転石回転譜(3) 猥雑な徘徊者
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☆ 1970年から73年ごろのストーンズは実に泥臭いバンドだったと思う。それから最も黒っぽくなった時期を経て,バンドにとって真の激動期である80年代に突入していく(と思っている)。
「Brown Sugar」 (The Rolling Stones 1971年4月16日=英,5月7日=米)
Recorded at Muscle Shoals Sound Studio in Muscle Shoals, Alabama from 2–4 December 1969
☆ 『スティッキー・フィインガーズ』と『エグザイル・オン・メイン・ストリート』はストーンズの最も猥雑な部分がモロ出しになった傑作だと思う。ちなみに自分の知っている限り最悪のこの曲のカバーは,数年前にテレビ●●で放映された●●●の●明けの中で●山●彦が歌っていたヴァージョンである(爆)。転石は会計系エスタブのあんたには,全然似合わない(lol)と思う。
↓ 英語版 Wikipedia による別ヴァージョン(このYou Tubeのタイトルはミステイク)
(1970年12月18日収録 Al Kooper on piano, and Eric Clapton on slide guitar)
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「蒼いフォトグラフ」 (松田聖子 1983年10月28日)
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「蒼いフォトグラフ」(松田聖子 1983年10月28日)
作詩:松本隆 作曲:呉田軽穂 編曲:松任谷正隆
☆ 松田聖子の15枚目のシングル「瞳はダイヤモンド」のカップリング曲。A面と同じように恋人との別れを描いているが,ストレートなトーチ・ソング(失恋ソング)であるA面曲と比べると,抑えた分の感情の深みを描こうとしているのが分かる。だから発売当時からベタなA面よりもこちらの方が好きだという人は少なくなかった。
☆ 松本隆のこの歌詩で連想するのは,曲を書いているユーミンの「あの日に帰りたい」で,ユーミンの詩は青春の「想い」がそのまま喪われていくことへの心の傷を描くのに対し,松本 "微熱少年" は,松田がこの時代のトップ・アイドルであることを前提に,もう少し生々しさを抑えた詩に仕上げている。その結果,感傷的な作品にもかかわらず,どこかさわやかな後味が残り,それが作品の深みとなっているのだと思う。
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「Message in a Bottle(孤独のメッセージ)」 (The Police 1979年9月)
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☆ 漂流者が瓶の中に手紙を入れて海に流す。誰かがこのメッセージを拾って救いに来てくれないかと。希望だけを持って待ち続けたある朝,海辺に出てみると,数え切れないほどの瓶が流れ着いていた。自分と同じように何百万もの孤独な魂が戻るべき家を求めて瓶を流していた。人間を観察するゴードン・サムナー(スティング)の視点は,都会を砂漠と表現する代わりに瓶の中のメッセージが自分だけのものではない,都会に住む一人ひとりがそういう孤独な魂を抱えていると歌っている。だから邦題の「孤独のメッセージ」は歌の中身を言い当てており,素晴らしい。
☆ 英国では1位(他にアイルランドやスペインでも1位),米国では76位,カナダでは2位(他にオランダでも2位),フランスでは3位。日本でもA&Mがプロモーションを活発化したので初ヒットとなった。後年この曲のタイトルを借りた映画もあったし,ブログの初期には「ボトルメール」といって,誰に届くのか分からないメッセージを流すお遊びがあった。スティングが描いてきたのは「個」の時代であり,彼のポリス時代の詩はミニマリズムの文学とシンクロナイズしていると思う。それはあの時代の空気だったようにも思う。
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「Waterloo(恋のウォータールー)」 (アバ 1974年3月4日=スウェーデン語盤,同12日=英語盤)
※ アバは表記上の二文字目のBが逆さまにならないので,このまま「ABBA」と記す。
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☆ スウェーデンが誇る世界一のユーロ・ポップ・グループがアバだろうと思う(少なくとも70年代は)。この曲「Waterloo(恋のウォータールー)」は彼らの名を欧州中に広めた大出世作だ(日本では当時まだリリースが無かった)。この曲は1974年の第19回ユーロビジョン・ソング・コンテストの優勝曲(ちなみにこの回の第2位がイタリア代表のジリオラ・チンクェッティだったので,イタリアでは他の国ほどこの曲がヒットしなかったのかもしれない^^;)。
☆ アバのこの曲(英語盤)は,欧州圏では英国,西ドイツ,ベルギー,スイス,フィンランド,ノルウェー,アイルランドで1位を獲得し,オランダでは1位もしくは2位,オーストリアで2位,フランスとスペインでは3位のヒットとなった。ちなみに本国では母国語盤が2位,英語盤が3位で,その他南アとローデシア(ジンバブエ)で1位,ニュージーランドで3位,豪州で4位,米国で6位,カナダで7位。ユーロ圏で最もヒットしなかったイタリアで14位。そして日本ではリリースされなかったので対象外という結果になっている。
☆ アバというグループは(前身がビヨルン&ベニーであることを含め)60年代ポップスの良質の部分が70年代「ロックの時代」で喪われつつあったことへのアンチ・テーゼ的な所を出発点としている。この曲は60年代色の濃い「キャンディ・ポップ(バブルガム・ポップ)」であるし,その後のアプローチは多面的というよりはユーロ・ディスコの一方の核としての存在感と民族音楽風の作品とを交互に出すなど,80年代後半に復活するスウェディッシュ・ポップの先駆者としてポップ・ミュージックの中では特筆すべき活動をしてきた。もちろん毀誉褒貶は一部にあるが(実際,個人的にも好んで聴いていた時期は短かった)90年代の再評価や「マンマ・ミーア」の成功を経て,60年代のビートルズに並ぶ存在にまで評価が高まったのも事実だと思う。
英語盤ジャケット

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「Tell Her No」 (ゾンビーズ The Zombies 1965年)
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☆ ゾンビーズは1960年代のブリティッシュ・インヴェンジョンの中でも特異な存在で,本国の英国ではTop10ヒットが1曲も無い(英語版 Wikipediaの記述によると,米国での三大ヒット曲のチャートアクションを比較すると「She's Not There」(米国:2位,英国:12位)「Tell Her No」(米国:6位,英国:42位)「Time Of The Season」(米国:3位,英国:チャート圏外)という結果)。更に日本では「I Love You」(英国のみシングルカットするも圏外)をグループサウンズのザ・カーナビーツが「好きさ 好きさ 好きさ」のタイトルで大ヒットさせているので,ゾンビーズの最もコアなファンはもしかすると日本に多かったかもしれない。
☆ ゾンビーズはロッド・アージェントとクリス・ホワイトという二人の優れたソングライターとコリン・ブランストーンという1960年代の英国を代表してもおかしくない才能溢れるシンガーを擁していた。ブリティッシュ・インヴェンジョンのグループサウンズ的な魅力もあったが,そのサウンドの特徴は際立ったクールさで,他のR&Bを母体とする熱いグループとは一線を画していた。それが彼らの人気がいま一つ盛り上がらない理由だったかもしれないが,少なくとも先に挙げた三つの米国でのヒット曲を始めとして,タイムレスなスタンダードたりうる作品群を残している。彼らの60年代最後の作品集『オデッセイ&オラクル』は確かにサイケデリック・ロックの影響を受けた作品であるが,アルバムジャケットほど音はサイケでなく,このアルバムを以てゾンビーズをサイケデリック・ロックの範疇に入れることには同意しかねる。
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