avenue South』に収録された「Down Beat」が最高傑作だと思うが,それはまた,別の話。

「コンポジション・1」 (作詩:来生えつこ / 作曲:南佳孝)



2017年3月17日追記
☆ 売野雅勇が河合奈保子の「エスカレーション」の詩を書いた時に,それまでの河合奈保子の路線をチェンジするという意味で遠回しではあったが来生えつこの作詩を貶していた(河合の前作品が来生の作詩。そういえば全く同じパターンを1年前に中森明菜でやっていた)。売野の発言はやや気負いがあって「それは違うだろ」と思ったのは,作家としての来生えつこが人(=歌手のキャラクター)を見て詩を書き分けていたことを知っていたからだ。気心の知れた南佳孝に書いた上の曲のシュールな詩を女言葉に書き換えれば,別にその当時の河合奈保子が歌っても全然違和感が無かっただろうし,その方が面白味もあったかもしれない。例えばこんなふうに。。。
" 遊び慣れてる オトコの言い草は 「カワイイ人なんだ」 笑わせないで "
こっちの歌詩の方が「エスカレーション」より,ずうっとシュールだと思うけど(笑)。

☆ シュールというコトバは,最近聞かない。もっともあの当時の用法だって,原意(シュールリアリズム [surréalisme] から転じた「現実を超越していて、真の理解が不能だというさま。(引用:コトバンク,出典元:大辞林 第三版)」)から相当離れていて,超現実主義というより,「物事(特に恋愛沙汰など人の感情に関すること)をクールに割り切ること,またはそういう言動」くらいの意味に使われていた(形容動詞的に「シュールな○○」という形でね)。

☆ この「シュール」は,今の「クール」や「スマート」につながる部分もあるけれど,どちらかというと今ではシュールの部分が単体で「チョー(なんとか)」と都合良く和訳されて使われている気がする。で,この論法でいくと「彼女はシュールだ」は「あの娘はチョー現実主義者だ」になるんだろうか?これって「ハルキスト」と同じくらい「座りの悪い」言葉だと思わない(爆)?

☆ あの時代(70~80年代初頭)で「シュールな人」って誰だっただろ?秋吉久美子や桃井かおりは近そうで違うな(何となく思ったのは「傷だらけの天使」のホーン・ユキがやってた探偵事務所の女の子かな)?とまあ,改めて考えてみると居そうで居ない気がする,こんなヒト。あの時代で殆ど居なかったとすれば今は絶滅ではなく元々想像上の存在だったのだと,それこそ「シュールに割り切った」方が良い気がする(苦笑)。

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何だか良く分からないままに大ブームの時代(その2.1)


噂(リマスター&ボーナス・ディスク・エディション)噂(リマスター&ボーナス・ディスク・エディション)
(2010/05/26)
フリートウッド・マック

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初出:2013年9月27日
初出(4):Musically_Adrift@ameba http://ameblo.jp/definitivegaze/entry-10524772442.html
初出(5):Musically_Adrift@ameba http://ameblo.jp/definitivegaze/entry-10524810259.html

=4=
☆『噂』からの最後のシングルは,これもクリスティーン・マクヴィーがヴォーカルを取る「You Make Lovin' Fun」だった。スティーヴィー(ニックス)に比べると彼女のヴォーカルはソウルフルでこの二人の女声の違いがフリートウッド・マックというバンドのレンジを広げていたことが分かる。今聴いても実にクールな曲。

You Make Loving Fun (Christine McVie)
Released September 1977(#9 US #7 CAN #45 UK)


☆『噂』は全世界で3,000万枚以上を売り上げるという文字通りのモンスター・アルバムとなった。なぜこれほどまでこのアルバムが成功したのかは,ヒット作の常として未だに謎である。ただ,非常にバランスの取れたアルバムであり,ソフト・ロックがAORへと展開していく時期に,元々ブルース・ロック・ムーブメントにその源を持つフリートウッド・マックがここまで支持を受けたということは象徴的な感じがしないでもない。ブルースやソウルという土台にバッキンガムとニックスという曲も作れてグループの華たりうる個性が出会ったことで,グループにとってのカタリスト(触媒)的な効果があったともいえる。また,この二人の加入前にグループを離れたボブ・ウエルチが,パリス(ポリスではない^^;)での活動の後ソロアルバム『French Kiss』を引っさげてシーンに華々しく復帰したのも偶然とはいえ,象徴的な気がする。彼らは皆,このときが「旬」だったのだ。

You make loving fun(1977 LIVE Full version)


=5=
French KissFrench Kiss
(2008/04/29)
Bob Welch

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☆ フリートウッド・マック繋がりで元メンバーのボブ・ウエルチの大ヒット作『French Kiss』に(笑)。ところで常々疑問(愚問でもある)に思っていたのだが,「フランス流の接吻」はライト・キスなのかディープ・キスなのか。ついでだから調べてみた(自爆)。

Sentimental Lady (Bob Welch #8 1977)



☆ 米国版Wikiを見ているとこのアルバムは当初パリスのサード・アルバムとして作られていたらしい。結局ソロデビュー作の形を取り,大成功(全米アルバムチャート最高位第12位,プラチナレコード)となる。ところで先ほどの「フレンチ・キス」については日本版ウィキペディアの「接吻」の項に実に詳細な描写があるので(爆)そちらを参照されたい。ひとことで言えば「フランス流のオープンなディープ・キス」のことを「イギリス人が揶揄して」名付けたということだそうだ(再爆)。しかしこの曲も実に時代を先取りした「AOR」だと思う。AORファンはもう少し視野を広げると,こういう曲をどんどんコンピレーションの中に入れられると思うのだが,どんなものか。

Ebony Eyes (Bob Welch #14 1978)
Backing vocal:Juice Newton


☆ 途中,どこかで聴いたフレーズが出てくるが,これはボブの方が先で,ジェフ・リンは後から使っている(ELO「Last Train To London」)。もっとも完全に無意識の仕業だろう。両者がこの件で「揉めた」という話を聞いたことがないから。こっちの方がロックっぽくて好きだ。


お約束の落書き帖
(1)ボブ・ウエルチはジャック・ウエルチ(GE前CEO)とは何の関係もない(そっちのウエルチはプラスチック事業で成功して出世街道をまっしぐらの時期ではあるが)。
(2)パリスはヒルトンの娘とは何の関係もない(下らな過ぎてコメントもない。ただし渋谷陽一大先生が絶賛したにも拘らずコケたことは事実ではあるが^^;)。
(3)ウィキペディアの解説によるとフレンチキッスはディープなものである(爆)。

2017年3月11日付記
☆ フリートウッド・マックはイギリスの60年代後半に巻き起こったブルース・ロック・ムーブメント(同時期のアメリカはサイケデリックからニューロックに移りつつあった。ちなみにプログレッシブ・ロックはこれにほんの少し遅れてイギリスを席巻する)の中から登場した。ブルース・ロックはやがてパブ・ロックの一つの水脈になり,海を越えて西海岸ロックに定着する(初期のスティーヴ・ミラー・バンドなど)が,フリートウッド・マックはボブ・ウエルチが加入した頃から今で言うメインストリーム・ロック(むしろA.O.R.かもしれない)に移行していく。



☆ フリートウッド・マックをスーパースターに押し上げたのは1975年7月11日発売の同名アルバム(邦題『ファンタスティック・マック』)だ。ボブ・ウエルチが脱退し,リンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスが加入したこの時期がいわゆる「黄金期ラインナップ」となる。前々回紹介したピーター・フランプトン『カムズ・アライブ!』は4月10日にNo.1になった後,7月24日,8月14・21・28日,9月11・18・25,10月2・9日とNo.1になっているが,このアルバムは9月4日にNo.1になっている。

Rhiannon (Stevie Nicks )
Release:1976年2月4日,全米最高位11位


☆ 『噂(Rumours)』は「リアノン」の発売からちょうど1年後,1977年2月4日にリリースされた。その頃のナンバーワン・アルバムはバーブラ・ストライサンド『スター誕生(オリジナル・サウンド・トラック)』で,これに前年末から快進撃を続けていたスティーヴィー・ワンダー『ソングス・イン・ザ・キー・オブ・ライフ』や日本のファンには(ポールの強制送還事件で)特に印象深い『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』,そしてイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』がNo.1を争っていた。『噂』が最初にNo.1を取ったのはアルバム発売からたった2ヵ月の4月2日。翌週も1位を取るが,イーグルスが逆転。そこから5週間『ホテル・カリフォルニア』が首位をキープするが,5月21日から8週間連続,『バリー・マニロウ・ライブ』に7月16日だけその座を譲ったが,7月23日から11月26日まで4ヵ月半19週にわたり首位を独占した。12月になってそれに代わったのがリンダ・ロンシュタット『Simple Dreams(夢はひとつだけ)』だった。

☆ 1976~7年という時期はスティーヴィー,イーグルス,フリートウッド・マックという70年代を代表する作品が次々にメガヒットした時期だったが,『噂』の破壊力はすさまじく,アルバムは全世界で4,500万枚を売り上げている。その頃我が国ではディスコ曲が爆発的に流行っていた。この系譜は後年(1980年代後半~90年代前半)ユーロ・ディスコとして大復活するが,ミュンヘンサウンドも一部含まれてはいたが(突破口としてのドナ・サマーの役割は本当に大きかった),全米チャートではあまり取り上げられないものばかりだった。チャート小僧(当時)としてはなかなか面白くない状況が続いていた。だから「オウン・ウエイ」「ドリームス」「ドント・ストップ」「ユー・メイク・ラヴィン・ファン」といったこのアルバムからのシングル曲はたいそう優遇したものである(爆)。

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何だか良く分からないままに大ブームの時代(その2.0)



噂
2,037円
Amazon



初出:2011年7月23日

☆ サウンドがガラッと変わったことで人気者になったバンドは数多い。あるいはもともと人気があったバンドのサウンドがガラッと変わったことで新しい(それも前よりも非常に多い)ファンを獲得したバンドも少なくない。フリートウッド・マックの場合は1970年代を代表するベストセラーアルバムとなって結実するのだが,その快進撃はこの曲から始まる。

(Go Your)Own Way (Lindsey Buckingham)


Loving you
Is it the right thing to do?
How can I ever change things
That I feel?

If I could
Maybe I'd give you my world
How can I
When you won't take it from me

You can go your own way
Go your own way
You can call it
Another lonely day
You can go your own way
Go your own way

Tell me why
Everything turned around
Packing up
Shacking up's all you wanna do

If I could
Baby I'd give you my world
Open up
Everything's waiting for you

You can go your own way
Go your own way
You can call it
Another lonely day
You can go your own way
go your own way

You can go your own way
Go your own way
You can call it
Another lonely day
You can go your own way
go your own way
You can call it
Another lonely day

You can go your own way...
You can call it another lonely day...
you can go your own way...

☆ その頃ヒットチャートに狂喜していた若者は全く知らない話だったが,このアルバム制作時のフリートウッド・マック内の人間関係は最悪の状態だった。そうした現実から逃れるように作品に没頭したということ(ウィキペディアの解説)だが,傑作とは得てしてそういう状態の中から生まれるものである(ビートルズでもそうだった)。

Classic Albums: Rumours [DVD] [Import]Classic Albums: Rumours [DVD] [Import]
(2005/02/22)
Fleetwood Mac

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初出:2013年9月26日
初出(1):Musically_Adrift@ameba http://ameblo.jp/definitivegaze/entry-10524689112.html
初出(2):Musically_Adrift@ameba http://ameblo.jp/definitivegaze/entry-10524701241.html
初出(3):Musically_Adrift@ameba http://ameblo.jp/definitivegaze/entry-10524716940.html
=1=
☆ 1970年代全米チャートを代表するモンスターアルバムは3枚ある。一枚目はピーター・フランプトンの『Comes Alive』二枚目がこのフリートウッド・マックの『噂(Rumours)』三枚目がオリジナル・サウンドトラック『Saturday Night Fever』。元々イギリスのブルース・ロックのムーブメントの頃に結成されたフリートウッド・マックは,メンバー交代とともにサウンドの色を変え,商業的な成功を収めた前作『ファンタスティック・マック(Fleetwood Mac)』ではボブ・ウエルチに代わりリンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスの二人が加わり,バンドはポップ・ロック・バンドとしての形を整える。
Go Your Own Way (Lindsey Buckingham)
Released January 1977 #10 US,#11 CAN CER,#1 NL,#38 UK

☆ 1982年「Mirage」ツアーからロス・アンゼルスでの演奏。


☆ リンジー・バッキンガムのア・カペラ・ヴァージョン。曲の輪郭がはっきり掴める。
※このヴァージョンはインストゥルメンタル・パートは無音で,画面だけが動くので留意方。


=2=
噂 35周年記念盤 デラックス・エディション噂 35周年記念盤 デラックス・エディション
(2013/02/27)
フリートウッド・マック

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☆ この曲でスティーヴィー・ニックスは全米の歌姫の座に就いた。7年後にマドンナがその地位を襲名するまでの間,彼女が歌姫だったのである。

Dreams (Stevie Nicks)
US Released March 24, 1977、UK June 1977
US,CAN #1 NL #8 UK#24



☆ 静かな曲だ。スティーヴィー・ニックスは少し癖のある濁(だみ)声なのだが,この曲では不思議とそれが目立たない。おそらく「ソフト・ロック」という言い方が出来る最後の方の作品で,数年後であれば「メインストリーム・ロック」もしくは「AOR」となったことだろう。

Dreams (Fleetwood Mac) Live 1979


=3=
☆ フリートウッド・マックの女性ヴォーカルは,スティーヴィー・ニックスとクリスティーン・マクヴィーの二人となり,スティーヴィーは先に書いたようにアメリカの歌姫になる。クリスティーン(マクヴィー)にその気がなかったとしても彼女もまた才能あふれたミュージシャンであるとともに,ヴォーカルも取れるキーボーディストであり,このシングルはそれを証明するものだった。

Don't Stop (Christine McVie)
Released US July 6, 1977 / UK March 1977
#1 CAN,#3 US,#4 NL,#32 UK



If you wake up and don't wanna smile
If it takes just a little while
Open your eyes and look at the day
You'll see things in a different way

Don't stop, thinking about tomorrow
Don't stop, it'll soon be here
It'll be, better than before
Yesterday's gone, yesterday's gone

Why not think about times to come
And not about the things that you've done
If your life was bad to you
Just think what tomorrow will do

Don't stop, thinking about tomorrow
Don't stop, it'll soon be here
It'll be, better than before
Yesterday's gone, yesterday's gone

All I want is to see you smile
If it takes just a little while
I know you don't, believe that it's true
I never meant any harm to you

(Repeat Chorus 2x)
Don't stop, thinking about tomorrow
Don't stop, it'll soon be here
It'll be, better than before
Yesterday's gone, yesterday's gone

Oh... Don't you look back
Oh... Don't you look back
Oh... Don't you look back

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deaconblue

Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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