2017-10

「Breaking Us in Two(危険な関係)」 (Joe Jackson 1982年)




Breaking Us in Two (Joe Jackson)


Don't you feel like trying something new
ねえ,ぼく達のこの関係をどうにかしたいって気にならないか
Don't you feel like breaking out
このまま二人の関係が破綻して
Or breaking us in two
元のひとりとひとりに戻りたいのかい
You don't do the things that I do
きみはぼくがすることをしてくれない
You want to do things I can't do
きみが望むのは,ぼくにはできないこと
Always something breaking us in two
いつだって何かがぼく達を二つに引き裂こうとするのさ

You and I could never live alone
きみとぼくとは別々に暮らすことができなかった
But don't you feel like breaking out
でもきみはそれを崩して
Just one day on your own
きみひとりの暮らしを始めたいとは思っていないのかな
Why does what I'm saying hurt you
なぜぼくの言葉にきみは傷つくの
I didn't say that we were through
ぼく達はもう終わってしまったなんて口にもしてないのに
Always something breaking us in two
いつだって何かがぼく達を二つに引き裂こうとするのさ

They say two hearts should beat as one for us
ふたつの心がふたりのために一つに響き合う時もある
We'll fight it out to see it through
ぼく達はそれを分かろうとするために努力している
I say that won't be too much fun for us
それはふたりにとって必ずしも楽しいことではない
Though it's oh so nice to get advice
でもそれを成すことが困難であるほど
It's oh so hard to do
その助言を得ることがふたりにとっては好ましいことなんだ

Could we be much closer if we tried
ぼく達はお互いに歩み寄る努力をしなければいけない
We could stay at home and stare
ぼく達は家にいる時はもっと互いの姿を見なければいけない
Into each other's eyes
お互いの瞳の中に
Maybe we could last an hour
たぶんそれは1時間でも続けられるだろうし
Maybe then we'd see right through
たぶんぼく達はお互いのことをしっかり見つめられるのだろう
Always something breaking us in two
いつだって何かがぼく達を二つに引き裂こうとするから



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「LOVE IS IN MY SIGHT」 (The SQUARE 1986年3月5日=アルバムリリース)


S・P・O・R・T・SS・P・O・R・T・S
1,572円
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☆ 80年代半ばスクエアは絶頂期に向かっていた。『脚線美の誘惑』で見出した基本的な方向を維持しつつ,2年に3作という信じられないペースでアルバムを送り出し(当たり外れは確かに多少あった),あっという間にカシオペアと並び立つ人気者になっていた。どちらも若く,その割に手練れの演奏技術を持ち,コンセプトの明確なアルバムを発表することで,自らの音楽の方向性を明示しつつそれに見合ったポピュラリティを獲得していた。まあ羨ましい限りである(笑)。

☆ こうしたフュージョンの若手グループが当時目指したのは,当時のF1/M1層のターゲットであった「西海岸」的なもの(これは本当のカリフォルニアではなく,ホットドッグプレスやFineのような雑誌のカラー)をインストゥルメンタルに置き換えることだった。これは彼らの音楽的指向ともたぶん合っていたので「流行に媚を売る」イメージを与えることなく,時代の流れをリードするという非常に都合のよいポジションを確保したことになる。

「LOVE IS IN MY SIGHT」 (作曲:安藤まさひろ)



☆ アルバムジャケットはメンバーがプールで泳ぐ姿だが,この曲のイメージは球技,それもテニスやスカッシュのような速い球速を持つ対抗競技である。相手のコートだとか壁に向かってスマッシュを打ち込む時の,あのフィーリングがある。それは一に爽快感だが,演奏からも窺えるように,むしろ集中力と瞬発力それから飛び散る汗というイメージがある。

☆ こうした肉感ともいえるものが音楽のディジタル化が進むにつれて失われてきたように思うのは,若い時分に汗を飛び散らせる音楽を好んで聴いてきたからだろうか。

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「(I Can't Get No) Satisfaction」 (The Rolling Stones 1965年6月6日=米、8月20日=英)


220px-Satisfaction-us.jpg

初出:2012年5月9日
アウト・オブ・アワ・ヘッズ(紙ジャケット仕様)アウト・オブ・アワ・ヘッズ(紙ジャケット仕様)
(2008/12/24)
ザ・ローリング・ストーンズ

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☆ シンプルな音にシンプルなメッセージを載せることが最も効果的な音楽的煽りであると思う。それは1960年代に入った「まだ若かった」ロックンロール(の担い手)が見つけたことだった。絵空事の恋愛でなく「リアルな日常」を描くことでメッセージとしてのロックンロールは進化した。ビートルズが「抱きしめたい」と歌い,フーが「年寄りになる前に死んでしまいたい」と歌ったように,ローリング・ストーンズは「何ひとつ満足なんかしてないぜ」と言い捨てて世の中を揺さぶった(Rock the world)。

(I Can't Get No) Satisfaction (Jagger/Richards)


☆ 1974年ごろにジェフ・ベックが言ったとされるように(笑),ローリング・ストーンズはスリー・コードの曲を延々と演奏し続けるバンドで,それは彼らがお手本としたリズム&ブルースやそれ以前のブルースの伝統だからだ。そこにはシンプルなものをシンプルに表現することで数多の雄弁を沈黙させるというロックン・ロールの本質がある。

2017年10月14日付記
☆ この曲がリリースされた50年以上前の時代は,この程度の異議申し立てでもオトナ達は目くじらを立てた。こんな「(現状に)満足なんて出来ねえぜ!」って連中は,それこそホモ・サピエンスの歴史とともに存在し,「近ごろの若い者は」の出典も,ぼくが学生の頃は古代ギリシアとか言われていたが,今じゃ古代バビロニアまで遡れるようで,そのうち古代中国と古代エジプトが何らかの証拠を片手にこの記録を更新することが見込まれていそうだ(爆)。

☆ この曲だとか「黒く塗れ」だとか「夜をぶっ飛ばせ」などはどうしても性的なニュアンスで解釈され(これに対して前回の「イッツ・オンリー・ロックンロール」は薬物のニュアンスで放送規制が掛かった気配がする。)いずれにせよ「やんちゃ」とか「ヤバい(本来の意味の)」がこのバンドに付きまとうきっかけになったことは確かだ(反面,ザ・フーには「反抗的」とか「暴力的」というニュアンスがたっぷり振りかけられた。もっともザ・フーの場合は実践者が数名いたのも事実であるが(爆))。

☆ これをソフィスティケイテッドな現代に持ち込めば,自己実現の欲求だとか(アブラハム・マズローですな),自分探しだとかそういった自己啓発系のネタ元にされそうな気配もあるが,ヤバい人と自己啓発系が結びつくと「闇金ウシジマくん」のエピソードのような方向になるので更に拙いかもしれない(沈黙)。

☆ この「満足できないぜ」は同時期のボブ・ディランが歌った「どんな気持ちかい?」と同じくらいの効果を世間に与えた。あいつら(若者)はヤバい。その懸念が現実化するのは3年後の1968年である。いかにも「まだ若かったロックンロール」(浜田省吾「BLOOD LINE (フェンスの向こうの星条旗)」)の時代のことだった。

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「Come On Eileen」 (Dexys Midnight Runners 1982年6月25日)~Too Rye Ayeの謎が解ける




☆ アメリカのチャートにしか興味のない人には,80年代を代表する "OHW" の1曲なんだろうが(大ッ嫌いなコトバなので,略称しか書かない),デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの「カモン・アイリーン」は不思議なテイストを持った作品だった。ケヴィン・ローランドが2トーン・ムーヴメントの掉尾にデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズを率いて英国シーンに登場した時,1960年代の英国北部で好まれたノーザン・ソウルの継承者(New Soul Vision)として彼は名乗りを上げ,ほどなくプレス(音楽紙業界)と徹底的に対立する。2トーン・ムーヴメントもThe (English) BeatとUB40の登場で音楽的段階を進めていたし,スペシャルズは分裂し,マッドネスは我が道を歩み始めた(そういえばそのどさくさの中から出てきたのがバナナラマだったりするのだが)。こうしたムーヴメントの変化と関係ないところで「トランペットがプレイするバンド」(マーク・ノップラー:ダイアー・ストレイツ「悲しきサルタン」の歌詩)が新たなムーヴメントを作り出すのに成功し,天才ケヴィン・ローランドはそれに飽き足らずバンドの方向を勝手に変えてしまう。称して「ケルティック・ソウル」。

Come On Eileen
(Kevin Rowland / Jim Paterson / Billy Adams)



☆ アイルランドにルーツを持つミュージシャンは多い。ジョン・レノンもそうだし,数年前の夏に「Oliver's Army」を解析したエルヴィス・コステロもそうだ。ケヴィン・ローランドもそうしたミュージシャンのひとりとして誰も見たことも聴いたこともない「ケルティック・ソウル」を勝手に創り出してしまった。そのアルバムのタイトルが『Too Rye Aye(女の泪はワザモンだ!!)』という滅茶苦茶な邦題がついたセカンド・アルバムである。この原題,長いこと意味が分からなかったのだが,この間偶然読んだ本にその答えらしきものが載っていた。それもデキシーズとは何の関係もないところに。。。


同書P.101より引用(これは19世紀以降の米国の船乗りの歌について書かれた部分である)
> (前略部分には船上では出身や肌の色による差別は陸上ほどないということが書かれてある) また,多人種間で優秀と認められていたのがハワイ人だった。ハワイ人は現地語でハワイ人を意味する「カナカ」を姓にして歌に登場することが多く,「ジョン・カナカ」といえばハワイ人の水夫のことである。「船長の声が聞こえた気がしたぞ / ジョンカナカナカ / トゥーレイアイ / 仕事はあした 今日は休み / ジョンカナカナカ / トゥーレイアイ」(「トゥーレイアイ」はアイルランドの歌にある合いの手で,特に意味はない)。

☆ これだ。確かに「カモン・アイリーン」の中でもこの言葉は合いの手のように使われているし,意味もない。だとしたら,変な邦題付ける前に素直に『トゥー・レイ・アイ』で邦盤リリースしとけばよかったのだろうけど,それじゃあ誰も意味が分からないことになるのか。この記述を見てピンと来たのは,このアルバムが前作の「ノーザン・ソウル・リヴァイヴァル」から "アイリッシュ海を越え" 「ケルティック・ソウル」と展開を遂げたことだ。つまり
> 「トゥーレイアイ」はアイルランドの歌にある合いの手
だということ。

Notes(Wikipedia英語版より)
最高位(週間)
No.1:全米(ビルボード/キャッシュボックスとも),豪州,ベルギー,アイルランド,ニュージーランド,南アフリカ,スイス,全英
第2位:カナダ、第4位:オランダ、第5位:フランス、第6位:西独 
(年間=1982年)
No.1:全英、第5位:ニュージーランド、第8位:ベルギー、12位:豪州、28位:オランダ、32位:カナダ
(1983年)12位=全米(ビルボード)、13位(キャッシュボックス)
> The song reached number one in the United States on the Billboard Hot 100 charts during the week ending 23 April 1983.
この曲は1983年4月23日付ビルボードHot100の第1位となった。
"Come on Eileen" prevented Michael Jackson from having back-to-back number one hits in the US: "Billie Jean" was the number one single the previous week, while "Beat It" was the number one song the following week.
「カモン・アイリーン」は,マイケル・ジャクソンの二つのナンバーワン・ソング(「ビリー・ジーン」と「今夜はビート・イット」)に挟まれる形でナンバーワンになっている。

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「Tell Her No」 (The Zombies 米:1964年12月、英:1965年1月)



初出:2012年5月12日

Singles A's & B'sSingles A's & B's
(2002/07/23)
Zombies

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☆ ゾンビーズは1960年代のブリティッシュ・インヴェンジョンの中でも特異な存在で,本国の英国ではTop10ヒットが1曲も無い(英語版 Wikipediaの記述によると,米国での三大ヒット曲のチャートアクションを比較すると「She's Not There」(米国:2位,英国:12位)「Tell Her No」(米国:6位,英国:42位)「Time Of The Season」(米国:3位,英国:チャート圏外)という結果)。更に日本では「I Love You」(英国のみシングルカットするも圏外)をグループサウンズのザ・カーナビーツが「好きさ 好きさ 好きさ」のタイトルで大ヒットさせているので,ゾンビーズの最もコアなファンはもしかすると日本に多かったかもしれない。

☆ ゾンビーズはロッド・アージェントとクリス・ホワイトという二人の優れたソングライターとコリン・ブランストーンという1960年代の英国を代表してもおかしくない才能溢れるシンガーを擁していた。ブリティッシュ・インヴェンジョンのグループサウンズ的な魅力もあったが,そのサウンドの特徴は際立ったクールさで,他のR&Bを母体とする熱いグループとは一線を画していた。それが彼らの人気がいま一つ盛り上がらない理由だったかもしれないが,少なくとも先に挙げた三つの米国でのヒット曲を始めとして,タイムレスなスタンダードたりうる作品群を残している。彼らの60年代最後の作品集『オデッセイ&オラクル』は確かにサイケデリック・ロックの影響を受けた作品であるが,アルバムジャケットほど音はサイケでなく,このアルバムを以てゾンビーズをサイケデリック・ロックの範疇に入れることには同意しかねる。

2017年10月11日追記

ZombiesZombies
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☆ ゾンビーズはブリティッシュ・インヴェンジョンの系譜に属しながら非常に特異なバンドだと思う。バンドには三つの個性(二人のライター=ロッド・アージェントとクリス・ホワイト、一人の卓越したヴォーカリスト=コリン・ブランストーン)があり,三者のバランスが取れればもっと大々的な成功を得られたと思われるが,むしろこの曲,「シーズ・ノット・ゼア」,「タイム・オブ・ザ・シーズン(二人のシーズン)」そして『オデッセイ・アンド・オラクル』と音楽的方向性が見えないまま消えてしまったバンドになってしまった。

☆ Wikipedia英語版の解説では,この曲を書いたクリス・ホワイトは「バート・バカラックとハル・デヴィッドの音楽に影響を受けた」と述べているが,確かにこの曲の個性的なリズム・パターンはバカラックの香りがする。当時は確かジャズ・ロックなんて言われ方をしたのではないかと思う(ただしこの言葉を聞いたのは曲がヒットして10年以上経った頃の話だが)。

Tell Her No (Rod Argent)


☆ この曲でコリン・ブランストーンは "No" という言葉を63回言っているそうだ。こんな名曲だがロックンロール・ベースのヒット曲の全盛期には目立ったヒットになることもなく,英国では65年2月に最高位42位を記録したに留まっている。

☆ 1983年にジュース・ニュートン(当時人気のあったアメリカの若手カントリー・ポップ・シンガー)が「不用意に」この曲をカヴァーしTOP40ヒットになったものの,某山下達郎にケチョンケチョンにされていたのを彼の番組で聞いた記憶がある(爆)。そういえばあまり音楽的に合いそうもない山下と南佳孝の二人が(別々に聴いたのだが)揃ってこの曲を60年代の名曲に挙げていたことは当時の記憶に残っている。

☆ 「ポップ・ソングは3分間の芸術」とはよく聞いた言葉だったが,2分7秒のこれはその基準で言えばたぶんネ申曲なんだろう。

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「The Working Hour」 (ティアーズ・フォー・フィアーズ 1985年2月25日=アルバムリリース)


初出:2014年8月8日
シャウト+7シャウト+7
(2011/11/09)
ティアーズ・フォー・フィアーズ

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The Working Hour
( Roland Orzabal, Ian Stanley, Manny Elias)



These things
ぼくがずっと
That I've
言ってきたこと
Been told
それらすべて
Can rearrange
整理し直すことができる

My world
ぼくの考えのすべて
My doubt
ぼくの抱く疑問のすべて
In time
早晩
But inside out
それも徹底的に

This is the working hour
これが執務時間
We are paid by those
ぼくらは自分達のしくじりで
who learn by our mistake
学んでいる人に養われている

This is the working hour
これが執務時間
We are paid by those
ぼくらは自分達のしくじりで
who learn by our mistake
学んでいる人に養われている

This day
この日
And age
そしてこの時代
For all
全てのものに
And not for one
しかもひとつもなく

All lies
全ての嘘
And secrets
そして機密たち
Put on
進めて
Put on and on
そのままずっと

This is the working hour
これが執務時間
We are paid by those
ぼくらは自分達のしくじりで
who learn by our mistake
学んでいる人に養われている

This is the working hour
これが執務時間
We are paid by those
ぼくらは自分達のしくじりで
who learn by our mistake
学んでいる人に養われている

And fear is such a vicious thing
そしてぼくらの恐れはそんなに酷いものなのか
It wraps me up in chains
それはぼくの身体をぐるぐる巻きにしてしまう

Find out
見つけるんだ
Find out
見つけ出せ
What this fear is about
何がこの恐れの正体なのか

Find out
見つけるんだ
Find out
見つけ出せ
What this fear is about
何がこの恐れの正体なのか

Find out
見つけるんだ
Find out
見つけ出せ
What this fear is about
何がこの恐れの正体なのか



2017年10月9日付記
☆ ティアーズ・フォー・フィアーズに世界的な名声を与えた彼らの第2作『Songs from the Big Chair(シャウト)』の2曲目の作品。The Big Chairの由来は上に示した『失われた私』(フローラ・リータ・シュライバー著 1973年)及び同著の映画化『Sybil』である。このノンフィクションの主人公は16の人格を持つ解離性同一性障害だったという。作品としての「The Big Chair」は「Shout」のB面に収録されたが,LPには収録されず,CDになった後ボーナス・トラックとして加えられた。



☆ ここに示された主題は別の読み解き方もあるけれど,当時の米ソ軍拡競争や核戦争(米レーガン政権は宇宙防衛構想まで考えていた)に対する嫌悪や抵抗(当時は反核運動(=No Nukes)と言われていたもその通奏低音の一つとしてあると思う。反核運動は80年代前半がピークでイギリスのニューウエイブバンドは様々なリアクションを示している。またそれをきっかけとする反戦ソングとしてネーナ「99ルフトバルーン」やポール・ハードキャッスル「19」なども良く知られている。

☆ 反戦と読み解かなくてもジョージ・オーウェルが示唆した独裁の年『1984』を過ぎて,明らかにそういう形での「支配」に対する「警戒」もこのアルバムには溢れている。そしてそのように裏読みもできる曲「Everybody Wants to Rule the World」が彼等を全米No.1に押し上げたのは何かの皮肉なのだろうか?



☆ 矢部宏治が繋いだピース(Piece)は白井聡の提起した問題に対する回答にもなり得ると思う。矢部の手法は典型的なオシント(OSINT:Open source intelligence)であり,烏賀陽弘道も正当に評価するだろうと思う。


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「It's Only Rock 'n Roll (But I Like It)」 (The Rolling Stones 1974年7月26日)


初出:2012年5月2日
イッツ・オンリー・ロックン・ロールイッツ・オンリー・ロックン・ロール
(2011/10/12)
ザ・ローリング・ストーンズ

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☆ 本格的にストーンズを聴き始めた時のリアルタイマーがこのアルバムだった。ストーンズの裏話が面白おかしく吹聴され,肝心のバンドはモスクワでさえ(当時は社会主義ソ連邦の首都)コンサートが出来たのに来日は拒否され「ローリング・ストーンズは来なかった」なんて曲まで出て来る有様だった。この辺は(ポールの失点があったとはいえ)ウイングスも似たり寄ったりで,日本の洋楽・ロックファンにはストレスの溜まる時期だった。
It's Only Rock 'n Roll (But I Like It) (Jagger/Richards)


☆ この曲がどうというより,ストーンズに対して最初に思ったのは,ダルい格好良さだった。なんか遠くの方からドカドカとやって来て,大音量でかったるいロックンロールを響かせて,その歌詩が「たかがロックンロールだって分かっちゃいるが,俺は好きだね」だってさ!そういう感じ。この何とも猥雑な感じがストーンズのロックンロールだと思った。曲のコーダだってそうで,いったん緩みかけた曲を締めあげて,またドカドカっと去っていく。これが良かった。


☆ この曲について書かれた色んなこと。これはプレスを揶揄した曲だとか,そうではなくて聴き手に挑んでいるだとか。まあそれはそれで一面を衝いているかもしれないが,この曲と入れ替わるようにストーンズ自体もミック・テイラーが抜け(この作品タイトルのインスピレーションを与えたという)ロン・ウッドが入ってくるし,ロック自体も60年代ロックの方向性が出尽くした頃にパンク/ニューウエーブが燎原の火のように燃え上がる。その寸前の世界にあってこの曲が存在したというのは興味深い。70年代のクスリ漬けでかったるいストーンズが,そのかったるさを行き着く所まで行き着かせたのがこの曲(とこのアルバム)だったような気がしないでもない。じゃあその次のもっと真っ黒なアルバムはどうなのかというのは,また別の話。

2017年10月7日付記
☆ 日本版Wikipediaの解説より引用。
> 作者クレジットはジャガー/リチャーズとなっているが、曲の原型はウッドが作ったという。このため、クレジットには"Inspiration by Ronnie Wood"と注釈がつけられることがある。「たかがロックンロール、でもそれが大好きなんだ」というフレーズは、ジャガーとケニー・ジョーンズが起こしたちょっとした口論から生まれたものだという(ベストアルバム『フォーティ・リックス』日本版(2002年)の寺田正典による解説より)。こうして原型が出来上がったものをストーンズのセッションに持ち帰り、ミュンヘンのミュージックランド・スタジオに於いて更に練り上げた結果としてできたのが本作である。ミュンヘンに持ち帰ったセッションテープには幾つかの改変が為されており、イアン・スチュワートのピアノが追加されている(『ローリング・ストーンズ/レコーディング・セッション』 マーティン・エリオット著、渡辺淳・訳 (シンコーミュージック) P171)。歌詞にはデヴィッド・ボウイの「ロックン・ロールの自殺者」(1972年のアルバム『ジギー・スターダスト』収録)からの影響が見られるとする指摘がある(『ザ・ローリング・ストーンズ全曲解説』 ジェイムス・ヘクター著、山崎智之・訳 (シンコーミュージック) P194 - P195)。

> シングル盤のジャケットには大きなペンを自分の胸部に突き刺すジャガーのイラストが描かれている。このイラストの意味についてジャガーは「まぁ、気楽なアンチ・ジャーナリズムってやつかな」と説明している(ベストアルバム『ジャンプ・バック〜ザ・ベスト・オブ・ザ・ローリング・ストーンズ』(1993年)付属のライナー・ノーツより)。マイケル・リンゼイ=ホッグの監督によるプロモーション・ビデオも制作され、水兵隊の衣装を着たメンバーが船内をイメージしたセットの中で演奏するシーンが中心となって収められているが、後半からセット内にシャボン玉が充満していくシーンで、シャボン玉の勢いが強すぎて泡が見る見るうちに充満してしまい、後方でドラムを叩いていたチャーリー・ワッツが逃げ遅れる場面も映されている。この映像はYou Tubeのストーンズ公式ページで視聴できる(上のYouTube参照)。

> 1974年7月26日に英米同時にリリースされ、イギリスでは何とか10位につけたものの、アメリカでは最高位16位(ビルボード)に甘んじている。ストーンズの先行シングルがアメリカでトップ10に入らなかったのは1968年の「ストリート・ファイティング・マン」(48位)以来であるが、この曲の場合は全米中のラジオ局で放送禁止の措置をとられたという背景もある(公式写真集『The Rolling Stones 50』(ローリング・ストーンズ著、佐藤志緒訳、ヤマハミュージックメディア刊、2012年、ISBN 978-4-636-88707-5) 175頁)。この結果にストーンズの商業的スランプの端緒と見る向きも多かった。しかしその一方、後述の通りコンサートに採り上げられる機会は多く、また多くのベスト、コンピレーション盤に収録されるなど、ストーンズの代表作の一つという評価を得ている。

Personnel
The Rolling Stones
Mick Jagger – lead vocals, backing vocals
Keith Richards – electric guitar, backing vocals

Basic track on "It's Only Rock 'n Roll (But I Like It)"
Kenney Jones – drums
Willie Weeks – bass guitar
David Bowie – backing vocals
Ronnie Wood – twelve–string acoustic guitar, backing vocals

☆ PERSONELは英語版Wikipediaから採った(同名アルバムのパーソネル)。その結果はご覧の通りである。で,上の日本語版Wikipediaに書いてあるミックとケニー・ジョーンズ(ロン・ウッド同様この時はまだフェイセズに在籍)の話とかロンへの献辞などの意味がここから分かることになる。

☆ この曲,シングルとアルバムはヴァージョン違いの筈で,シングルヴァージョンが収録されているCDもあると思うが,なぜかこの辺の言及がどこにもない気がする。B面の「Through the Lonely Nights(スルー・ザ・ロンリー・ナイト)」は,ストーンズファンには有名なオーファン(孤児)曲(その盤以外に収録されていない)だった。この曲の「その後」については日本語版Wikipediaに次のように書いてある(良かった,良かった(*^_^*))。

> 尚、シングルのB面に収録された「スルー・ザ・ロンリー・ナイト」は、アルバム『イッツ・オンリー…』からの曲ではなく、1973年のアルバム『山羊の頭のスープ』のアウトテイクである。この曲にはジミー・ペイジが参加したとする説がある(アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコーミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)111頁)。この曲は以後、ストーンズのアルバムには全く収録されず、レア・トラックとなっていたが、2005年のコンピレーション盤『レアリティーズ 1971-2003』で初めて公式アルバムに収録されている。

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「いつか街で会ったなら」 (吉田拓郎 Covered 1977年4月25日)




☆ 数年前から新聞の一面広告で五十嵐淳子の姿を見かける。いまふうの言い方をすれば美魔女なんだろうが,彼女の不在を思う時,この曲が思い浮かばれる。日本テレビの刑事ドラマは案外興味がなく,見ていない。後から見たのも探偵ドラマ(「傷だらけの天使」)だし,中村雅俊に至っては出世作の青春ドラマも見ていない。

☆ かくも長きテレビドラマへの不在は,単に塾通いのラジオっ子だったからというあっけない理由である。学校から戻って夕方に軽食を取って学習塾に通うという中学生時代のパターンがゴールデンタイムのテレビを遠ざけ,深夜枠のラジオに生活の楽しみが移った後では,高校になってもそのパターンのままラジオを聴きながら殆ど集中しない勉強をダラダラとやって過ごすなんて日常だったのだろうと思う。

☆ というわけでドラマ自体にはトンと縁がなかったのに,ヒット曲という繋がりでこの時代のドラマの主題歌には深い思い入れがある。日テレの刑事ものなどそんな名曲のオンパレードだったりするが,この曲はその中ではわりと初期の方の作品。

「いつか街で会ったなら」 (作詩:喜多条忠 / 作・編曲:吉田拓郎)



☆ で,「俺たちの勲章」に関連するデータをWikipediaから。
・1975年4月2日から1975年9月24日まで、東宝製作により日本テレビ系列で放送された刑事ドラマ。放送時間は毎週水曜日20:00 - 20:55、全19話。
・吉田拓郎が音楽を手がけたのは、本作が中村主演の『われら青春!』と同じプロデューサーで、気心知れていたため、中村が大ファンだった拓郎に音楽を頼めないかと、プロデューサーに依頼したことによるもの。

☆ 中村雅俊の「いつか街で会ったなら」は,1975年5月1日リリース。編曲は大柿隆。オリコン最高位は週間4位,75年度年間16位。累計130万枚のヒット曲であり,彼の歌唱法をほぼ決めた作品である(スージー鈴木はこのことをよ~く確認すること=爆)。

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Author:deaconblue
「音楽っていいですね。そこには常に理屈や論理を超えた物語があり、その物語と結びついた優しい個人的背景がある。この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。」(引用元:村上春樹「ポケット・トランジスタ」(『村上ラジオ』2001年6月8日所収))

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